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【社会】

群馬の自衛隊募集HP 中学生の職場体験写真掲載

 群馬県で自衛官の募集業務などを行う自衛隊群馬地方協力本部(群馬地本)が自衛官募集のホームページ(HP)に群馬県内の中学生が自衛隊で職場体験した際の写真を掲載し、問題視した高崎市中学校長会が十月に削除を要請していたことが、同校長会への取材などで分かった。群馬地本は要請を受け、写真などをHPから削除した。

 太田市議会の一般質問で十一月、HPの内容をコピーした資料をもとにこの問題を取りあげた市議によると、HPの「職場体験だより」の項目で、昨年から今年にかけて前橋、太田、高崎などの中学生が自衛隊駐屯地などで職場体験をしている様子を紹介。近距離ミサイルの操作方法を学んだり、ヘリコプターの前で敬礼したりしている生徒の写真が掲載され、「将来は自衛隊で決まり。」「射撃は難しいな〜」「これで、飛行機が…落とせるの??」などと言葉が添えられていた。

 太田市の渋沢啓史教育長は市議の質問に「資料を見てびっくりした。HPは意図的で、写真のつぶやきは子どもの声とはおよそ考えられない。実態と違う」と答弁した。

 高崎市中学校長会の会長を務める市立豊岡中の戸塚太重(たじゅう)校長は取材に「(自衛官募集の)HPに生徒の写真を掲載するとは聞いていなかった。バイクに三人乗りしている写真も使われ不適切と判断して文書で削除を要請した」と話した。

 群馬地本広報班の担当者は本紙の取材に「高崎市の中学校長会から『自衛隊から勧誘されているという誤解を招きかねない』と要請があったため削除した」と話した。写真の掲載自体は了解を得ていたとの認識だとした。昨年度は約四百人の県内の中高生が職場体験をしたという。

 

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