フリーゲームの中でも、よくできたゲームというものがある。
こうしたゲームは、サークル活動を通じて作成されることが多く、たくさんのユニットが相互に協力して作成される。物語、音楽、グラフィック、システム、そうしたものが組み合わされなければゲームは作ることができず、レオナルド=ダヴィンチのごとき天才でなければ全てを一人で作ることはできず、そして現代にはそうしたものを一人で作る時間は一個人にはほとんど無いと思われる。
今回紹介する「Ruina 廃都の物語」はよくできたゲームだ。プレイしてて、ゾクゾクするような薄暗く、ひんやりしたダンジョンの雰囲気がプレイヤーにも感じられる。ひとつひとつの選択肢を選ぶこと、階段を下りることにこれだけ緊張を強いるゲームは久しぶり。それこそファミコン時代の名作(?)シャドウゲイト以来ではないだろうか。もちろん、シャドウゲイトはクソゲー評価も高くネタにもされやすいが、このRuinaはよくできたシャドウゲイトというべきか、テキストへの気配りや攻略難易度の点において素晴らしくできあがっている。
そして、世界観もしっかりと作られている。ゲームの中には登場しない色んな情報がプレイヤーの想像力を刺激して、奥深い考えにさせられる。
シャドウゲイトとは違い、ADVではなくRPGなので、根本的には違うのだが、ゲームの雰囲気がそうだということでご了承いただきたい。RPGとしての要素も非情によくできていて、仲間の編成がどうだったとしても最後まで行けるゲームバランスは見事だと感じる。そして、謎解きできずに力押しするだけでは魔将にはまず勝てないようにできているのもまた楽しい(やってやれないことはないけど)。
ゲームが制作されたのがちょっと前ということもあるが、今やっても十分に面白く感じられるのは一つ一つの作りが丁寧だからである。
攻略に関していえば、もう情報があちこちにあるので何も語ることはない。ただ、是非とも攻略情報に頼らずにやってみてほしい。意外なアイテムの使い方があって、情報を集めてみればどんな問題があろうと上手く進めることができる。
シャドウゲイトが好きだった、またはシャドウゲイトがうまくできなくて悔しい思いをしたという人たちは、是非プレイしてみてスッキリするべきだと思う。
こういう雰囲気のあるフリーゲームは本当に面白い。少し間を空けて、またプレイしてみたいものだ。
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