【ワシントン西田進一郎】佐々江賢一郎駐米大使は2日の記者会見で、トランプ次期米大統領が就任初日に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を主張していることについて「(初日の来年)1月20日でおしまいではない。それを超えても議論していくということではないか」と述べた。

 初日に離脱を表明しても方針転換の可能性があるとの認識で、TPPの経済的・戦略的な意味を説明し、翻意を促し続ける考えを示した。

 佐々江氏は、新政権が誕生すれば、その中でTPPや貿易政策について議論されるとし、「我々はその議論に積極的に参加していきたい」と表明。貿易交渉の権限は大統領貿易促進権限(TPA)法で議会から与えられていることも指摘し、「これは長い時間をかけて展開していく話だ」との認識を示した。