チェルノブイリ原発 「石棺」覆う新たな構造物が完成
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旧ソビエトのチェルノブイリ原子力発電所で、爆発した原子炉の建屋からの放射性物質の拡散を防ぐための新たな構造物が完成し、29日に式典が行われました。
旧ソビエトのウクライナにあるチェルノブイリ原発では、30年前の1986年に試験運転中の原子炉が爆発し、その後、爆発した建屋は「石棺」と呼ばれるコンクリートなどの建造物で覆われてきましたが、老朽化によって放射性物質が拡散するおそれが出ていました。
このためG7=主要7か国など国際社会の支援を受けて建設が進められてきた新たな構造物が完成し、「石棺」を丸ごと覆う作業が終わったのを受けて、29日に現地で式典が行われました。
この中で、ウクライナのポロシェンコ大統領は感謝の言葉を述べたうえで、「国際社会とウクライナの結束が維持されることを願う」として、さらなる支援を訴えました。G7を代表してウクライナに駐在する日本の角茂樹大使が、「構造物の完成によってチェルノブイリの現場は環境的に安全で安定した状態に変わる」と述べました。
完成した構造物は、高さ108メートル、幅257メートルのかまぼこ形で、建設費用は日本円にしておよそ1800億円で、建設した事業体によりますと、100年間、放射性物質を閉じ込めることができるということです。構造物の内部では今後、溶けた核燃料を、安全を確保しながら除去していくといった廃炉に向けた難しい作業が続くことになります。
このためG7=主要7か国など国際社会の支援を受けて建設が進められてきた新たな構造物が完成し、「石棺」を丸ごと覆う作業が終わったのを受けて、29日に現地で式典が行われました。
この中で、ウクライナのポロシェンコ大統領は感謝の言葉を述べたうえで、「国際社会とウクライナの結束が維持されることを願う」として、さらなる支援を訴えました。G7を代表してウクライナに駐在する日本の角茂樹大使が、「構造物の完成によってチェルノブイリの現場は環境的に安全で安定した状態に変わる」と述べました。
完成した構造物は、高さ108メートル、幅257メートルのかまぼこ形で、建設費用は日本円にしておよそ1800億円で、建設した事業体によりますと、100年間、放射性物質を閉じ込めることができるということです。構造物の内部では今後、溶けた核燃料を、安全を確保しながら除去していくといった廃炉に向けた難しい作業が続くことになります。
かつての“原発の町”はいま
チェルノブイリ原発からおよそ4キロ離れた町、プリピャチは、ソビエト時代に、原発で働く作業員やその家族のために作られました。高層アパートをはじめ、学校や遊園地なども整備され、かつてはおよそ5万人が暮らしていましたが、原発事故のあと、住民たちは、避難を余儀なくされました。
原発事故から30年がたったいまも、立ち入りは厳しく制限され、住民たちは戻ることが許されておらず、倒木がそのままに放置されたり、建物の一部が崩れ落ちたりして廃虚となっています。
また、プリピャチは、地元のNPOなどが見学ツアーを行っていて、今では、チェルノブイリ原発の事故を次の世代に伝える町としての役割を担っています。
原発事故から30年がたったいまも、立ち入りは厳しく制限され、住民たちは戻ることが許されておらず、倒木がそのままに放置されたり、建物の一部が崩れ落ちたりして廃虚となっています。
また、プリピャチは、地元のNPOなどが見学ツアーを行っていて、今では、チェルノブイリ原発の事故を次の世代に伝える町としての役割を担っています。