デジタル教材が鍵か 理数の学力向上

デジタル教材が鍵か 理数の学力向上
k10010789131_201611300543_201611300559.mp4
日本の子どもたちの理数の基礎的な学力は世界トップレベルにあることが29日に公表された国際学力調査で明らかになりました。専門家の中には、ここ数年、学校現場で急速に導入が進むデジタル教材がこうした学力の向上につながっていると指摘する意見もあります。
29日に公表された国際学力調査で、日本の子どもたちの理数系の基礎的な学力はいずれも世界で5位以内とトップクラスにあることがわかりました。文部科学省は教える内容や時間を増やしたことが結果につながったとしていますが、専門家の中にはデジタル教材の効果を挙げる意見もあります。
埼玉県羽生市にある須影小学校では理科などの授業でタブレット端末を積極的に活用しています。6年生の「地層」の成り立ちを学ぶ授業ではタブレットで小石や泥などを混ぜた土が水を入れた筒の中にどのように沈殿していくかを撮影します。児童らは録画した映像を何度も再生したり止めたりして観察し、土の中でもれき、砂、泥の重い順に沈み、地層になることを学習しました。学校では、タブレットを使った授業に2年前から取り組み、成績に加え、関心や興味も高くなったということです。児童の1人は「繰り返し観察して地層の様子がわかるようになった」と話していました。
文部科学省によりますと、デジタル教材はここ数年、全国の小中学校で導入が進み、ことし3月の普及率は50%近くになっています。今回の学力調査では、デジタル教材の活用が学力の向上につながるという明確な結果は出ませんでしたが、理数教育が専門の国学院大学の猿田祐嗣教授は「タブレットは自分がつまずいた問題を視覚的に教えてくれたり、苦手な部分を繰り返し示してくれたりするので、数量やデータを扱う理科や算数・数学では有効な手段となる」と話しています。