[唐山/貴陽 1日 ロイター] - 中国の衛生陶器メーカー、豊華陶瓷は北部の唐山市に工場を建設中だ。2000年以降最大の設備投資で20%の増産を目論むが、雇用を増やす予定はない。売上高は徐々に回復しているが、用地や雇用面のコストが上昇し、利幅が縮小しているためだ。
中小企業の多くは豊華陶瓷と同じようなジレンマに悩んでいる。
政府は、今年に入って成長が安定して民間投資が持ち直し、内需の好調が読み取れると楽観的だ。しかしエコノミストは、国と結びつきの強い企業が優遇されるビジネス環境下にあって、企業は経営のかじ取りに苦心しており、景気回復は一過性で終わりそうだと警告している。
また設備投資が上向いたとしても、全ての業種で政策当局者が期待する数千人規模の雇用が創出できるわけでもない。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジュリアン・エバンスピッチャード氏は「(景気回復を主導しているのは)成長構造の持続的変革や改革ではなく、過去の金融緩和だ」と指摘。「問題は売上高の伸びがどうなるかだが、持ち直しのペースがこれまでよりも大幅に高まることはないだろう。自分が中国企業ならば、今後数年間のマクロ経済の見通しに不安を抱くだろう」と話す。