レゴ社とレゴのビデオゲームを開発するワーナー・ブラザーズ・インタラクティブ・エンターテインメント(WBIE)は29日、ゲーム内でブロックを使って遊ぶ新たな作品「レゴ・ワールズ」を2月21日に発売すると発表した。類似する内容の「マインクラフト」に挑むかたちとなる。
ゲームは「プレイステーション(PS)4」や「Xbox One(エックスボックス・ワン)」、そしてパソコンに対応する。レゴは過去にも同社の製品を扱うビデオゲームを開発し、ワーナーブラザーズが所有するTTゲームズ社によるものだけでもすでに30タイトルほど発表している。しかしレゴ・ワールズはゲーム内でブロックを使いビルや山などを作って遊ぶ内容で、これまで以上に現実のレゴの遊び方をゲーム内で再現している。
ただしその世界観はマイクロソフト傘下のモヤンが開発し、若者を中心に爆発的な人気を誇るマインクラフトとも酷似する。
マインクラフトではプレーヤーがゲーム内のフィールドを自由に移動し、ゾンビや他の敵と戦いながら村人や家畜などと交流をする。同じくオープンワールド型のレゴ・ワールズでもバンパイアや雪男やドラゴンが登場し、プレーヤーは車両などに乗って移動することもできる(レゴ・ワールズはプレビュー版が2015年6月から遊ぶことかできる)。
レゴはこれまでも自社のブランドを活用したテーマパークや映画などを展開し、ヒットさせてきた。ただしオープンワールド型ゲームで巨人マインクラフトに挑むのは遅きに失した感もある。
マインクラフトは2009年に発売されて以降、パソコンや据え置き型ゲーム機だけでなくスマートフォンやタブレット型端末向けのバージョンも開発され、すでに7000万本の売り上げを誇る。モバイル版マインクラフトがアプリの売り上げランキングで上位を維持し続ける中、マイクロソフトは教育向けマインクラフトも発表してさらに人気を拡大しようともくろむ。マインクラフトをテーマとしたレゴの商品もすでに発売されている。
一方のレゴもビデオゲームの開発を怠っていたわけではなく、映画「スター・ウォーズ」をテーマにした作品や、実物のレゴのおもちゃを使ってゲーム内で遊ぶレゴ・ディメンションズといったシリーズも展開。過去10年で1億4000万本の関連ゲームを売り上げている。
ただしレゴが現実世界においてこれまで創造力を養ってきたとはいえ、物作りゲームの覇者であるマインクラフトにバーチャル(仮想)世界で通用するかは別の話だといえる。