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【国際】「産経を懲らしめなければ」 韓国大統領府、捜査指示か【ソウル=島崎諭生】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の男女関係に関するうわさをネット上の記事で取り上げたとして、二〇一四年に産経新聞の加藤達也元ソウル支局長が名誉毀損(めいよきそん)の罪で在宅起訴された当時、青瓦台(大統領府)の指示で捜査が進められた疑いが濃いと、韓国の全国言論労組が二日、発表した。当時青瓦台で警察や国家情報院との調整を担当していた首席秘書官で、今年八月に肝臓がんで死去した金英漢(キムヨンハン)氏が生前に残したメモで、判明したという。 同労組が金氏の遺族から十一月末にメモの提供を受け公表。メモには、懲戒リストを作成し、警察や国家情報院に捜査班を設けることなどを、青瓦台が具体的に指示していた状況が記載されていた。 加藤氏の記事は一四年八月三日にネット上に掲載されたが、同七日のメモには当時の金淇春(キムギチュン)青瓦台秘書室長が「産経を忘れてはならない。懲らしめなければ。リストを作って報告、追跡し、処罰するよう情報収集。警察、国情院にチームをつくらせる」などと指示したとみられる記載があった。 当時、加藤氏への任意聴取や起訴は、市民団体の告発を受けて行われたとされていた。メモにより、検察が捜査を始めた背景に、大統領府の指示があった可能性が強まった。 同十月六日のメモでは「産経問題がイシュー(争点)になり、日本政府が慰安婦問題で(攻守)反転を企てることが予想される」と、外交問題への影響を懸念する記述もあった。 大統領府の報道担当者はメモについて「特にコメントすることはない」と語り、真偽について立場を明らかにしなかった。 加藤氏は一五年十二月にソウル中央地裁で無罪判決を受けた。検察は控訴を見送り、無罪が確定した。 ◆怒りより恐ろしさ<産経新聞元ソウル支局長の加藤達也氏(社会部編集委員)の話> 当時、産経新聞と私が韓国政権中枢の激しい怨嗟(えんさ)の的になっていたことを改めて感じる。政権総掛かりの個人攻撃だったことに、怒りというよりも恐ろしさすら覚える。 <小林毅同社編集担当取締役の話> 公表されたメモが事実であれば、加藤氏への捜査、在宅起訴は大統領府が特定の報道機関を標的にしていたことになり、大きな憤りを禁じ得ない。今後の事態の推移を強い関心を持って注視していく。 PR情報
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