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【社会】

新潟の小学校 担任、原発避難児を「菌」 いじめ相談後に発言

 東京電力福島第一原発事故で、福島県から新潟市に家族と自主避難している小学四年の男子児童が、担任の四十代男性教諭から名前に「菌」を付けて呼ばれ、一週間以上学校を休んでいることが二日、分かった。新潟市教育委員会が明らかにした。

 児童は夏休み前に、担任に「同級生から名前に『菌』を付けて呼ばれているのが嫌だ」という趣旨の相談をしていた。今回の問題の前の十一月上旬に、横浜市に自主避難した中学一年の男子生徒が名前に「菌」を付けて呼ばれるなどのいじめを受けていたことが明らかになっている。

 市教委によると、児童は十一月二十二日に担任から教室で連絡帳を渡された際、名前に「菌」を付けて呼ばれた。児童は二十四日から学校を欠席している。二十二日は早朝に、福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生していた。

 十七日にも児童は担任に「同級生に嫌なことをされる」と相談していた。二十四日当日に両親が学校に連絡。別の教諭らが二十九日、クラス全員に聞き取り調査をして確認した。市教委の担当者は「児童から相談があったにもかかわらず、あまりにも不用意で不適切な発言だ」としている。

◆各地で避難者いじめ

 横浜市では先月、福島県から自主避難している中学一年の男子生徒が、市立小学校時代に避難者であることを理由にいじめを受けていたことが判明。両親によると、生徒は「菌」「放射能」と呼ばれたり、「賠償金をもらっているだろう」と言いがかりをつけられてゲームの遊興費など多額のお金を支払わされたりしたこともあったという。

 市教委の第三者委員会は、学校側の対応を「積極的に対応する姿勢がうかがえない」「教育の放棄に等しい」などと厳しく批判。市教育長は陳謝に追い込まれた。

 東京都内でも、福島県から自主避難している複数の母親が取材に応じ、子どもが同様のいじめ被害に遭ったことを明らかにした。一方、都教委は横浜市のいじめ問題を受け、被災した子どもの家庭への聞き取り調査などいじめ対策を徹底するよう、区市町村教委や都立高校に通知をした。

 

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