人気モデルの押切もえさんの携帯電話サーバーに不正アクセスしてメールを盗み見るなどしたとして、警視庁サイバー犯罪対策課は30日、日本経済新聞社デジタル編成局社員の寺井淳容疑者(29)=東京都多摩市=を不正アクセス禁止法違反容疑などで逮捕した。同課が容疑者の携帯電話を解析した結果、女優やモデル、アナウンサーなど百数十人分の電話番号やメールアドレスが保存されていたことが確認され、被害の実態を調べる。
逮捕容疑は2014年12月、押切さんが利用する携帯電話サーバーなどに不正アクセスし、メールを盗み見たり、パスワードを勝手に変更したりしたとしている。
また、昨年10月~今年4月、インターネット空間にデータを保管できる米アップル社のサービス「iCloud(アイクラウド)」にも侵入し、人気アイドルグループNMB48の元メンバー、渡辺美優紀さんら女性3人の保存データに不正アクセスしたとしている。
同課によると、「パスワードを突破することに喜びを感じ、ゲーム感覚でやってしまった」と容疑を認めているという。14年12月に押切さんが「パスワードが変更された」と警視庁に相談していた。
携帯電話サーバーにログインするには携帯電話番号とパスワードが必要。寺井容疑者は何らかの手段で押切さんの携帯電話の番号を入手し、パスワードは生年月日やニックネームから類推していたとみられる。【斎川瞳】
日本経済新聞社広報室は「被害を受けた方々にご迷惑をおかけしたことをおわび申しあげます。逮捕された社員は当社が保有する顧客の個人情報を犯行に使用していないと認識しています。事実関係を確認し次第、厳正に対処します」とするコメントを出した。