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 29日午前8時25分ごろ、富山県立山町の北アルプス・立山連峰で雪崩が発生し、男性6人のパーティーが遭遇したと同パーティーの男性(19)から110番通報があった。立山町消防本部などによると、6人は東京工業大学の一行で、3人が雪崩に巻き込まれた。千葉県八千代市の橋本士門さん(21)が心肺停止の状態で救出され、病院で死亡が確認された。別の1人は低体温症だが命に別条なく、あと1人は無事という。

 同大によると、6人はワンダーフォーゲル部の部員で、3年生2人、2年生1人、1年生3人。北アルプスで「雪上訓練」をすると届けていた。

 県警によると、現場は立山黒部アルペンルートの室堂から一ノ越に向かう標高約2520メートルの地点。一行は長野県側から25日に入山して室堂周辺で登山をし、29日は雄山(3003メートル)に登る予定だったという。

 県や県警、山岳関係者などでつくる県山岳遭難対策協議会によると、29日午前8時の室堂周辺の積雪は70センチ、気温はマイナス9度、風速は3~4メートル。27日に室堂近くで雪崩が複数回発生したと報告があり、27~28日に約30センチの雪が降った。このためホームページで「非常に危険な状態」として注意喚起していた。

 立山黒部アルペンルートは富山、長野両県をバスやロープウェーなどで結ぶ山岳観光路で、今月30日が今年の営業最終日。例年、雪山登山者やスキーヤーが多く訪れる。