DeNA「ウェルク炎上」に潜む危険なカラクリ

なぜニセ情報が大量の読者を獲得したのか

DeNAのモラルが問われている(撮影:梅谷秀司)

 DeNAは、同社が運営する医療健康情報サイトの「ウェルク(WELQ)」に掲載されている、すべての記事をいったん非公開にすると11月29日21時に発表した

人間の健康、あるいは生死にさえかかわるヘルスケア情報について、誤った情報を大量発信しているとして医師が運営するブログをはじめ、多方面からの非難を受け、DeNAは11月24日に「【お知らせ】「専門家による記事確認」および「記事内容に関する通報フォームの設置」について」という発表を行い、薬機法等法令違反に対する専門家による監修を依頼したと発表していた。この発表を受けて、筆者はDeNAに以下のような質問を投げていた。

すべての記事について再監修

・執筆者によって従来「医療関係スタッフが執筆していないだけでなく、専門家による記事の妥当性確認も行っていなかった」との告発があるが、事実なのか
・専門家による妥当性確認チームは、どのような資格を持つ人が、何人のチームで編成されるのか
・DeNAパレットのウェルク以外の情報サイトについて品質面の見直しを行う予定はあるか
・DeNAパレットの各サイトは品質管理されていない低廉な記事を大量に用意し、SEOによってアクセスを誘導。広告価値を高めることで経済的価値を高めるビジネスモデルという認識は正しいか
・ウェルクの執筆者マニュアルには他サイトから記事内の実データや論旨を複写したうえでリライトすることを推奨する内容が含まれていた。またネット検索で合法的に写真を流用する手法が細かく書かれていたが、これはDeNAが作成したもので間違いないか

 

DeNAは「医学的知見を有した専門家による監修がなされていない記事が公開されていた」と認めており、すべての記事について再監修を行うというもの。またDeNAパレット(キュレーションプラットフォーム事業のブランド名)が運営するウェルク以外の各サイトについても、守安功社長兼CEOを座長とする管理委員会を設けて改善を行うとのことだ。事業モデルに関する質問への回答はなかった。

ただし、ウェルクの事業モデルの裏側については記事執筆経験者による告発なども行われている。今後、明らかにされていくことも多いだろう。

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