パナソニックの全自動おそうじトイレ「アラウーノSⅡ」は、トリプル汚れガードを新たに搭載し、前代「アラウーノS」から更にパワーアップ!パナソニックトイレのハイグレード機種「新型アラウーノ」で好評のトリプル汚れガードを新たに搭載し、価格はお安いままで、2015年6月に満を持して登場した「アラウーノSⅡ」をユーザー目線でレビューしています。
目次
アラウーノSⅡ
商品名:タンクレストイレ アラウーノSⅡ
メーカー:パナソニック
希望小売価格(税別):196,000円~
発売日:2015年6月1日
アラウーノSⅡの位置づけ
パナソニックのアラウーノSⅡは、定価ベースで20万円前後の、リーズナブルな価格帯のタンクレストイレです。前代のアラウーノSよりも機能をアップしながら、価格は抑えてきています。パナソニックは、アラウーノSⅡの価格を「普及価格」と呼んでいますが、この商品を最もボリュームが見込まれるゾーンに投入することで、一般的に高いイメージのあるタンクレストイレへの取替え促進を狙っているようです。
パナソニックのタンクレストイレ「アラウーノシリーズ」の中では、アラウーノSⅡはミドルグレードの位置付けとなります。
| グレード | 商品名 | 希望小売価格(税別) |
| ハイグレード | 新型アラウーノ | 275,000円〜 |
| ミドルグレード | アラウーノSⅡ | 196,000円〜 |
| ベーシックグレード | アラウーノV | 174,000円〜 |
アラウーノSⅡの目玉の機能は、上位機種の新型アラウーノで好評の「トリプル汚れガード」です。便器・便座の形状と、洗剤の泡を組み合わせて、おしっこのトビハネヨゴレを防ぐ機能です。また、子供が誤っておしり洗浄ボタンを押さないようにする「チャイルドロック機能」や、温水洗浄便座の消費電力を約27%削減する「エコモード」も注目です。
一方で、低水圧に対応していなかったり、洗浄水量も大5.7Lと、初代アラウーノSから改良されていない所もあります。初代アラウーノSの発売が2008年7月、アラウーノSⅡが2015年6月と、7年間も空いています。その間にアラウーノV、新型アラウーノといった低水圧対応・超節水のトイレが発売されたことを考えると、アラウーノSⅡは技術的な問題ではなく、意図的に、低水圧や超節水に対応していないのかもしれません。
本体外観
上位機種の「新型アラウーノ」とほぼ同じデザインです。本体右側面後方の少し出っ張っている所が、洗剤タンクです。新型アラウーノは本体上部にあるのですが、アラウーノSⅡはこの位置です。
リモコン
リモコンはかなりシンプルです。デザインのバランスがよく、新型アラウーノのリモコンよりもかっこいいと思います。必要な機能がまとまっています。
一方で、細かな設定をする場合は、ちょっと使いづらいかもしれません。TOTOやLIXIL(INAX)と違って、新型アラウーノのリモコンにはLED液晶が無いので、ボタンと音で判断するしかありません。
便座
少しぼってりとした印象の便座です。座面が広いので、しっかりと座ることができます。個人的には安定感があって好きなのですが、便座の穴が少しだけ大きい(大きく感じる)ので、小さなお子さんが補助便座なしで使う時に落ちてはまらないかなと、ちょっとだけ心配になります。機会があれば、自分の子供に試し座りさせたいと思います。
水たまり面
アラウーノSⅡの水たまり面(標準水位)は、他社の機種と比べると高めです。掃除をする時は、リモコンの「便器水位」ボタンを押すと、約3cm水位を下げることができます。
アラウーノSⅡのおすすめポイント
本格派タンクレストイレの中では、アラウーノSⅡの価格はかなり安い!
本格派タンクレストイレは、希望小売価格で30~40万円前後が主な価格帯となりますが、アラウーノSⅡは20万円前後とかなり安いです。各社の代表的なタンクレストイレと、価格を比較してみましょう。
| メーカー | 商品名・グレード | 希望小売価格(税別) |
| TOTO | ネオレストAH1 | 334,000円〜 |
| LIXIL(INAX) | サティスS6 | 317,000円〜 |
| パナソニック | 新型アラウーノ タイプ3 | 275,000円〜 |
| パナソニック | アラウーノSⅡ | 196,000円〜 |
代表的なタンクレストイレと比べると、メーカー希望小売価格でおおよそ10万円以上の差があります。同じくパナソニックのタンクレストイレ「アラウーノV」はアラウーノSⅡよりも更に安いのですが、本格的なタンクレストイレと比較するとデザイン性や機能で劣ります。本格派タンクレストイレで20万円前後の価格帯の商品は、このアラウーノSⅡと、LIXIL(INAX)のサティスEタイプくらいです。
上位機種の新型アラウーノでも好評の「トリプル汚れガード」
「トリプル汚れガード」は、「ハネガード」、「タレガード」、「モレガード」の3つのガードで、用を足した時の小便のハネ、タレ、モレを防ぐ、パナソニックの独自機能です。「ハネガード」は立ち小便、「モレガード」は座り小便、「タレガード」は立ちと座りの両方を想定した機能となります。
立ち小便を泡で吸収する「ハネガード」。泡を作るための水が、もったいないとの声も
男子の立ち小便時に、小便が落下の反動で飛び跳ねるのを防ぐ機能です。リモコンのハネ抑制ボタンを押すと、水位が下がり、洗剤の泡が出てきます。
この泡がクッションとなって、小便の飛び跳ねを抑えます。以前パナソニックの新商品お披露目会で、かなり上から(小便に見立てた)水を流して、飛び跳ね具合を他社の機種と比較する実験を見たのですが、便器のフチや床への飛び跳ねがゼロではないものの、他社のタンクレストイレと比べて明らかに跳ねは少なかったです。「御社のだけ、水圧弱くしてるんちゃうの?」と突っ込んでいる方がいましたが、自分が見た限りではそのようなことは無さそうでした。
ただ、最近では男性でも座り小便派も増えてきているようですので、人によっては不要な機能かもしれません。また、ハネガードを1回使うたびに、泡をつくるために約1.2L(!)の水を使用します。
アラウーノSⅡは、小洗浄が4.0L(床排水の場合)ですので、ハネガードを使うと、4.0L+1.2L=5.2Lと、節水型トイレの大洗浄と同じくらいの水が必要になってしまいます。泡を作るための洗剤も必要になりますので、立ち小便にこだわらず、「座り小便+小洗浄」で飛び跳ね防止と節水を実現するのが、一番お得なのではないでしょうか。
便器周りの3mmのフチが、小便のタレを防ぐ「タレガード」
通常、便器の周りは水平になっていて、小便がかかると外に垂れることがあるのですが、アラウーノSⅡの「タレガード」は、便器の周りに高さ3mmの縁があり、その縁が壁となって、小便が外側に垂れるのを防いでくれます。
この「タレガード」は立ち小便にも有効なのですが、次に解説する「モレガード」と組み合わせることで、座り小便のモレをがっちりと防ぐことができます。
座り小便のモレを防ぐ「モレガード」
トイレトレーニングを終えて、幼児用便座を取り外したくらいのタイミングのお子さんは、よく便座の前の方に座って用を足します(後ろの方に深く座ると、便器に落ちそうになるためです)。そして、座る位置が前過ぎると、便器と便座のスキマから小便がまれに漏れてしまうことがあります。「モレガード」は、便器と便座の位置に工夫がされていて、小便は便座にあたって落ちるように設計されています。また、万が一便器の方に漏れても、先ほどの「タレガード」の3mmの縁で、外側に垂れるのを防いでくれます。
他社にはない「スキマレス設計」で、お手入れがかなり便利!
パナソニックのアラウーノシリーズ共通の特徴として、有機ガラス系新素材を使っていますが、その最大のメリットの一つとして、「スキマレス設計」が挙げられます。特殊樹脂の有機ガラス系新素材は自由に設計・製造できるため、便器と便座を一体的に、ほとんどスキマなく設計できています。ほこりが溜まる場所が少なく、また、TOTOやLIXIL(INAX)のタンクレストイレのように、便座をわざわざリフトアップしてスキマを掃除する必要もありません。
便器も、洗剤の泡で全自動洗浄!流すたびにキレイになる「激落ちバブル」
アラウーノの中で個人的に一番好きな機能が、この「激落ちバブル」。便器を水で流すときに、洗剤の泡を混ぜて一緒にトイレ掃除までしちゃおう、という機能です。しかも台所用の中性洗剤を使えるので、わざわざ専用洗剤を購入する必要もありません。
実際に見てみると分かりますが、洗剤の小さな泡が便器内をぐるりと流れていくのを見ると、多分きれいになってるんだろうなー、と感じます。『視覚できれいを感じる』という点が、無臭透明なTOTOのきれい除菌水と比べた時の「激落ちバブル」の特徴であり、個性ではないでしょうか。
激落ちバブルの泡は、大きな泡(5mm)と、小さな泡(60μm)の2種類あります。大きな泡は、水流によって空気を吸い込ませて発生させる泡で、洗剤は使いません。この大きな泡は。お風呂のバブル洗浄の技術をヒントに開発されたとのことです。また、大きな泡だけでは小さな汚れが取れないため、別途、洗剤で小さな泡を発生させて、2つの泡で汚れを落とします。
女性にうれしいツインノズル
アラウーノシリーズは「ステンレスノズル一本」が標準なのですが、アラウーノSⅡだけは「樹脂製ノズル二本」です。おしり用とビデ用と別々に洗浄ノズルがあるので、女性にやさしいです。なぜアラウーノSⅡだけ、ノズルが違うのかは分かりません(折を見て、パナソニックの方に聞いてみたいと思います)。
尚、LIXIL(INAX)のトイレは「レディスノズル」という、同じくおしり用とビデ用でノズルが二本ありますが、長期間使用してノズルが汚れた場合に、ノズル先端を脱着・交換することができるため、よりノズルの清潔にこだわる方はLIXIL・INAXのレディスノズルがオススメです。
新機能のチャイルドロック&エコ設定
子供が誤って、温水洗浄便座の洗浄ボタンを押して、トイレが水浸しに・・・。こんなことにならないように、アラウーノSⅡにはチャイルドロック機能が新たに搭載されました。リモコンのチャイルドロックボタンを3秒長押しすると、おしり洗浄や温度調節などの操作がロックされ、大洗浄、小洗浄などの必要最低限の操作だけが有効となります。お子さんのいる家庭にはうれしい機能です。
また、新機能として、エコ設定もアラウーノSⅡに搭載されました。エコ設定は、温水や便座の温度を、温度「低」よりも更に低い温度に設定できる、という機能です。温度「低」が約33~34℃なのですが、エコ設定にすると約30℃まで下がります。
アラウーノSⅡのちょっと気になる点
有機ガラス系新素材は、水アカに強いが、お手入れには注意!
親水性の陶器と違って、アラウーノSⅡに採用されている撥水性の有機ガラス系新素材は、汚れを含んだ水滴ごとはじくため、水アカが表面に固着しにくいと言われています。一方で、日々の掃除・お手入れには注意が必要です。
取扱説明書でも、表面の傷や故障の原因になるため、ナイロンブラシや、酸性・アルカリ性洗剤の使用は禁止されています。取扱説明書を読んだ上で、パナソニックが推奨するPP製トイレブラシと中性洗剤(いずれも研磨剤はなし)を使うようにしてください。せっかくの有機ガラス系新素材も、傷がついてしまうと防汚効果が台無しになります。
陶器と比べると、素材の質感が気になることも
アラウーノSⅡは、有機ガラス系新素材という特殊な樹脂で作られています。樹脂というとプラスチックの質感をイメージされるかもしれませんが、水族館の水槽や航空機の窓にも使用される強い素材です。陶器と比較すると、やはり質感は若干劣りますが、私はそれほど気になりません。軽く、割れにくいという陶器にはないメリットも踏まえると、バランスのとれた良い素材だと個人的には思います。
アラウーノSⅡの口コミや評判では、有機ガラス系新素材については賛否両論で、「陶器と変わらない質感」という意見もあれば、「やはりプラスチックに近い質感」という意見もあります。アラウーノSⅡを検討される場合は、必ずパナソニックのショールームで実物を見て、触って、確かめてみることをオススメします。
低水圧に対応していないので、2階以上や高台での設置には注意!
カタログに低水圧対応と表記されている機種は、一般的に、必要最低水圧が0.05MPaとなっています。アラウーノSⅡは最低でも0.07MPaの給水圧力が必要なため、低水圧には対応していません。また、0.1MPa以下だと、おしり・ビデ洗浄の洗浄水量が少なくなる場合があります。
戸建ての2階や高台、集合住宅の高層階など、比較的水圧が弱い場所への設置には注意が必要です。また戸建ての1階であっても、古い住宅などで給水管が破損したり詰まっている場合、元の水圧が高くても、トイレの給水圧力が必要最低水圧を満たさない場合もあります。低水圧に対応していないアラウーノSⅡを設置する場合は、事前にリフォーム会社や水道工務店に、水圧測定をしてもらってください。水圧が足りないと、流れにくくなったり、詰まったりする可能性がありますのでご注意ください。タンクレストイレの水圧については、『タンクレストイレは買いか!?メリット・デメリットを比較』をご覧ください。
他の節水トイレよりも節水力に劣る。ただし、水道料金に換算すると大したことはない?
現在、各メーカーより発売されているトイレは、大半が節水トイレです。節水トイレの洗浄水量は、大4.8~5.0L、小3.8~4.0Lあたりとなります。アラウーノSⅡは、節水トイレと比較すると、残念ながら節水力では劣っていると言わざるを得ません。パナソニックのアラウーノシリーズの各機種で比較してみます。
| 新型アラウーノ | 大4.8L/小3.6L |
| アラウーノSⅡ | 大5.7L/小4.0L(床排水) 大5.7L/小4.5L(壁排水) |
| アラウーノV | 大4.6L/小3.0L |
この数値だけを見ると、新型アラウーノやアラウーノVのように、大洗浄4Lクラスの節水型トイレの方がいいな、という方も多いかもしれません。この節水力の差で、どの程度水道料金に違いが出るのか、試算してみました。試算結果については、『アラウーノの節水性は?水道料金を試算してみた』をご覧ください。
フチ裏がない「ひとふき形状」だが、実際にはフチ裏があるので、手入れはそこまでラクにならない。
これはパナソニック以外のメーカーにも言えるのですが、最新トイレはほぼ全て「フチ裏がないから、お手入れが簡単」と各メーカーはアピールしているのですが、実際にはフチ裏はありますので、ご注意ください。
昔のトイレは、フチ裏に小さな穴がたくさん空いていて、そこから水が出てきて便器を洗浄するのですが(このタイプのトイレをお使いの方はまだ多いと思います)、各メーカーが言っている「フチ裏がない」は、「フチ裏の洗浄水の穴がない」ということです。メーカーのショールームで実機を触っていただくと分かりますが、フチ裏はありますので、見えない部分を拭いて汚れを落とす必要があります。
尚、完全にフチ裏のないトイレは、LIXIL(INAX)の「アメージュZフチレスタイプ」、ジャニス工業の「マイティクリン」「スマートクリン」「ココクリン」があります。
アラウーノSⅡの仕様、スペック
カラーはホワイトのみ
アラウーノSⅡのカラーは、ホワイト(色品番:WS)の一色です。
グレードも1種類
アラウーノSⅡのグレードは1種類のみです。
アラウーノSⅡの対応排水芯
床排水
床排水120mm、200mm、305~470mmに対応しています。
床排水470mmを超える排水芯に対応していないため、昔の530mm、540mmなどの便器から交換する場合は、60~70mm程度前に出して設置する必要があります。
壁排水
壁排水120mm、155mmに対応しています。
壁排水155mmで設置する場合、アラウーノSⅡ本体の下に台輪(CH140Z)を設置し、本体の高さをかさ上げします。そのため、便座の高さも35mmほど高くなります。
アラウーノSⅡの本体寸法
アラウーノSⅡの本体寸法は、次の通りです。
<本体寸法(幅×奥行×高さ)>
396mm×700mm×530mm
幅は、便器側面にある洗剤投入口を含んでいます。奥行は、本体の長さとなります(前出寸法ではありません)。
停電時の対応
アラウーノSⅡの停電時の対応については、『タンクレストイレのアラウーノは停電時でも使えるのか?』をご覧ください。
アラウーノSⅡの実勢価格
アラウーノSⅡのメーカー希望小売価格
アラウーノSⅡは、メーカー希望小売価格で20万円前後と、本格派タンクレストイレの中ではかなり安い価格帯となります。
| タイプ | 対応排水芯/高さ | 品番 | 希望小売価格(税別) |
| 床排水固定 | 床排水120mm、200mm | XCH1401WS | 196,000円 |
| 床排水可変 | 床排水305〜470mm | XCH1401RWS | 206,000円 |
| 壁排水120 | 壁排水120mm | XCH1401PWS | 216,000円 |
| 壁排水155 | 壁排水155mm | XCH1401ZWS | 226,000円 |
アラウーノSⅡの実勢価格
「アラウーノSⅡ 床排水固定」で、ネット通販各社の実勢価格(2015年7月時点)を調べてみました。品番:XCH1401WS、メーカー希望小売価格:196,000円(税別)。尚、2015年6月1日に発売したばかりですので、アラウーノSⅡの価格情報は少なめです。
| 社名 | 商品販売価格 | 割引率 |
| A社 | 107,776円 | 45%OFF |
| B社 | 107,776円 | 45%OFF |
| C社 | 117,600円 | 40%OFF |
| D社 | 156,796円 | 20%OFF |
商品販売がメインのネット通販各社は総じて割引率が高く、工事まで対応してくれるリフォーム会社や水道工務店は割引率が低くなる傾向にあります。上記は、ネット通販各社の実勢価格となります。
アラウーノSⅡの口コミ・評判
インターネットの掲示板では、アラウーノSⅡに対する口コミ・評判はほとんどありません。アラウーノSⅡで採用されている有機ガラス系新素材やターントラップについての口コミはいくつかありますが、内容を見る限り、実際のユーザー以外の方の書き込みが多いように思われます。
まとめ
上位機種の新型アラウーノにかなり似たデザインで、主要な機能も同じなのに価格が安いので、非常にお値打ちなタンクレストイレだと言えます。ただし、低水圧に対応していないので、必ず購入前に、リフォーム会社や水道工務店にお願いして、事前の水圧調査を行ってもらってください。水圧の問題さえクリアできれば、個人的におすすめ度の高い商品です。