障害者週間 ともに暮らせる街づくり条例案を議論 東京 小金井

障害者週間 ともに暮らせる街づくり条例案を議論 東京 小金井
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3日から障害者週間が始まり、全国各地でさまざまな催しが開催されています。東京・小金井市では、障害のある人とない人がともに暮らす街をつくるために新たに設ける条例案を検討する催しが開かれ、相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件を受けてさまざまな意見が出されました。
全国の自治体では、ことし4月に施行された障害者差別解消法などを受けて条例を制定する動きが広がっていて、東京・小金井市では新たに設ける条例案に対する意見を聞く催しが開かれました。

はじめに参加者およそ100人が、ことし7月に相模原市の知的障害者の施設で19人が殺害された事件の犠牲者を悼み、黙とうしました。
このあと容疑者の男が障害者を冒とくする内容の供述を続けていることを受けて、条例案の前文に「障害者の生存を否定し排除する優生思想に基づく考え方に断固反対して糾弾する。二度と事件を起こさないために、ともに支え合える街にする」という文言を盛り込んだことが説明されました。

会場では、障害のある8人が発言し、聴覚障害のある女性が「災害時には字幕や絵でも避難を呼びかけて欲しい。障害者だけでなく子どもや外国人にも優しい街になる」と指摘したほか、視覚障害者の女性は「駅の階段では周囲が気にかけてくれるが、実はホームが1番危険なことを知って欲しい」と話しました。
また、精神障害のある男性からは「当事者抜きに決めることなく、さまざまな当事者や家族の価値観を反映してほしい」といった意見が出されました。小金井市は今後も市民から意見を募り、来年秋をめどに条例を制定することにしています。
条例案の検討に関わった東京学芸大学の高橋智教授は、「事件を悲しむだけでなく地域社会でともに生きることを実現することが大切で、条例に事件のことを残すことで、常にこれでいいのかと振り返られるようにしたい」と話していました。