AWSがビットコイン・マイニング産業に攻勢をかける クラウドFPGA「F1 Instance」を発表
この記事の読了時間: 約3分Amazon Web Serviceが「AWS re:Invent 2016」において、クラウドでFPGAをプログラム可能な「F1 Instance」を新たに発表した。FPGAはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイの略称で、ハードウェアを計算目的に応じてカスタムロジックを高速にプログラム可能なデバイスだ。
現在、F1 Instanceはデベロッパー・プレビューの段階だが、AWSのジェフ・バール氏によれば間もなく利用可能になるとのことだ。そして、これはビットコインなど仮想通貨のマイニング産業にとっても大きな衝撃をもたらすかもしれない。
「高度に並列化されたモデルは、計算集約型の問題を処理するアクセラレータをカスタムするための理想的な環境を構築します」と、バール氏は語る。「プログラムされたFPGAは、ゲノム、地震解析、金融リスク解析、ビッグデータ検索、暗号アルゴリズム、アプリケーション等を30倍高速化するポテンシャルを秘めています。」
ビットコインにおけるマイニングは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれるハッシュ計算によって定義される。当初はCPUでの計算処理が主だったが、やがてGPU計算によるマイニングが主流となり、今ではそのすべてがASICと呼ばれるフルカスタムの集積回路にとって替わられている。ここに、「F1 Instance」によるクラウドFPGAが入り込める余地がある。
ASICとFPGAの違いは、ASICが完全に特定の目的のために回路が組まれているのに対して、FPGAはプログラミングでカスタムロジックを書き込むことができる。用途が特定されているASICに処理性能の利はあるものの、ロジックを繰り返し改善可能なFPGAは汎用性も高い。
「F1 Instance」では、FPGAへの初期投資が不要な上に、クラウドの特性を活かしたスケールアウトも可能となる。つまり、マイニング産業への参入ハードルの高さの原因でもある膨大な初期投資(データセンターやASICの導入、電気代など)が取り除かれるということだ。当然、インスタンスの利用料金次第ではあるが、マイニングへの新規参入は加速的に進むだろう。
F1 Instanceで提供されるFPGAのスペック:
- Xilinx UltraScale+ VU9P fabricated using a 16 nm process.
- 64 GiB of ECC-protected memory on a 288-bit wide bus (four DDR4 channels).
- Dedicated PCIe x16 interface to the CPU.
- Approximately 2.5 million logic elements.
- Approximately 6,800 Digital Signal Processing (DSP) engines.
- Virtual JTAG interface for debugging.
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ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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