クレジットカードを安全で快適に利用するために、初心者ならぜひ知っておいてほしいことがあります。
これらの注意点を知らないことで、
- 思わぬ犯罪に巻き込まれた
- 付帯サービスを使おうとしたら使えなかった
- いつの間にか残高が膨らんでいた
などという事態にもなりかねません。
注意点を押さえておくことで、あなたの持つクレジットカードは今以上に魅力に溢れた便利なツールとなるのです。
今回は、クレジットカード初心者が知っておくべき7つの注意点について解説します。
1.クレジットカード現金化の罠
あなたは、今持っているクレジットカードを現金化する目的で作ってはいないでしょうか?
もし現金化を進めようとするなら、その行動はストップしたほうが安全です。
①クレジットカード現金化とは?
カード現金化とは、ショッピング枠を換金目的で利用する行為のことを指し、
- 商品買取り型
- キャッシュバック型
などの方法があります。
現金化業者は、ほとんど無価値の商品を買わせて、キャッシュバックもしくは買取りという名目で商品の何割かの現金を渡すという流れです。
現金がすぐに手に入るという理由から、利用者には何らかの理由でキャッシングできなくなった人たちが多いと言われています。
②ヤミ金のようなカード現金化業者
キャッシングができないということは、
- 多重債務で正規業者からは借入れを断られた
- 延滞により借入れできなくなった
などの、いわゆるブラックである可能性が高く、そのような人へ「簡単にお金が手に入りますよ」と甘いささやきをするのは、ヤミ金かカード現金化業者と言っても過言ではありません。
つまり、カード現金化業者のほとんどは怪しいと考えるのが妥当です。
③トラブルの事例
実際にどのようなトラブルが考えられるかと言いますと、
- 最初の約束とは違う法外な手数料を取られた
- 後日振込みとなるはずの現金が振り込まれなかった
- 身に覚えのない請求が来た
- クレジットカードが使えなくなった
などがあり、悪質な業者はその後の連絡が一切取れなくなって、泣き寝入りするしかないというケースもあります。
④カード現金化は違法ではないのか?
ここでやっかいなのは、ヤミ金は完全なる違法ですが、カード現金化はグレーであるということです。
カード現金化業者は、古物商の資格を持ち古物営業法に基づいて買取りしているものの、カード現金化を目的とした取引きが許可されているわけではありません。
そもそもショッピング枠を換金目的で利用することは規約違反であり、利用が判明した時点でカードは使用停止となるため、クレジットカード会社では現金化をしないように働きかけています。
2011年にはキャッシュバック型で現金化していた男に出資法違反で有罪判決が下り、現金化は違法という動きとなっていますから、たとえ安全とされる現金化業者だとしても、現金化は行わないことが一番です。
2.ネットショッピング利用時の注意点
家にいながらにして買い物ができ、在庫の有無も瞬時に確認できるオンラインショッピングは本当に便利ですよね。
ただ、ユーザー数の増加に伴いトラブルも急増していますので、利用時には注意が必要となります。
①「クレジットカード払いだから安心」はもう古い!
トラブルで多いのが、詐欺サイトにだまされるケースです。
詐欺サイトを見分ける一番簡単な方法は、支払いが銀行振込みの前払いのみであるというのが一般的でした。
ですから、クレジットカード払いができるサイトは詐欺サイトではなく、安心して買い物ができると思っている人は多いのではないでしょうか?
・最終的な支払いまでにおかしい箇所が多い
しかし今、クレカ払いOKの詐欺サイトがあるのです。
サイト内で支払い方法にクレジットカードが記載されている場合でも、
- 実際の請求となると銀行振込みを指定してくる
- 当初の予定より請求額が増えている
など、実際に支払いを確定するまでに怪しい点はいくつかありますので、だまされないように注意しなければなりません。
②カード番号入力時に気をつける項目
クレジットカードの番号という、とても重要な個人情報を入力しなければならない場面では、細心の注意が必要です。
自分自身で番号を入力するわけですから、納得して契約したとみなされ、たとえ理不尽な請求であったとしても支払い責任が生じることもあります。
次の点を確認しながら、いつも以上の慎重になることが大切です。
・入力画面がSSLで暗号化されているか
SSLを採用しているサイトでは、ブラウザに鍵マークが表示され、アドレスバーに表示されるURLが「https://」に変わります。
鍵マークはブラウザによって表示位置が異なりますし、ステータスバーを非表示に設定していると表示されません。
また、SSLを導入していない=詐欺サイトというわけではなく、個人ショップなどでは導入していないこともあります。
そういったお店での買い物でカード番号を入力するときは、事前にショップ名を検索して怪しい情報がないか確認するなどの自衛も必要となってくるのです。
・Eメールでカード番号を送信しない
カード番号をEメールでやりとりする行為は、危険以外のなにものでもありません。
詐欺サイトは、もっともらしい口実でカード番号を聞きだそうとしてきますから、Eメールで送信するよう指示があった時は、すぐに取引きの中断を考えるべきです。
もしEメールアドレスがフリーメールだとしたら、ほぼ詐欺サイトと思って間違いありません。
3.海外旅行傷害保険の利用付帯サービス
クレジットカードに付帯するサービスの一つに、海外旅行傷害保険があります。
海外旅行をする可能性がゼロではないのであれば、付いていると嬉しい便利なサービスです。
ところが、このサービスはカード会社によって自動付帯と利用付帯があり注意しなければなりません。
①自動付帯の注意点
自動付帯であれば、何もしなくても補償されますから、注意点はないように思えます。
しかし、カード会社によっては、
- 内容によっては一部利用付帯となる
- 海外旅行は自動付帯だが国内は利用付帯
といったように、完全に自動付帯ではないこともあるため、規約にはしっかり目を通しておくことが大切です。
②利用付帯の注意点
利用付帯とは、旅行に関わる支払いをクレジットカード払いにした時にのみ適用されるというサービスのことで、条件をクリアしなければ保険は適用されません。
大体は、旅行料金をカード払いにすることで解決できるのですが、パッケージツアーの旅行でなければ適用されず、個人の旅行では条件を満たさないなど、細かい付帯条件があるという部分が注意点なのです。
また、保険には90日間という期間が設けられていますので、3ヶ月以上の長旅を予定している場合も注意が必要となってきます。
4.キャッシング利用時は金利と限度額に注目!
クレジットカードにはショッピング機能の他にキャッシング機能が付いており、いざという時には頼りになりますよね。
ただし、機能が付いているからといって安易に使ってしまうと、毎月の負担が重くなってくることを忘れてはいけません。
①金利は消費者金融と同等
まず注意しておきたいのは、ショッピングとキャッシングでは金利手数料が異なるということです。
ショッピングをリボ払いした時の手数料は年利15%程度ですが、キャッシングは18%前後の設定が多く、消費者金融と同等となっています。
決して低い金利ではありませんし、キャッシングを利用することで返済は確実に大変になりますから、利用は最小限にとどめておくことがおすすめです。
②キャッシング枠はショッピング枠に含まれている
ショッピング枠50万円、キャッシング枠20万円というクレジットカードを持っている場合、利用可能額は以下のようになります。
利用額 | ショッピング利用可能額 | キャッシング利用可能額 |
---|---|---|
ショッピング40万円 | 10万円 | 10万円 |
キャッシング10万円 | 40万円 | 10万円 |
キャッシング20万円 | 30万円 | 0円 |
ショッピング70万円 | 利用不可 | – |
ご覧のように、このカードの利用限度額は70万円ではなくて、あくまでも50万円の範囲の中に20万円分キャッシング枠が含まれているということです。
50万円のショッピング枠を使い切ってもなお20万円の余裕があると勘違いし、いざ使おうとしたら使えなかったという話はよく聞くことですので、自身のカード限度額がいくらなのかはきちんと把握しておく必要があります。
③キャッシングは総量規制の対象となる
ショッピング枠は割賦販売法に基づき審査が行われ、キャッシング枠は貸金業法に基づき審査されるのですが、他に貸金業法が適用されるのが消費者金融の審査です。
貸金業法では、総量規制と言って年収の三分の一以上の借入れを禁止されており、クレジットカードのキャッシング枠の審査においては、消費者金融等の借入れも含めて年収の三分の一を超えないように限度額を決定します。
クレジットカードと消費者金融の審査は別というのは、あくまでもショッピング枠に関してですので注意しなければいけません。
5.公共料金をクレカ払いする時に気をつけたいこと
公共料金などの支払いをクレジットカード払いにすると、
- 一括管理できる
- ポイントが貯まる
などのメリットがあることから、手続きをしている人も多いのではないでしょうか?
デメリットらしいデメリットもなく、公共料金をクレカ払いにすること自体はおすすめなのですが、念のため以下の点に注意が必要です。
- 更新、カード再発行時の届出忘れ
- 口座振替の方がお得なこともある
ただし更新に関しては、公共料金のほとんどについてカード会社が「洗替処理」といって、自動で更新してくれるサービスがあり、ほぼ心配することはありません。
口座振替で気をつけたいのは、口座振替割引サービスです。
クレジットカードでポイントが貯まってもなお口座振替の方がお得という可能性もありますので、どちらがよりお得かということを、一度計算してみるといいかもしれませんね。
6.リボ払いは上手に利用しよう!
リボ払いは怖いというイメージがあるかもしれませんが、上手に利用すれば便利な返済方法なのです。
①残高はこまめに確認を!
リボ払いで気づかないうちに残高が膨らんでしまうのは、毎月の返済額が少ないことが一因となります。
一つの支払いが終了しないうちに新たなリボ払いを組んでしまうと、もちろんそれだけ返済は長期化していくのです。
リボ払いをしている期間は、
- 今の返済額で完済までにどれくらいかかるのか
- 現在残高はいくらか
をこまめに確認し、必要に応じて毎月の返済額設定を変更するなどの対策をすることをおすすめします。
②リボ払い専用カードは、一括と言ってもリボになる
カードの中には、リボ払い専用カードといって、最初からリボ払いしかできないようになっているカードもあるのです。
そうとは知らず、もしくはリボ払いのリスク自体を知らずにカードを作ってしまった場合、返済で困ることがあるかもしれません。
少額だから一括で返済しようと思ってレジで1回払いと言っても、自動でリボ払いになってしまいますから、無駄な手数料を払わなければいけないという事態もあり得ます。
対策としては、最低返済額を引き上げておくと、その金額以下の買い物は一括払いと同じことになり手数料が発生しません。
7.解約時に確認しておきたいこととは?
カードを解約しようとする時も、確認しておいた方がいいことがいくつかあります。
①古いカードは持っていた方がいい?
解約しようとしているカードはいつ作ったものでしょうか?
もし契約から何年か経過しているカードならば、解約は時期尚早かもしれません。
今後新たなカードを作ろうとするとき、今持っているカードの加入期間は、参考情報として審査に影響してくる可能性があるのです。
加入機関の浅いカードしか持っていないと、審査で不利になることもありますから、新しいカードを手にしてから解約をしても遅くはないかもしれませんよ。
②残高やポイントは残っていないか
解約手続きは、電話一本ですぐにすることができます。
解約の電話をした時点で解約処理が実行され、それまで貯まっていたポイントはすべて無くなってしまうのです。
カード会社によってはポイントを引き継いでくれることもありますが、ほとんどのカード会社では使えなくなると思っていた方が確実ですので、せっかく貯めたポイントは使いきってから解約することをおすすめします。
また、解約時点で残高が残っている場合、一括で返金するように言われる可能性が高いので、お金の都合がついていない場合の解約は避けた方が無難です。
③付帯サービスを使う予定はないか
海外旅行傷害保険やロードサービスなどが付帯されたクレジットカードは、ショッピングやキャッシングの利用予定がなくなったとしても、付帯サービスを利用する可能性はあります。
なので、もし年会費が無料のクレカであれば、持ち続けていたところで特にデメリットはないので、付帯サービスが使えるカードに関しては残しておくと役立つかもしれませんね。
④支払い方法の変更忘れに注意!
これまでクレカ払いにしていた場合、支払い方法の変更手続きが必要となります。
手続きを忘れたまま解約してしまいますと、延滞となって遅延損害金まで取られる事態になりかねません。
解約手続きをする前に、これまで毎月クレカ払いにしていた支払いをすべて変更できたか、一覧表を作成し漏れなくチェック出来るようにするなどの工夫が必要です。
8.クレジットカードの注意点まとめ
今回は、「ちょっとしたことではあるけれど、知っておくと失敗が少ない」という注意点を挙げてみました。
予想外に取られる手数料などの出費は、たとえ少額であっても悔しいものですし、知らないうちに犯罪に巻き込まれるのも避けたいことですよね。
クレジットカードは正しく使えば安全であり、ポイントや付帯サービスなどプラスαの特典もあってお得です。
7つの注意点に気をつけ、快適なカードライフを手に入れましょう!