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【経済】

赤字国債追加を検討 1兆円超、税収減予測受け

 政府は月内に閣議決定する二〇一六年度第三次補正予算案で、追加の赤字国債(借金)を一兆円超発行することで検討に入った。円高による法人税収の落ち込みなどで、税収が当初予算の見積もりよりも下回っているのが理由。安倍政権は想定より多い税収増で経済対策を重ねてきたが、政権の経済政策「アベノミクス」のブレーキが浮き彫りとなった。

 公共事業に限定した建設国債に対し、赤字国債は政府の収入不足を補うために発行される。年度途中に赤字国債を発行すれば、リーマン・ショック後の〇九年度以来、七年ぶりとなる。

 一六年度は特に前半で円高が進んだことで企業の業績が悪化し、法人税の収入が落ち込んでいる。当初予算で見込んでいた税収五十七兆六千億円に到達できない可能性があるため、収入不足を赤字国債の追加発行で埋める必要が出てきた。

 アベノミクスはこれまで、「第一の矢」とする日銀の大規模な金融緩和が一因となった円安による企業業績の改善を背景に、当初の想定より増えた税収で「第二の矢」である経済対策を重ねてきた。

 だが、このまま税収が伸び悩めば、借金の拡大なしに経済対策を実行しにくくなる。日銀の金融緩和にも限界が見える中、政権には経済対策の練り直しも必要と言えそうだ。 (桐山純平)

 

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