退位 専門家の意見分かれ論点整理後 再ヒアリングへ

退位 専門家の意見分かれ論点整理後 再ヒアリングへ
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天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議が行った専門家からのヒアリングの結果、退位に賛否両論が出たほか、法整備の在り方をめぐっても意見が分かれました。有識者会議は、最終的な提言の取りまとめに向けて慎重に検討を進めるため、来年1月下旬にも論点整理を公表したあと、改めて専門家からのヒアリングを行う方向で調整に入りました。
天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議は、30日、憲法など法制度に詳しい大学教授などからヒアリングを行い、先月、3回に分けて行ったヒアリングを終えました。
その結果、招かれた16人のうち、退位に8人が賛成、5人が反対を明確に示したほか、残る3人は、退位に慎重な姿勢を示しながらも、国民の総意や国会の意思として退位を認めることになれば、否定しない考えを示しました。
また、退位を認める場合の法整備の在り方をめぐっては、退位に賛成した8人のうち、5人が、政府内で有力視されている、いまの天皇陛下に限って退位を認める特別法の制定に理解を示す一方、2人が皇室典範を改正して恒久的な制度とするよう求めたほか、残る1人は特別法で恒久的な制度を設けるよう主張しました。
このようにヒアリングでは、退位を認めるかどうかだけでなく、法整備の在り方をめぐっても専門家の意見が分かれました。

有識者会議の座長代理を務める御厨貴東京大学名誉教授は記者会見で、「意見を集約できるかどうかは論点をうまく出していけば可能ではないか。われわれは賛成と反対が何対何という受け止め方はしていない」と述べました。

有識者会議は、年内に2回程度会合を開き、ヒアリングで出された意見をめぐって議論したうえで論点整理を行い、来年1月下旬にも公表する方針です。
その後、有識者会議は、専門家の意見が分かれていることなども踏まえ、最終的な提言の取りまとめに向けて慎重に検討を進めるため、改めて専門家からのヒアリングを行う方向で調整に入りました。