原発事故避難の児童 担任が名前に“菌”つけて呼ぶ

原発事故避難の児童 担任が名前に“菌”つけて呼ぶ
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新潟市の小学校で、原発事故のあと福島県から自主避難してきた4年生の男子児童が、担任の教諭から名前にばい菌の「菌」をつけて呼ばれたとして、1週間以上、学校を休んでいることがわかり、新潟市教育委員会は、児童の心を傷つける不適切な発言だったとして謝罪しました。
新潟市教育委員会によりますと、原発事故のあと福島県から新潟市内に家族と自主避難している小学4年生の男子児童は、先月、担任の男性教諭から教室で名前にばい菌の「菌」をつけて呼ばれたとして、1週間以上学校を休んでいるということです。

教育委員会によりますと、担任の教諭は「インターネットの動画サイトで人気の『ヒカキン』さんなどの影響で、クラス内で親しみを込めてカタカナの『キン』をつけてやり取りすることがあり、ほかの児童の名前にも『キン』をつけて呼んでいた。ばい菌の『菌』という意味ではなかった」と説明しているということです。

しかし、男子児童は、担任教諭から名前を呼ばれた日の数日前に、「同級生から名前に『菌』をつけて呼ばれている」などと、この教諭に相談していたということです。

教育委員会は「いじめの相談を受けていたにもかかわらず、児童の心を傷つける不適切な発言だった」として謝罪しました。

教育委員会では、児童と保護者に担任の教諭らが直接謝罪するとともに、今後、登校を再開できるようサポートを行うことにしています。

発言をめぐる経緯

まず、ことし6月、児童から担任の教諭に「同級生からばい菌というか、汚いもの扱いされている」と相談がありました。
この時、教諭は、相手の児童や周囲の子どもたちに対し、「そういうことはいけないことだ」と指導しました。

先月17日、児童が再び、個別相談の際、担任の教諭に相談しました。
この際、生徒は「同級生に名前に『菌』をつけて呼ばれている。近くを通るな、という避けるそぶりをされる」と悩みを相談したということです。

教諭は、翌18日、避けるそぶりをした児童を指導しました。

しかし、福島県などで震度5弱の地震があった22日、教室で家庭連絡ノートを返す際、教諭は、この児童だけに「はい、○○キンさん」と声をかけたということです。
ショックを受けた児童は「もう学校に行けない。担任とも会いたくない」と保護者に話し、保護者が学校に電話しました。
児童は、教諭に相談していたのに、裏切られた気持ちだと話しているということです。

24日、児童は欠席し、現在も欠席する状態が続いています。