パク大統領 特別検察官を任命 聴取応じる考え示す

パク大統領 特別検察官を任命 聴取応じる考え示す
k10010790341_201611301925_201611301925.mp4
再来年2月の任期満了を待たずに与野党の決定を受けて辞任する意向を表明した韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領は30日、政府から独立した立場で一連の事件を捜査する特別検察官を任命し、その事情聴取には応じる考えを重ねて示しました。パク大統領としては、弾劾をめぐる与野党の駆け引きが続くなか、みずからへの批判を少しでも和らげたい思惑もあると見られます。
韓国のパク・クネ大統領は、30日午後、長年の知人や側近らが起訴された一連の事件を、政府から独立した立場で捜査する特別検察官に、野党が推薦した2人の候補のうち、ソウル高等検察庁の元検事長で弁護士のパク・ヨンス(朴英洙)氏を任命しました。

パク特別検察官は、直ちに記者会見を開き、「捜査対象者の地位が高いか低いかは考慮しない」と述べ、大統領に対しても徹底した捜査を行う考えを示しました。パク特別検察官は今後、これまでの検察の捜査を引き継いで、最長で120日間にわたって捜査を進め、この間にパク大統領に対する事情聴取も行う見通しです。

一方、大統領府の報道官は30日、パク大統領が特別検察官の聴取には応じる考えを重ねて示していると説明しました。
パク大統領としては、先に検察から再三、聴取に応じるよう求められながらも繰り返し拒否し、国民のさらなる反発を招いただけに、みずからへの批判を少しでも和らげたい思惑もあると見られます。

一方、弾劾をめぐっては、30日午前、野党3党の代表が1時間ほど協議し、パク大統領の任期を短縮する、いわば「名誉ある退陣」に関する与党との協議には応じず、あくまでも大統領の弾劾を求める議案の可決を目指す方針で一致しました。

これに対し、議案が可決されるかどうかの鍵を握る、与党の非主流派の幹部は、「大統領は退陣の時期を明確にすべきで、来年4月が最も適切だ」と述べたうえで、野党側は与党と協議すべきだという立場を改めて示し、弾劾をめぐる与野党の駆け引きが続いています。