内田光
2016年11月30日00時03分
日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区のあいりん地区が、外国人旅行者でにぎわっている。ドヤと呼ばれる簡易宿所(簡宿)を改装した宿は1泊1千~2千円前後と料金が安く、繁華街へのアクセスの良さも人気だ。
大阪府簡易宿所生活衛生同業組合によると、簡宿は1989年の210軒をピークに、2010年には102軒まで減った。労働者の高齢化やバブル崩壊後の建設不況を受けて、生活保護受給者の福祉マンションや外国人旅行者向けの宿へ転業が進んだという。
阪南大の松村嘉久教授(観光地理学)によると、あいりん地区にある外国人宿は18軒で、うち9軒の宿泊者数を集計すると07年の5万2千人から15年には18万4千人と急増しているという。
街にはこの数年間で、ATMのあるコンビニや大手チェーンの飲食店ができた。松村教授は「当たり前のものが無いのが、あいりんだった。今後も若い人が増加すれば、街の性格は大きく変わるだろう」と話す。(内田光)
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朝日新聞社会部