中国で道路橋10万基超が崩落の危機 「建設とメンテ」同時進行の時代に (2/3ページ)

2016.12.1 06:44

江西省南昌市では11月20日、第1回「南昌国際マラソン」が開催され、多くの参加者が「南昌八一大橋」を渡った。この橋は架け替えを経て、現在のものは1997年から使われている(中国新聞社)
江西省南昌市では11月20日、第1回「南昌国際マラソン」が開催され、多くの参加者が「南昌八一大橋」を渡った。この橋は架け替えを経て、現在のものは1997年から使われている(中国新聞社)【拡大】

 大橋や特大橋に関し、中国交通運輸省の関係責任者は「近年、橋の建設は人件費や材料費の高騰、さらに『長い・大きい・高い・特別』といった要素を求める傾向からコストが上がっている。しかし多くの橋の品質はコスト増に見合ったものではなく、完成から数年後には補修が必要となるケースもある」と指摘する。

 ◆突発的リスク

 一方、中・小規模の橋について、業界関係者は「巨大道路交通システムに組み込まれたこれらの橋は、材料の劣化や地盤沈下などによる変形リスク、自動車や船の衝突、過積載車両、地質災害といった突発的リスクを抱えており、安全面に一定の潜在的な危険性がある」と語る。

 水上橋の建設を手掛ける企業、武漢二航路橋特種工程の王蔚・共産党委員会書記は「中国はこれまで『建設重視、メンテナンス軽視』という回り道を走ってきた」と表現。「橋の寿命における建設期は10%にも満たず、その他多くの期間はメンテナンス期に属することから、長期的な安全使用には建設の質のみでなく、管理・メンテナンスの水準が重要になる」との考えを示した。

 中国で建設される橋の径間長(橋脚と橋脚の間の長さ)は次第に拡大しており、全長1000メートルまたは1つの桁長が150メートルを超える大型橋が増え、その安全性にも関心が集まっている。だが複雑な構造や検査の難しさ、データ量の多さがネックとなり、全体状況を把握したくとも部分的にしか検査が行えない状況が長期間続いているのが現状だ。

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