ソフトバンク 自動運転の通信システム 中国企業と共同開発へ

ソフトバンク 自動運転の通信システム 中国企業と共同開発へ
k10010793521_201612030501_201612030502.mp4
大手通信会社のソフトバンクは、スマートフォンメーカーとしては世界第3位の中国のファーウェイと提携し、車の自動運転に使われる通信システムの共同開発に乗り出すことが明らかになりました。
関係者によりますと、ソフトバンクはファーウェイと提携し、車の自動運転の分野で車の位置情報や信号などの交通インフラとデータをやり取りする通信システムの共同開発に乗り出すことで合意しました。

この通信システムは、「5G」と呼ばれる次世代の携帯電話の通信方式を活用するもので、共同開発には東京大学発のベンチャー企業なども参加します。

両社は、携帯電話との干渉を防ぐ自動運転専用の電波帯域を設けることや、安全対策として遠隔操作で車を停止させる技術などを開発する計画です。日本の大手通信会社がこの分野でグローバル企業と提携するのは初めてとなります。

ソフトバンクはことし4月、グループ内に自動運転の開発会社を設立するなど本格参入し、今後も、ほかの企業との提携を拡大していく方針です。

自動運転をめぐっては、アメリカのグーグルが開発を進めているほか、自動車メーカー各社が実用化に向けた開発を急いでいて、この分野の競争は世界的に激しさを増しています。

提携の狙いは開発スピード

ソフトバンクとファーウェイの提携には、世界各国の企業がしのぎを削る自動運転の分野で共同開発によって開発スピードを速める狙いがあります。

共同開発する通信システムは、次世代の携帯電話の通信方式「5G」を活用するもので、現在の方式よりも通信速度がおよそ100倍速く、世界各国の通信事業者が採用する見通しです。

ソフトバンクは、2020年の実用化に向けて5Gの通信設備の開発を進めてきた一方、ファーウェイはさまざまな通信機器に搭載する半導体製品の製造を得意としています。両社はそれぞれを補う形で開発のスピードを速める狙いがあります。

また、ファーウェイは主力のスマートフォンの出荷台数が去年、1億台を超え、世界的なシェアは韓国のサムスン電子とアメリカのアップルに次ぐ第3位で、ソフトバンクとしては、すでに世界市場で存在感のある地位を築いているグローバル企業との提携は、自動運転の分野で日本国内だけでなく海外市場へ進出する足がかりにもなります。