バレー会場見直し 横浜市の「本音」が見え隠れする文書を都に提出
12/02 00:51
東京オリンピック・パラリンピックのバレーボール会場の見直しをめぐり、横浜市が、東京都などに対し、ある文書を提出していたことが明らかになった。
午後4時すぎ、電話をかけながら、笑顔で都庁をあとにする小池知事。
書類などと一緒に、腕に抱えていたのは、「小池、森退治」の見出しが躍るスポーツ紙だった。
2020年東京オリンピック・パラリンピックのバレーボール会場の見直し。
小池知事が活用を模索する横浜アリーナ。
その横浜アリーナをめぐり、ある動きが。
横浜市は、会見で「横浜市として感じていることという部分を、東京都にですね、誤解があっちゃいけないので、メモをお渡しして、ご説明をしてきたと」と語った。
急きょ行われた横浜市の会見で、東京都などに対し、ある文書を提出していたことが明らかになった。
タイトルは、「横浜市の考えについて」。
そこには、会場見直しについて、「競技団体の皆様、さらにIOC(国際オリンピック委員会)の意向が一致していることが重要と考えています」との一文があった。
日本バレーボール協会などの競技団体が希望しているのは、有明アリーナでの開催。
会見で、横浜市は、「競技団体との関係もありますので、気持ちよく横浜で競技ができるように、ご配慮いただきたいと、本当にそういう気持ちです。(意向が)一致しないことは、好ましい形ではないのかなというのは、感じておりますけども」と語った。
横浜市の本音が見え隠れするこの文書。
注目すべきは、提出日の日付、11月25日。
25日は、結論が先送りされた4者トップ級協議の4日前。
文書は、その後、27日に行われたIOCと組織委員会、東京都、政府の4者による作業部会で示されたが、29日のトップ級協議では、議論されなかった。
しかし、「横浜文書」の存在を当てはめると、この時の4者協議のやり取りにも、違う光景が広がる。
森会長は、周辺道路を長期にわたり封鎖する場合は、「地域住民など関係者の理解が必要」とする「横浜文書」の文言を前提に、小池知事をけん制していたのか。
小池知事は、頭に、「横浜文書」にある「東京2020大会に最大限協力する姿勢に常にあります」の文言があったのか。
2人は、「横浜文書」の存在を知ったうえで、禅問答のような議論をしていたように見える。
また、4者協議のあとに行われた横浜市の林市長の会見も。
林市長は、「横浜市でやりたいというご要請があれば、承りますということですから。積極的に、ぜひやってほしいという言い方は、とても申し上げられないというか」と述べていた。
この会見も、「意向が一致していれば最大限協力します」という、今思えば、「横浜文書」そのものの内容だった。
29日、火曜日の4者協議に至るまでに、どのような動きがあったのか。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「(森会長は)人間関係を作るのが、非常にうまい人なんですね、情というかな。人間関係をきちっと作ることの中で、物事を処理してくっていう能力が高いですよね。IOCのコーツさんなんかとの意思の疎通、すり合わせをやってた可能性はあると思います。具体的に、バレーボールの会場に関して言うと、やはり横浜案が浮上した段階で、政治的なルート、具体的に言うと林市長なりにですね、地元の選出の国会議員、地元の国会議員なりを通じて、横浜市、あるいはその関係者の意向を確認していた可能性は、十分あると思いますね」と語った。
4者協議から2日。
大会の準備の状況を報告する会議が行われた。
小池知事は、都議会の都合で欠席したこの会議。
開始前に、森会長が、IOCのコーツ副会長らと談笑する様子が映されている。
森会長は、冒頭のあいさつで、有明アリーナについて触れた。
森会長は、「(横浜アリーナを)東京大会における一番大事なホールとして、メモリーとして残しておきたい、そういうのは、日本のスポーツ界全体の意思でありまして。東京都知事もそのことについて、ご判断をいただけるものだというふうに考えておりまして」と語った。
森会長は、会議を欠席した小池知事に、有明アリーナ新設の判断を呼びかけた。
同じころ、小池知事は、都議会の所信表明で、バレーボール会場について話した。
小池知事は、「クリスマスまでの間に、総合的な判断によります最終結論を出したいと考えております」と述べた。
その後、結論を出すタイミングを尋ねられると、小池知事は、「(結論を出す)『クリスマスは何日ですか』って聞かれるんですけれども、だいたいの目安でありますけれども、24日、イブには、もう皆さん、普通、ヨーロッパの方々やクリスチャンの方々は、もうお休みに入られますし、皆さんも、記者も大変だと思いますので、それよりは前かなと思っています」と語った。
イブより前となると、結論を出すまでの期間は、あと3週間。
横浜市の文書の存在で、小池知事には、逆風が吹いているが、伊藤氏は、「見方によって違うと思うんですね、評価は分かれると思うんですね。1つは、『なんだ、やっぱり3会場とも元のさやに収まっちゃったんじゃないか』という批判。ただ一方で、『小池さんが、こういう問題提起をしなければ、トータルの予算が500億とか600億とか、削減できなかったはずだ』と。このへんは、これからの都民の皆さんの評価を待つしかないと思いますね」と述べた。
期限のクリスマスまでに、小池知事は、どのような結論を出すのか。
午後4時すぎ、電話をかけながら、笑顔で都庁をあとにする小池知事。
書類などと一緒に、腕に抱えていたのは、「小池、森退治」の見出しが躍るスポーツ紙だった。
2020年東京オリンピック・パラリンピックのバレーボール会場の見直し。
小池知事が活用を模索する横浜アリーナ。
その横浜アリーナをめぐり、ある動きが。
横浜市は、会見で「横浜市として感じていることという部分を、東京都にですね、誤解があっちゃいけないので、メモをお渡しして、ご説明をしてきたと」と語った。
急きょ行われた横浜市の会見で、東京都などに対し、ある文書を提出していたことが明らかになった。
タイトルは、「横浜市の考えについて」。
そこには、会場見直しについて、「競技団体の皆様、さらにIOC(国際オリンピック委員会)の意向が一致していることが重要と考えています」との一文があった。
日本バレーボール協会などの競技団体が希望しているのは、有明アリーナでの開催。
会見で、横浜市は、「競技団体との関係もありますので、気持ちよく横浜で競技ができるように、ご配慮いただきたいと、本当にそういう気持ちです。(意向が)一致しないことは、好ましい形ではないのかなというのは、感じておりますけども」と語った。
横浜市の本音が見え隠れするこの文書。
注目すべきは、提出日の日付、11月25日。
25日は、結論が先送りされた4者トップ級協議の4日前。
文書は、その後、27日に行われたIOCと組織委員会、東京都、政府の4者による作業部会で示されたが、29日のトップ級協議では、議論されなかった。
しかし、「横浜文書」の存在を当てはめると、この時の4者協議のやり取りにも、違う光景が広がる。
森会長は、周辺道路を長期にわたり封鎖する場合は、「地域住民など関係者の理解が必要」とする「横浜文書」の文言を前提に、小池知事をけん制していたのか。
小池知事は、頭に、「横浜文書」にある「東京2020大会に最大限協力する姿勢に常にあります」の文言があったのか。
2人は、「横浜文書」の存在を知ったうえで、禅問答のような議論をしていたように見える。
また、4者協議のあとに行われた横浜市の林市長の会見も。
林市長は、「横浜市でやりたいというご要請があれば、承りますということですから。積極的に、ぜひやってほしいという言い方は、とても申し上げられないというか」と述べていた。
この会見も、「意向が一致していれば最大限協力します」という、今思えば、「横浜文書」そのものの内容だった。
29日、火曜日の4者協議に至るまでに、どのような動きがあったのか。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「(森会長は)人間関係を作るのが、非常にうまい人なんですね、情というかな。人間関係をきちっと作ることの中で、物事を処理してくっていう能力が高いですよね。IOCのコーツさんなんかとの意思の疎通、すり合わせをやってた可能性はあると思います。具体的に、バレーボールの会場に関して言うと、やはり横浜案が浮上した段階で、政治的なルート、具体的に言うと林市長なりにですね、地元の選出の国会議員、地元の国会議員なりを通じて、横浜市、あるいはその関係者の意向を確認していた可能性は、十分あると思いますね」と語った。
4者協議から2日。
大会の準備の状況を報告する会議が行われた。
小池知事は、都議会の都合で欠席したこの会議。
開始前に、森会長が、IOCのコーツ副会長らと談笑する様子が映されている。
森会長は、冒頭のあいさつで、有明アリーナについて触れた。
森会長は、「(横浜アリーナを)東京大会における一番大事なホールとして、メモリーとして残しておきたい、そういうのは、日本のスポーツ界全体の意思でありまして。東京都知事もそのことについて、ご判断をいただけるものだというふうに考えておりまして」と語った。
森会長は、会議を欠席した小池知事に、有明アリーナ新設の判断を呼びかけた。
同じころ、小池知事は、都議会の所信表明で、バレーボール会場について話した。
小池知事は、「クリスマスまでの間に、総合的な判断によります最終結論を出したいと考えております」と述べた。
その後、結論を出すタイミングを尋ねられると、小池知事は、「(結論を出す)『クリスマスは何日ですか』って聞かれるんですけれども、だいたいの目安でありますけれども、24日、イブには、もう皆さん、普通、ヨーロッパの方々やクリスチャンの方々は、もうお休みに入られますし、皆さんも、記者も大変だと思いますので、それよりは前かなと思っています」と語った。
イブより前となると、結論を出すまでの期間は、あと3週間。
横浜市の文書の存在で、小池知事には、逆風が吹いているが、伊藤氏は、「見方によって違うと思うんですね、評価は分かれると思うんですね。1つは、『なんだ、やっぱり3会場とも元のさやに収まっちゃったんじゃないか』という批判。ただ一方で、『小池さんが、こういう問題提起をしなければ、トータルの予算が500億とか600億とか、削減できなかったはずだ』と。このへんは、これからの都民の皆さんの評価を待つしかないと思いますね」と述べた。
期限のクリスマスまでに、小池知事は、どのような結論を出すのか。