こんにちは、Shin(@Speedque01)です。今日は知る人ぞ知る最強フリーランサー、ヒキコモリズム井上さんから過去のブラック企業経験について寄稿いただきました。
まさに「壮絶」の一言・・・。インパクトがメチャクチャ強いので、読むときは心の準備を。
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どうも!プロ引きこもりのヒキコモリズム井上(@luckyman0302)です。
ぼくは今はフリーランス3年目を終わろうとしてるただのプロ引きこもりでして、好き勝手に在宅で愛するパートナーと息子と生きています。
しかし、今でこそこんなラフな人生ですが、ほんの数年前は他のブラック企業を圧倒するレベルのブラック企業に勤めるサラリーマンでした。
そこで営業マン...管理職...役員候補...と出世したので、ブラック企業の経営に近い部分にいたわけですが、そこでちょっとした発見があったんです。それは「マジで稼げる人は、共通の思考回路がある。そしてそれはブラック企業で学ぶこともできる。」ということです。
世間では、ブラック企業=悪...という印象がありますが、意外や意外にもブラック企業には稼ぐ思考回路を身につけることのできる場でもあるのです。ぼくは、そんなブラック企業で過ごした1年間は、今に大きく影響してると確信しています。アレがなかったら、たぶん今稼げてないでしょう。
ぼくのいた創業7年目の不動産ベンチャー企業について
まずはどんな労働環境にいたのか?を軽く書いておきます。十分ブラック企業だと言ってもいいとわかってもらえるはずです。
①1日の労働時間は24時間超
意味わかりませんよね。これはつまりこういうことです。朝9時出社〜朝9時まで残業〜夜21時以降まで仕事...です。帰る?なにそれ?帰れると思ってるの?という文化です。
会社に泊まるのは当たり前。風呂は銭湯か漫画喫茶のシャワー室。 これは業務効率うんぬんではなく、ただただ終わらない仕事だったんです。
不動産営業ですので、日中はお客さんと会います。でもベンチャー企業です。事務員なんていません。すべて各営業マンがやります。繁忙期の12~4月はお客さんが絶えないので、客足がなくなる21時以降に、事務仕事をやらないといけないのです。
②飲み会は強制参加
ただでさえ帰れないのに、定期的にあるこの飲み会。参加しない人は昇進どころか、異常者扱いされます。
「飲み会も仕事だろ?なんだお前、客に呼ばれても帰るんか?」という理屈です。もちろん、仕事だけど給料はでません。そしてもちろん朝までコースです。そのまま出社して、臭いまま仕事です。
ゲロドリンクの回し飲み
飲み会での定番コーナーはこれ。一気飲みして誰かが吐いたら、そのゲロをピッチャーにいれていろんな酒と調味料を混ぜて回し飲みするゲーム。もう高校生がサイゼリヤのドリンクバーで遊ぶのをさらにひどくした感じです。
激臭&激マズ。においを嗅ぐだけでさらにそこに汚物が追加されるシロモノです。
唐辛子を鼻にいれる罰ゲーム
売上の悪い営業には、唐辛子を鼻にいれるゲームをします。これが超痛い。これをテーブルの唐辛子全部つかってやります。
もちろん、脱がされます
挙げ句の果てに公の場で脱がされます。「お前、自分の部下が脱げ!と言われて自分は逃げるんか?お前それで上に立てんのか?」という理屈です。
脱ぐだけならまだしも、男同士でディープキス、もっと上の行為をする...なんてこともありました。 タバコくさい、酒臭いメンズとのそれは、まさに地獄。
③病気でも来るのが当たり前
例えばインフルエンザになろうとも「関係ねえ」と言われる文化です。いや、さすがにいきませんでしたが。家族のこと、個人のことは一切関係なく、会社のためになんでもしろ...という文化でした。
....などなど、ブラック企業と言われてしかるべき要素がたくさんあります。無論、未達成売上の自腹なども横行していました。そりゃもう、体育会系では済まないレベルのそれでしたよ。
しかし、その会社を卒業した人は稼げてる人が多い不思議
ぼくは離婚を機にその会社から去りました。近々この会社は破綻する...と思ったのです。法律にうるさい不動産業で、このコンプライアンスで業務してたら、いつかボロが出て終了するから。
そして、その会社も膿がでたのか、ぼくのやめた半年後から不正が出続け、横領が起き、宅建業法に触れ、業務停止命令を食らってそのまま倒産。
そのあと、1年たってその当時の幹部陣と話す機会があったのですが、不思議なことにそれぞれが起業してうまくいってるのでした。そしてぼくも、その時はすでに生活には困らないようになっていました。
さて、なぜその会社の幹部陣は起業して立派に稼いでいるのでしょうか?そこにぼくはブラック企業にいたからこその思考回路があるな...と感じたのです。
ブラック企業経営から学んだ、マジで稼げる人の思考回路
やっと本題です。笑
以下の内容は、ブラック企業関係なく稼げる人、稼ぐことのできた人に共通するであろう思考回路だと踏んでいます。ぼくが独立してからも、この思考回路を持ってると感じられた人は実際に稼いでる印象なのです。 さて、行きます。
①物事はすべて自分のせいだと思ってる
ぼくのいたブラック企業のクレドには「すべて自分に矢印をむけろ。その先に成長がある。」というものがありました。 理不尽があっても自分のせい。道端で人にぶつかられても自分のせい。大小問わず、自分に起きることすべての原因は自分にあると思え!ということです。
当時その会社で前線にいた人は、全員がそれを信条としていました。 だからこそ、売上達成できなかったら自腹を切る!などという愚行が当たり前になってたんだと思います。もちろんぼくもしてました。「給料になる源泉を作ってない俺に給料をもらう価値はない!」というマインドです。今は絶対嫌だけどね。
人のせいにしてもなにも変わらない
人のせいにしたところで、環境や他人は自分ではコントロールできません。
当たり前だけど、身をもってこれを体現できる人は少ないでしょう。ぼくらは、これを身をもって体験したので、癖となっています。うまくいかないから誰かのせいにする...ということはないです。
稼げてない人の多くは、その原因そのものを環境や誰かのせいにしてる人が多いのでは?と感じています。稼ぐでなくても、なにかで成果の出せない人は、ですね。そりゃ、成果だすのは自分の仕事ですからね。
②銭勘定にものすごく細かい
上記につながりますが、売上あげないと自分の首をしめることになる文化だったので、銭勘定にはものすごい細かくなります。
売上の未回収なんて許せないし、売上からの自分の報酬計算も怠りません。 売上だけでなく、いかに着金させるか?で考えることになりますし、一度つかんだお客さんは絶対に逃がしません。
売上目標を達成するためには、ありとあらゆる手を使う癖がつきました。これは、とりあえず仕事してれば給料が入るような会社ではありえない思考回路です。 ぼくらの会社では、仕事してるだけではお金になりませんでしたから。
仕事=数字だすこと。そこまでのプロセスは仕事とは言わない...というノリです。数字なき仕事は遊びだ...という。
これは独立するフリーランスには必須の考え
あるあるとして「仕事してる風」になりがちです。なんちゃってフリーランスです。独立したてのころはよくあること。
でも商売ですから、お金稼がないと資金ができないんですよ。しかも独立すると、本気で売上=自分の収入です。デキる人が稼いできてはくれません。おんぶに抱っこは無理です。
ぼくは独立した当初、売上見込に1円足りないだけで自分が許せませんでした。この1円はぼくの1円です。「まあいっか」ではすみません。
無論、会社員時代はそれで朝から詰められることもありましたが、だからこそお金に細くなったのです。今も法人に入ったりして仕事をしますが、お金の部分がザルだと憤りを感じてしまいます。笑
「お前さ、このミスで生まれた損失の数万円誰が払うの?お前の給料になるんだぞ?」というのがサラリーマン時代、店舗を任されたときの口癖でした。
③苦労を苦労ととらえない
前半の鬼のような文化があったので、多少の苦労がもはや苦労ではなくなるのです。普通の人が耐えられない苦労が、ブラック労働をクリアしてると苦労じゃなくなります。
「で?」というレベルです。 例えば、今はラフに生きてるぼくですが24時間動くのも別にできます。「やる!!」と決めれば普通にやれます。すべては「あのころはもっとしんどかったしな」だからです。その苦労は自分に必要なものだ...と瞬時に判断し、さっさと前に進めるマインドです。
もちろん、苦労しろ!ってわけじゃないんだけど、人間生きてるとどうしても避けられない苦労というのが出てきますよね。そのときにこの思考回路はものすごいいきてるなと。常に自分の基準値を高くすることはおすすめです。
④リスクに敏感になる
ブラック労働は、ブラック労働ゆえにブラックなことをすることもあります。そのときに、万が一に備えることは必要不可欠です。
要は、逃げ道やいざとなったときに戦える準備をしておく...ということです。 自分がやることに、常にどんなリスクがあり、最悪の事態はどんなか...?と把握して、攻める前に守りもかためておく。これは稼ぐ人には必須の思考回路です。
それができない人は、稼げてもすぐに崩れるでしょう。稼ぐというのは守りを含めた行為なのです。 実際当時の幹部と話すと「それってこうなったらどうなんの?」と必ずリスクの話をします。
普通の会社で働くと、そのリスクの意識はつきにくいでしょう。なぜならリスク対処は自分たちの仕事ではないからです。
稼げてる人はリスクマニアが多い
仕事以外でも、稼いでる人はありとあらゆるリスクを想定してる印象があります。それぞれにリスクヘッジをしています。稼いで終わりではなく、それを守れるようになって初めてミッションクリア。
稼げる人は、おそろしくビビりといっても過言ではないでしょう。最大限にビビって、リスクヘッジできてる状態で大きく攻めます。大きな勝負してる人ほど、めっちゃビビりですよ。大きな勝負するのにビビってない人は、ギャンブラーか、バカなのかのどっちかです。
⑤稼ぐ人は「洗脳力」が異様に高い
当時ブラック企業で幹部にいた人は、自社をブラックとは思ってませんでした。むしろ喜んでそれをやってた印象があります。
ぼくもその一人。幹部になるころには人格が変わったの?ってくらい染まっていました。 それは言い換えればその会社の社長はものすごく他者洗脳力が高かったのでしょう。だから会社も急成長したんだと思います。
結果はともかくとして。ある種それが影響力なんでしょう。その社長はヒリヒリと伝わるオーラのようなものがあります。
重要なのは自己洗脳力
自分に対してコミットして、自分を洗脳する力です。「できるかな?」ではなく「やる!」と決めて、すでにできてるかのようにそれをこなします。
一般的な人は基本的に自信がなく、もじもじしてます。ただ、稼ぐ人は「俺にできないわけがない!」という思考回路です。 ぼくもなにかはじめるときはまずは自己洗脳からします。
- この人にできるなら俺にできないわけがない。
- 〜ヶ月で絶対ここまでいく。いけないわけがない
という感じです。そうすると勝手に行動もできちゃうんですよね。だって、自分の中ではもう出来てるイメージなんですもん。ある意味、自分がないといいますか。柔軟に自分を変えちゃうんですよね。
稼ぐ人の思考回路は一定のパターンがある
他にもたくさん稼ぐ人の思考回路はあります。
- 肯定的な否定をしている
- 基準値が常に高い
- 他人と比べることをしない
などなど。 長くなるので割愛しますが、稼ぐ人の思考回路には共通点があり、もっといえばそれはブラック企業などの過酷な労働状況で意外と鍛えられてしまうのです。
以前電通の過労死のことが話題になりましたが、その人も会社から飛び出してしまえばおそらく「え?独立ってこんなもん?」と思える下地ができてたのではないでしょうか。
稼ぐというのはテクニックでもありますが、その土台となるのは人間的強さになります。孫正義氏はものすごい資産を築いてますが、これはテクニックではなくそれなりの修羅場をくぐってきた強さでもあるはずです。
参考:「わしは灯油かぶって火つけて逝きます!」NTT独占に対し総務省に切り込む孫正義氏の決死の覚悟とは - ビジネス動画配信サービスBizcast(ビズキャスト)
灯油被って死ぬ思いで直談判なんて、ブラック企業でもやらないでしょう。でもそういう経験があるから、一般的な域を抜けるのだと思います。
ぼくは今はゆるくたのしくが好きですが、土台にはそういう鬼軍曹のような自分をそなえてるから今生きてられるんだと感じますし、他の稼げてる人もどこかでブラック企業なんのそのな経験をしてるのでしょう。
実は、ブラック企業の経営から学ぶことはとても多いのです。ただ、その受け取り手が受動的なのか?能動的なのか?で、ブラック企業はとても学べる場所にもなるし、消耗する場所にもなります。
好きなことを24時間し続けるのはブラック企業ではないですよね?ブラック企業がブラックたる所以は、そこに属する人が受動的だから...という捉え方もできます。
そこで能動的にできる人は、いざ自分が商売を始めた際にものすごいアドバンテージを得ていることでしょう。
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井上さん、すさまじく濃い体験談を本当にありがとうございました。
おそらくぼくだったらこんな環境には耐えられなかったと思います。今は飄々とかつアクティブに様々なビジネス展開をされていますが、その底知れない地力はこの経験から培われたものかもしれませんね。
ちなみに、今回の寄稿のような生き方をすべての人間ができるとも思いませんし、オススメするわけではありません。すべての人間が出来るどころか、メチャクチャ強いストレス耐性や精神力をもともと有しているごく一部の人だけでしょう。
ですが、その中から井上さんが学んだ思考回路そのものは、非常に純度が高く、誰にとっても有用です。
- 物事をすべて自分のせいだと捉える
- 銭勘定に徹底的に細かくなる
- 苦労を苦労と捉えない
- リスクに敏感になる
- 肯定的な否定をする
- 常に高い基準値を持つ
- 他人と比べない
ぜひぜひ実践してみてくださいね。
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