【噴水台】絶望が希望といえる理由=韓国

【噴水台】絶望が希望といえる理由=韓国

2016年12月02日13時41分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「独身男性結婚推進会」「なまけ者連合」「高山病研究会」の共通点は? そうだ。先週土曜日、ソウル光化門(クァンファムン)を埋めた190万人の国民がろうそくとともに手にしていた旗に書かれた集いの名前だ。多少独特でかなりのユーモアが込められたこの旗は、集会に当然登場するような戦闘的な旗とは全く異なるものだった。「独身男性結婚推進会」が花の土曜日に合コンの代わりに光化門に出動し、「高山病研究会」は高山病研究という崇高な目的はしばらく先送りして民意を知らせようとしているなんて、どれほど国の状況が厳しいというのだろう。連合まで結成する勤勉さを誇示した「なまけ者連合」には敬意を表わしたいほどだ。至心が天に通じたのか、舞い散っていた雪もろうそくに火を灯そうかという夕方になると、ちょうど止んでくれた。

  しかも、どんな強い風にも消えないLEDろうそくはヘアバンド型から旗型にまで進化した。集会現場の至る所に新しいアイディアとユーモア感覚があふれている。今回の集会が一部デモ隊の作戦ではなく、国民全体の強固な民意を反映していることを示している。

  残念だが、今回の土曜日にも「なまけ者連合」は怠ける余裕がなさそうだ。独身男性も、高山病研究者も色とりどりのLEDろうそくを手にして光化門へ向かうだろう。朴大統領が「全てをあきらめた」といったが、その「全て」がいったい何を指すか国民には分からない。大統領の弁護人は「女性としての私生活」云々したが、国民にも守られるべき私生活がある。いつまで国民が私生活は返上し、広場に出て集会で土曜日を燃やさなければならないのか。

  絶望のまん中に立たされている大韓民国だが、それでも希望を見出さなければならない。状況は異なるが、希望の糸口は戦後日本を参考にしていいだろう。戦後日本で作られた新造語、虚しいという意味の「キョダツ(虚脱)」がそのヒントになる。米歴史学者ジョン・ダワーは、著書『敗北を抱きしめて』で「キョダツ」が、日本が生まれ変わるきっかけとなったと分析した。戦争の敗北と絶望感が一般の日本人にかえって新たな出発ができるように契機を与えたということだ。2016年大韓民国の「キョダツ」も新たな出発に向けた辛い成長痛になり得るのではないか。ついでに大韓民国を大掃除できるのではないかと期待をかけてみたい。政界を見渡すと、ため息が出るばかりだが、大韓民国には190万人が平和に集会を行う素晴らしい国民がいる。今日の絶望を抱きしめて明日への希望に変えるのも、この国の国民ならきっとできると信じている。明日も燃え上がるろうそくの灯りは、すでにその希望の始まりだ。

  チョン・スジン 政治部記者
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