基礎練習。
あぁ、なんてイヤな響きなんでしょうか。
アーティスト、アスリート、絵描きに武道家エトセトラ。その誰もが避けては通れない茨の道。
この難関に…!
立ち向かう勇気ある者だけが…!!
更なる高みに上ることができるっ……!!!
「いやそんなの分かってるわ!でも避けちゃうんだい!」なーんて声が聞こえてきますね。
でも、それってもしかしたら考え方の問題かもしれません。
というわけで、空手6年とドラム7年を経験して気付いた基礎練習への考え方について書いてみます。
これを読めばあなたも少しは基礎練習する気になる…!!……はず!
そもそも基礎練習って?
辞書的な意味での「基礎」は以下のように定義されています。
ある物事を成り立たせる、大もとの部分。もとい。「基礎がしっかりしているから、上達が早い」「基礎を固める」「基礎知識」
自分が取り組んでいる物事の大もとになる部分、ですね。
ぼくがやっているドラムだと、例えばスネアを鳴らすまでに以下の動作が必要です。
- イスやスネアをセッティングする
- イスに座る
- スティックを振り上げる
- スティックを振り下ろす
- スティックをスネアに当てる
- 当たった反動を制御する
これらが全て基礎の動きにあたります。
もうひとつ例を出しましょう。
前に空手やってたんですが、順突き、いわゆるジャブを打つときは以下の動作が必要です。
- 構える
- 軸足を回す
- 打たないほうの手を引く
- 打つほうの肩を前に出す
- 打つほうの腕を伸ばす
- 伸ばしきる瞬間に拳を握る
- 逆の手順で元の構えに戻る
「あれ…?自分の知ってる基礎のイメージ違うぞ…???」
「それ細かすぎない…??」
なーんて声が聞こえてきそうですね!
ドラムなら「スネアの叩き方」「キックの踏み方」「8ビート」など。
空手なら「順突き(ジャブ)」「追い突き(ストレート)」「下段回し蹴り(ローキック)」など。
これらをひとつずつ練習するのを基礎練習って考えてる人が多いです。
でも実際の基礎ってのは、前述した要にもっともっと根本にあるんですよ…!
ぼくはその根本の精度を磨くこと、理想の形に持っていくことを基礎練習だと考えています。
基礎練習は「攻め」の練習
基礎練習は先ほど上げた一つ一つの動作の質を高めていく、めちゃくちゃ「攻め」の練習です。
基礎練習って続けないと下手になるから。とりあえず最低限やらなきゃうまくならないから。なんとなーくやらなきゃいけないから。
多くの人はこういう考え方なので、「守り」の練習になっちゃって、やっててもあまり面白くないんです。
基礎練習って、ほとんどが反復練習になりますよね。同じことを繰り返す。ただひたすら繰り返す。
その繰り返しに対し、「どういう意識で練習に取り組んでるか」で精度は大きく変わってきます。
繰り返しのそれぞれを真剣にとらえ、「なぜ思い通りにできなかったのか」「どこが理想通りに動かなかったのか」「ほかにもっと理想的なフォームはないのか」などを常に思考するのが「攻め」の練習。
これ、上達までのスピードがびっくりするほど違います。
先ほどの例でも、スネアを叩くという動作に様々な動きが含まれているし、そもそも叩く前の準備もあります。
これらを一つ一つ、どうしたら良くなるかを考えながらやると、いつの間にかうまくなってる。
更に、常に考えてるおかげでスランプになった時の対策も考えられるし、他人に教えることもできます。
なにより、うまくなる=楽しくなります!!!
仕事とかもそうじゃないですか。ただ決められたことをやるんじゃなくて、どうしたらもっと効率良くなるか。無駄がなくなるか。品質があがるか。そういうことを常日頃考えると、仕事の質もスピードもあがります。早く帰れてたくさん稼げる。最高です。
だからこそ、プロのスポーツ選手やアスリート、アーティストは必ず口を揃えて言うんですね。「基礎が一番大事だ」って。
基礎を極めると美しくなる
みなさん、機能美って言葉知ってますか。辞書によるとこんな感じ。
建築・工業製品などで、余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさ。
この「むだのない形態・構造を追求した結果」というのが、基礎を極めた状態のことを指します。
たとえば、なぜプロのスポーツ選手や格闘家はかっこよく見えるのか。これ、ぼくは機能美が結構大きいんじゃないかなーと思ってます。
基礎を徹底的に練習し、しっかりと身に沁み込ませた結果、むだのない動きになっていく。それを人は無意識に感じ取って「こいつやべぇ…」ってなるんです。
俳優とかで「オーラがある」って感じるのも、歩き方や佇まい、視線などの動作が鮮麗されているからじゃないかな。
逆説的に言うと、かっこいい人がどうやってるのか研究しながら真似るのも上達早いです。
まとめ
ちょっと文章が飛び飛びになったのでまとめるよ!
- 基礎練習は「スティックで叩く」「ジャブを打つ」など動作にまつわる様々な動きを理想道理に出来るようにするための練習。
- なんとなーくやらなきゃ、という意識ではなく、細かい部分にまで気を使って研究しながら行う「攻め」の練習が大事。
- 基礎ができるとかっこよくなる。逆に、かっこいいものを真似すれば必然的に基礎が身に付く(学ばざるを得ない)
こういう意識でやると成長が感じられて、基礎練習が楽しくなる…というかやらずにはいられなくなります!
ただ何となくでやっちゃだめだよ!一つ一つの動作に集中してやろう!
今日はここまでっ