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米GDP3.2%増、消費上振れ 7~9月改定値

2016/11/29 23:27
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 【ワシントン=河浪武史】米商務省が29日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、前期比年率換算で3.2%増だった。個人消費などが上振れして速報値から0.3ポイント上方修正し、2年ぶりの高い伸び率となった。10~12月期も3%前後の成長率が続くとの見方が強く、市場が見込む12月の米利上げに追い風となりそうだ。

 7~9月期の成長率は市場予測(3.0%)を上回り、2014年7~9月期(5.0%)以来の伸びとなった。GDPの7割を占める個人消費が2.8%増と、速報値から0.7ポイント上方修正され、全体を押し上げた。

 米成長率は4四半期ぶりに経済の巡航速度である潜在成長率(2%前後)を上回った。輸出が10.1%増え、約3年ぶりの二桁増となった影響が大きい。穀物産地の南米の天候不順で、大豆輸出が大きく膨らんだ。

 設備投資は0.1%増と速報値(1.2%増)から下方修正した。住宅投資は速報値から上方修正したものの、4.4%減と2四半期連続のマイナスだった。

 米連邦準備理事会(FRB)は12月13~14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、昨年12月以来の1年ぶりの利上げを検討する。10~12月期も住宅投資などが伸びて3%前後の成長率になるとの見方が浮かんでおり、市場は次回FOMCでの利上げをほぼ確実視している。

 米経済は次期大統領に共和党のトランプ氏が決まり、巨額減税やインフラ投資による成長期待が高まっている。米株価が最高値を更新するなど個人消費にも追い風だ。ただ、足元ではドル高が急激に進んでおり、上向いてきた輸出には強い逆風となりそうだ。

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