韓国プロ野球では外国人選手の年俸が異常高騰の兆しを見せている。
LGは30日、内野手ルイス・ヒメネス(28)と100万ドル(約1億1400万円)、投手ヘンリー・ソーサ(31)と90万ドル(約1億300万円)で2017年シーズンの契約を結んだ。その前日には左腕投手デビッド・ハフ(32)と総額140万ドル(約1億6000万円)で契約し、来季の外国人選手構成を終えた。最も高い年俸上昇率を記録したハフは、7月中旬にLGに入団、13試合で7勝2敗、防御率3.13を記録し、ポストシーズンでも印象的な活躍をした。 入団時総額55万ドル(約6300万円)の契約で1シーズンの半分をプレーしたので、これを1シーズン=110万ドル(約1億2600万円)と換算してみても、来季の年俸は約22%のアップということになる。
30日までに各球団が契約を完了した外国人選手は計11人。ハフのほか、ネクセンのショーン・オサリバン(110万ドル)、サムスンのアンソニー・ラナウド(105万ドル=約1億2000万円)、ヒメネス(100万ドル)が「百万ドルの男」の仲間入りを果たした。
これら11人の来季年俸総額は1030万ドル(約11億8000万円)で、1選手当たり平均10億ウォン(約9700万円)を上回る。今年韓国プロ野球(KBO)リーグでプレーした外国人選手42人の平均年俸8億370万ウォン(約7800万円)より約36%も高い。
しかも、ダスティン・ニッパート(斗山・2016年120万ドル=約1億3700万円)、ヘクター・ノエシ(起亜・170万ドル=約1億9400万円)、ジョシュ・リンドブロム(ロッテ・120万ドル)、エリック・ハッカー(NC・90万ドル)など各チーム中心選手たちの「大型契約」も交渉を控えている。
これらの選手について、プロ野球関係者の間からは「米国にいたとしたら、これほどの待遇を受けていたかどうか疑問だ」という声が上がっている。大リーグの最低年俸は50万ドル(約5700万円)だ。それもシーズンを通して出場して初めて受け取ることができる額だ。最近KBOリーグに来た外国人選手たちは「大リーガー」と銘打ってはいるが、そのほとんどがマイナーリーグ生活の方が長い。つまり、実際は年俸20万-30万ドル(約2300万-3400万円)の選手たちが韓国に来て2-3倍高い待遇を受けているのだ。
これら選手の年俸高騰は、14年1月にそれまでの年俸上限制(30万ドル)が解除されたことから始まったものだ。KBOは裏取引を防ぐために上限制を解除したが、競争が過熱して平均年俸が15年シーズンに56万ドル(約6400万円)、今季は69万ドル(7900万円)へと高騰、来季は100万ドルを突破しそうな勢いだ。
プロ野球関係者らは「球団間の価格競争やKBOの現状を逆利用する現地エージェントの談合が年俸高騰につながっている」と指摘する。現実的な年俸上限をあらためて定めなければ、韓国の各球団はこのまま「カモ」にされてしまうかもしれない。