今日は診察日だった。
カリフォルニアロケットの改良版、つまりエビリファイをごく少量加えることによって補助エンジン的役割を果たさせることにより、安定した周回軌道を回らせる、という目的だが、今日、過去一ヶ月間の気分のデータをもとに、その有効性を判断する事になっていた。
過去一ヶ月間の記録は以下の通り。
エビリファイを投入してから一時的には落ちることもあるものの一日で回復している。また、落ちても会社にいけなくなるほど落ち込むことはない。
「効果は順調のようだね。」主治医は言った。
「そうですね。多少早朝覚醒も見られますが、それでも起きる30分前の4時半ぐらいですから。」ぼくは答えた。
「昼間は眠くない?」主治医の質問に対して、
「エビリファイの副作用のせいか多少あくびは出ますが、実務に支障をきたすことはありません。ただ・・・、」
「どうしたの?」
「血圧が多少上がっているようです。最も前のときほど上がってはいませんが・・・。上が130、下が90弱位ありますね。もう少し血圧さがりませんか?」
とぼくは尋ねた。
主治医は、「イフェクサー(ベンラファキシン)を減らすという手もあるけど、今はせっかく順調にいってるからその数値だったら慌てて減らすことはないよ。今度の年末年始の休暇でトライしてみましょう。」
と言った。
さらにまとめとして、「マイクさんには今回のさじ加減はうまくいっているようだね。ただ、あまり張り切りすぎないように。この病気は突然落ちることがあるから。」
と念を押した。
たしかに、安定した周回軌道に収まるまではもう少し様子を見よう。しかしだいぶ光明が見えてきたと思う。
ここで紹介しておくが、ぼくの主治医は、たとえ生活保護を受けていて収入がない人でも無料で診察をする、という人道的な精神科医だ。
そしてぼくが通っているクリニックは日本のアニメ発祥の地、大泉学園にある。下は地元の漫画家松本零士氏の「銀河鉄道999」の車掌さん。↓