トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 首都スポ > 記事

ここから本文

【首都スポ】

大学スポーツ新聞競演企画 サッカーインカレスポーツ法政 期待の選手はFWディサロ

2016年12月1日 紙面から

 2016年最後の「大学スポーツ新聞競演」は、7日に開幕するサッカーの全日本大学選手権(インカレ)出場校から「わが校期待のフットボーラー」の紹介です。2回シリーズの第1弾は、スポーツ法政と専大スポーツです。第2弾(明大スポーツ、慶應スポーツ)は次週、掲載予定です。

      ◇

 当たり負けしない強靱(きょうじん)なフィジカルに加え、チャンスに対する抜群の嗅覚。ストライカーに必要な条件を兼ね備えた男の、覚醒のときが近づいている。ディサロ燦シルヴァーノ−。入学当初から期待され続けていた大器は2年目の今季、大きな節目を迎えた。

 苦しいときこそ、足元を見つめる。勝利から遠ざかったシーズン終盤。そんなチーム状況と反比例するように、ディサロは関東大学リーグ最後の5試合だけで3得点1アシストを記録する。今季の全5得点の半分以上を稼ぐ、まさに驚異的なペースで得点に絡んだ。

 その手応えの裏にあったのはプレースタイルの変化。長山一也監督をはじめとする周囲の意見に耳を傾け、チャンスメイクよりもゴール前での仕事、また献身的な守備やフリーランニングといった「怖い」選手への変貌を遂げようとしていた。

 それだけではない。入学後初の1試合2得点を達成した11月6日の明大戦、さらに同27日の関東大学選抜選考会。どちらも自らの活躍で勝利に導きながらも、試合後には「自分の評価よりもチームの勝利の方が重要」と切り出した。ゴール前での怖さを持ち、得点へのエゴイストでありながら、念頭に置くのはチームの勝利。この背反しかねない二つの要素を、彼は絶妙なバランスで併存させる。

 「昔はファンペルシー(オランダ)が好きだったけど、今はスアレス(ウルグアイ)かな」。理想像を問うてみると、そんな答えが返ってきた。ゴールに対して異常なまでの執着心を持ち、献身的なプレーもいとわない世界屈指のストライカーだ。そしてディサロも、三菱養和SCユース時代に日本クラブユース選手権(U−18)でチームを31年ぶりの優勝へと導き、得点王にも輝いた実績を持つ。類いまれな得点感覚を携え、ゴールハンターとしての素質があることはすでに実証済み。あとはそのポテンシャルをインカレの舞台でいかに引き出せるかが重要となる。

 準備は整った。9年ぶりのインカレ出場となる法大。もちろんディサロにとっても初めての出場だが、頭の中には「勝利」の2文字しかないだろう。いざ古豪復活へ。チーム思いのストライカーが、新たな歴史を創り上げる。 (下田朝陽)

◆筆者のひと言

<下田朝陽(しもだ・あさひ、社会学部2年)> 「中学時代、所属していたクラブチームで1つ上だった先輩が背番号10を着けて、関東大学1部昇格を決めました。記者と選手。立場もレベルも僕の方が断然低いですが、本当に一握りの選手しかプレーできないリーグなのだと改めて実感しました。取材を受けてくれる方々への感謝の気持ちを忘れずに、これからも頑張っていきたいと思います」

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ