天皇陛下の公務大幅に減らすことは困難 宮内庁

天皇陛下の公務大幅に減らすことは困難 宮内庁
天皇陛下の公務は昭和天皇の時代と比べて大幅に増えていますが、宮内庁は「客観的な状況によって必然的に増えている」として、大幅に減らすことは難しいと説明しています。
天皇陛下の活動について、政府は、憲法で定められた「国事行為」と、象徴としての立場に基づく「公的行為」、「その他の行為」の大きく3つに分けられるとしています。

このうち「国事行為」には、内閣総理大臣の任命や、法律や条約の公布などがあり、「公的行為」には被災地のお見舞いや外国公式訪問、それに全国規模の式典や行事への出席などが挙げられています。
そして、これらの活動を除く宮中祭しなどは、「国事行為」と「公的行為」のいずれにもあたらない「その他の行為」に分類されています。

天皇陛下は即位以来、現代にふさわしい皇室の在り方を求めて、新たな社会の要請に応え続けられ、公務の量は昭和天皇の時代と比べ大幅に増えています。

特に多くなっているのが「公的行為」にあたる活動で、冷戦の終結やソビエトの崩壊などで国連の加盟国が大幅に増え、外国の賓客の接遇などが増加しています。

また、閣議決定に基づく外国への親善訪問や、戦後50年の平成7年以降、節目の年などに行われてきた国内外への慰霊の旅、それに東日本大震災などに伴う被災地へのお見舞いも増えています。

宮内庁によりますと、天皇陛下が82歳を迎えられた去年と昭和天皇が82歳となった昭和58年の活動を比較すると、「公的行為」の件数は1.5倍余りに増えています。

宮内庁は、天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議の議論には関与しない立場をとる中で、「天皇陛下の公務は客観的な状況によって必然的に増えている」と説明し、天皇陛下の公務を大幅に減らすことは難しく、背景を国民に理解してもらいたいとしています。