今月24日午後、鉄工所が集中するソウル市永登浦区文来洞の路地では、100メートルほど歩いただけでシャッターを下ろした業者が10カ所以上あった。大きな文字で「賃貸」という表示が張られた場所も目立った。文来洞は部品、金型、熱処理メーカーが2400社集まった地域で、一時は設計図さえ渡せば、あらゆる部品を作ることができるとまで言われたが、今は閑散としている。溶接業者を経営するPさん(51)は「10年前まではボルトやナットの加工で月に数百万ウォンを稼ぐことができたが、最近は倒産するところが増えている」と話した。
韓国製造業を下支えしてきた末端中小企業30万社が今、崩壊しつつある。一般に従業員数が10人に満たない零細企業で、機械部品、金属加工、縫製、印刷など韓国製造業の下請け構造の末端に位置する。韓国の製造業全体の被雇用者数(約392万人)の4分の1を零細企業が占めるとされる。数年来の景気低迷はそうした零細企業を襲っている。現地で出会った経営者は「周辺には30年以上事業を営んできたプライドから廃業こそ思いとどまっているが、注文が全くない企業があちこちにある」と語った。
■めっき・金型…、末端中小企業の崩壊
首都圏の代表的な工業地区である半月、始華、南洞の各工業団地では最近1年間に3万人が職場を去った。3-4年続く不況に耐えられず、零細中小企業が従業員を削減したためだ。
京畿道安山市の半月工業団地では、交差点に「土地5000坪と建物一括売却」といった横断幕があちこちに見られた。同団地には従業員数10人未満、年商10億ウォン未満の零細めっき業者が約200社ある。ここで亜鉛めっき業者を15年間営むKさん(60)は「自動車部品メーカーからの受注が減少し、先月に従業員7人のうち3人を解雇した。財産を全て処分して運転資金に充て、借金しか残っていない」と話した。別のめっき業者の経営者Pさん(61)は「毎月400万ウォンの賃貸料も稼げず、工場を閉鎖するかどうか悩んでいる」と漏らした。