韓国政府 2日にも対北朝鮮独自制裁発表へ

【ソウル聯合ニュース】国連安全保障理事会が先月30日(米東部時間)、5回目の核実験を強行した北朝鮮への制裁決議案を採択したことを受け、韓国政府も独自の追加制裁を発表する予定だ。

 政府は早ければ2日にも▼金融制裁対象者の拡大▼対北朝鮮海運規制の強化▼北朝鮮関係者の出入国制限▼南北間の物品般入・持ち出し規制強化――などを盛り込んだ対北朝鮮独自制裁案を発表するもようだ。

 政府当局者は、「北は苦痛を感じるだろう」として追加の独自制裁に強力な措置が含まれることを示唆した。

 北朝鮮の4回目の核実験を受け、政府は今年3月8日、北朝鮮の大量破壊兵器開発などに関与する個人40人と30団体を金融制裁対象に指定したほか、北朝鮮に寄港した第三国船舶の180日間の入港禁止や北朝鮮産の物品の輸出入規制強化などを含む内容の独自制裁を発表した。

 今回の対北朝鮮独自制裁には北朝鮮の主要な外貨収入源を断つため北朝鮮の団体や個人に対する金融制裁を拡大する方策が盛り込まれるとされる。

 北朝鮮の5回目の核実験後、政府は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とその妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長を金融制裁対象に加えることを検討してきたとされる。

 統一部の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は先月7日の定例記者会見で、金与正氏を制裁リストに含む独自制裁案がまとまったとする一部メディアの報道について、「まだ事実ではない」としながら慎重に検討を進めていると明らかにした。

 韓国の金融機関を利用しておらず、韓国に資産もない北朝鮮のトップを制裁対象に加えても実効性はないが、制裁対象に指定することでリストにある個人と団体に問題があることを国際社会に公表し「レッテル」を貼る効果がある。

 米政府が北朝鮮の人権侵害に関する制裁リストを公開しているように韓国政府も北朝鮮人権法の施行を機にリストを発表する可能性もある。

 北朝鮮に寄港した第三国の船舶の韓国入港を禁止する海運制裁をより強化したり、海外の北朝鮮レストランの利用を禁止したりすることなどが政府の独自制裁案に含まれるという観測も出ている。

 韓国に住む北朝鮮脱出住民(脱北者)の送金を断つ方策も言及されているが、実効性に欠けると指摘されている。脱北者の多くは中国内のブローカーを通じ北朝鮮にいる家族や親戚に送金しているため、送金ルートを把握するのは容易でないためだ。

 さらに、脱北者が北朝鮮の家族に送る生活費は北朝鮮の市場経済化に寄与する側面があるため北朝鮮に圧力をかけるという制裁目的にそぐわないとする意見もある。

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