韓国野党3党は、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領による3回目の対国民談話の内容に関係なく、早ければ来月2日にも朴大統領に対する弾劾訴追案を国会で処理する方針だ。仮に弾劾案が否決されたとしても、その責任は全て与党セヌリ党が負わなければならないため、現在の世論を考えると野党が躊躇する理由はないとの計算も働いている。
野党3党が予定通り30日に弾劾訴追案を発議すれば、来月1日の本会議にかけられ、2日の本会議で議決が行われる。現時点では与野党の分析通り、野党側172議員と弾劾に賛成する非朴系約40議員を合わせれば、弾劾案の可決に必要な「在籍議員の3分の2(200人)」を超える。
弾劾案が国会で可決されれば、黄教安(ファン・ギョアン)首相が朴大統領の権限を代行することになり、憲法裁判所は6か月以内に弾劾審判の結果を発表しなければならない。憲法裁判所が弾劾を確定させれば、憲法に則って2か月以内に次期大統領選挙を実施することになる。そのため政界では、弾劾となる場合は来年5-8月に大統領選挙が行われると予想している。一方、政界の重鎮らが提案している「4月までに秩序ある退陣」を目指す場合、大統領選挙の時期は同じく5-8月か、それより少し後になる見通しだ。
弾劾案が国会で否決される可能性も捨てきれない。朴大統領が29日の談話で「進退問題を国会の決定にゆだねる」と表明したことで、弾劾に賛成の立場を示していた非朴系議員らが立場を変えるのではないかとの声も聞かれる。セヌリ党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表はこの日「野党に弾劾日程の再検討を要求する」と表明した。このため「1週間先送りして9日に弾劾案を処理すべき」との主張が非朴系の中で高まっている。
弾劾案が否決された場合、国民の怒りの矛先は国会に向けられるのは間違いない。政界関係者は「親朴系(朴大統領に近いグループ)はもちろん、非朴系も弾劾否決による逆風は避けられないだろう。野党は弾劾否決の責任をセヌリ党に転嫁すると思われるが、野党もかなりの逆風にさらされる可能性がある」と話す。国会議事課によると、弾劾案が否決されば否決案件は同じ会期に審議することができない。ただし来月9日の通常国会の会期終了後、与野党が臨時国会を開催して弾劾訴追案を再発議することは可能だ。しかし政界内で弾劾推進の勢いが低下すれば臨時国会での可決は楽観できないとの見方も出ている。
弾劾が否決されれば、野党3党は市民団体と連携して「場外闘争」によって朴大統領の退陣運動を繰り広げるとみられる。街頭デモも過激化する可能性が高い。大統領だけでなく政界全体に向けた怒りが噴出し、政界全体が危機に陥る恐れがある。また、政界の重鎮たちは「弾劾が可決されて憲法裁判所の審判ということになれば、国論が分裂する上、デモも収まらず、政局の混乱が続いたままになる」として「弾劾を急ぐよりも、大統領の退陣時期を決めて、そこに向けて政治的解決策を模索した方が良い」とも提言している。