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国論二分、最後の訴え 憲法改正国民投票控え

賛成の中道左派・民主党と、反対派「五つ星運動」の両陣営

 【ローマ福島良典】イタリア憲法改正の是非を問う4日の国民投票を控え、賛成を呼びかけるレンツィ首相(41)の中道左派・民主党と、元コメディアンのベッペ・グリッロ氏(68)率いる反対派の新興政治団体「五つ星運動」の両陣営が2日、最後の訴えを繰り広げた。既成政党批判で支持を広げる「五つ星」はレンツィ氏の国会改革案を「非民主的」と攻撃して対決姿勢を強めており、国論二分の状態だ。

     「五つ星」が特に批判しているのは改憲案で上院(現定数320)の規模と権限が縮小され、国民の投票で選ばれない非公選議会(新定数100)に改編される点だ。グリッロ氏は2日、ラッジ・ローマ市長らと共に「憲法と投票権を守ろう」などと訴えた。

     ローマ在住の主婦、アンナ・ボンディさん(45)は「イタリアの腐敗状況を見れば上院のチェック機能は役に立つ」と指摘。高校教師のルチーア・モドゥーニョさん(61)は「改憲で生まれるのは『民主主義の仮面をかぶった少数独裁政治』だ」と懸念を示した。

     これに対して、レンツィ氏は「反対派が勝てば(定数630の下院と合わせて)950人もの国会議員が居座り続けることになる」と述べ、改革による国会スリム化とコスト削減を強調。一方で年金受給額が少ない老人に増額を約束した。南部ナポリでは反対派が多いが、年金生活者のアルマンド・サルザノさん(70)は賛成派。「国会議員が多すぎる。議員数と歳費を減らして、零細企業や失業中の若者への支援を手厚くすべきだ」と理由を語った。

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