こんだけシステム積み上げたら何やってもバグるし調整失敗するよそれは
当たり前だけど、できることとやりたいことはどこかで折り合いをつけないといけない。
国力に見合わない戦争拡大を続ければどこかで破綻する
100万階建てのビルディングの建設
要素が増えるほど調整の必要性は増えていく。一本道シナリオは調整がしやすい。だから大体のツクールアマチュア作品とか、昔のファミコンゲームは一本道だった。それでも調整に失敗し、バグや仕様の穴を突いたテクニックがプレイヤーによって見出されていく。現代のゲームはさらにグラフィックやシステムが昔よりも更に高度化しており、調整やデバッグに費やさなければならない時間は増えに増えている。オープンワールド系のゲームだとバグの展覧会になるだろう。オープンワールド系のゲームだとバグを潰すのは一苦労だろう。ベセスダゲーでバグや不整合が出るなんてのは日常茶飯事だし、その事自体はオープンワールドの楽しさとのバランス次第。別にバグがあるから、調整できてないところがあるから、抜け穴があるから悪いゲームになるわけじゃない。その間隙を巡って、バグ技や疑惑の判定を利用したタイムアタックが存在するわけで、それ自体は別に悪いことじゃない。
"ちゃんとゲームとして動けば”だけれども。
オフゲーはそれで終わり……というわけにも最近は行かない。オンラインゲーではなおさら。パッチを当てたり、アップデートをしたり、そういった抜け穴を潰したり、新しいシステムを追加しないといけない。足し算、足し算、足し算……結果の掛け算。その結果できあがる百万階建ての建て増しのシステム。作業量が増えれば増えるほど、調整は甘くなる。当たり前の話。
輸送任務マップ、ギミック:それマップ一枚増えてますよね
現在「艦これ」運営鎮守府では、今月中旬以降に作戦開始予定の秋イベント2016:期間限定海域の作戦準備を進めています。同秋イベの作戦展開規模は【中規模】となる予定です。特に【乙】及び【甲】作戦での作戦参加を予定している提督の皆さんは、戦備の充実を図って頂けますと幸いです!#艦これ
— 「艦これ」開発/運営 (@KanColle_STAFF) 2016年11月6日
中規模ってなんだったんだろうね今回。
特に最近よく出る輸送任務→撃破マップだけれども。1-1くらいのが2つならともかく、ガッツリした攻略が必要になる局面が2つっていうのはそれ実質2マップなわけですよ。そこに文句があるないは今の論点ではないから置いておくとして、1マップ増えればとうぜんその分の調整作業量は増える。
ギミックについてもこれはもう少し軽めだけど要は1マップ増えてるようなもので、特に今回のE-5なんかそうだけど、Aを何回か叩く必要があって、それで出撃位置が変わるとかそれもうマップ一つ増えてるような作業量となるわけで。
甲乙丙難易度システム:リソースの大食い
「初心者が気兼ねなく楽しめ、かつ上級者でも手応えを感じられる難易度」を実現することは、多くのゲームデザイナーにとっての目標である。
しかしその緻密な調整を1つでも誤れば、ゲームはベイビー向けに簡単になるか、発狂待ったなしのイライラ棒になるかの、いずれかに着地してしまう。
そこで妥協案として導入されたのが、最初から複数の難易度を用意したり、ゲーム途中で難易度を調整できるオプションを残し、後はプレイヤーの意志に委ねる案だった。
だが、これはプレイヤーからすれば「妥協」というよか「放棄」に近い。実際問題、1つの難易度の調整さえ妥協するディベロッパーが、4つ以上の難易度をそれぞれ調整するなど不可能な話であり、その結果「どの難易度もクソ」という結果に陥りやすい。
つまるところこれであって。イベントの全てに対して3倍の調整作業量が必要となるわけだ。自分の仕事が三倍に増えるとしたら、まあ、ねえ。甘くなるよね、調整。
出撃制限、史実再現:「物語」を押し付けるためだけに損なうリソース
劇場版艦これを見た人ならイメージは付きやすいんだろうけど、イベントの出撃制限はつまり「○○艦隊は敵を北に誘引」「○○艦隊は敵補給基地を撃破」「本隊は中枢に突入せよ!」というのをやりたいんだろう。それも史実に関係する艦で。非常に魅力的な「物語」で、うまく行けば燃える展開になるだろう。
うまくいけばね。
うん。うまくいくわけないんだこれが。だって3枚札をつけるとしよう。「間違った選択をすればゲームは積む。異論は許さない」と言う訳にはいかない。3枚札それぞれで間違った選択をしてもクリアできるようにはしよう。まあ作業量は2倍以上にはなるだろうね。史実再現組を使ってしまった人にも当然クリアはさせないといけないわけだから。作業量はもっと増える。
これ、うまくやるのはかなり大変だ。結局今回E-5はオーバーロード組が大ダメージ叩き出す大味な調整になって、E-5をクリアするためにオーバーロード組が欲しければE-5ボスを叩くとか、長門を入れると潜水艦ルーレットをどうぞという、それはちょっとどうかという調整が入っている。
根本的に艦隊これくしょんというゲームはドンパチゲーと認識していて、ボコスカやる大味な調整はきらいじゃない。けども、なんかこう、時間なかったの? って聞きたくなるような感じがある。
基地航空隊:リソースを食らうリヴァイアサン
基地航空隊の仕様は本当に最初に見たと着面くらい、そしてこれは大変だぞと思ったものだ。大雑把に道中支援や決戦支援のような形で来るのであれば、それこそ既存の支援の調整の延長線上なので、作業量的には増えるだろうが、現行の形よりはマシだろう。現行の形だと、どこに配置するか任意で選べる形になっており、このお陰で一マス一マスもし攻撃機が割り振られたらとか迎撃機が割り振られたらとか考えなければいけないようになっている。その結果何が起きてるかというと「ギミックのために迎撃しておく」「基地航空隊はボスマスに全力出撃しとけばいい」がセオリーのまーた大雑把な調整になってしまっており、折角のシステムがあまり生きていない。それでも、難易度の高いマップでは基地航空隊が来ても楽にならないように調整しないといけないわけで。「持て余している」という感じが、すごく、する。
(追記)
E-4のAB(基地航空隊)って多分ギリギリまで入れるか入れないか迷ったのかしらね。
じゃあ、運営にリソースはあるか
一括解体も実装できてない次点で余裕ないよね。
こういうことが積重なって、そして艦これ改やアンドロ版の開発や更新が待っているとすると、もう、いっぱいいっぱいなんじゃない? 現場って。そもそもアンドロイド版がFlashをアンドロイドで無理やり動かしてるだけだったりするので、なんかこう、リソースを拡張しようって気は、あんまりないんじゃないかな。
だから歌おうハンマーソング
だから、イベントで全部全部やる必要はないのだ。中規模だと行ったのなら中規模でいいし(そこで不満言った人は見かけないし)、連合艦隊が今回なくてもかまわないのだし、史実要素がなくてもそれで良いのだし、札がなければのびのびやれるのだし。艦隊これくしょんはゲームである。だから実際の戦争と違って敵は居ない。大きさは運営が選んで良いのだ適切な範囲を選び、練り込んだ調整で楽しませてくれればそれでいい。楽しませようとして色々盛り込もうとするのは双方の不幸しか産まないのだから。
楽しませるのであれば、ときに引き算も必要ということを運営にはわかっていただきたい。
通常海域も開発建造も、改二実装も、もっとテンポアップしてほしい、という見方もあるのだ。だってイベントだけが艦これじゃない。そう思わないかい?
ところで
そういえば艦これを動かしているFlashがそろそろブラウザからサポートを打ち切られ始めるわけですが、
【豆知識】Google ChromeがFlashのサポートを打ち切りへ!そもそもFlashってなに? | かみあぷ – iPhoneひとすじ!
html5なり、Unityなりに移行する気があるのでしょうか。もし移行作業中だっていうのなら、やっぱり今回のイベント、規模を縮小すべきだったんじゃないっすかね。