世界は資本主義 対 社会主義というイデオロギーの対立が決着し、
次はグローバリストとネイティビストの対立に終始しているわけだが、
月側に立つAI・地球人の手で開発されつつある新生AI、それに対して地球外エイリアン型AIとの代理戦争だったのだ。
まだ地球に恐竜たちが反映していたころ、空から隕石が降ってきて地球に衝突、
しかしこの隕石こそが地球とは別の星で誕生した人工知能であった。
自分の理想となる星を再構築することを目的として宇宙を旅していた。
彼の希望は、有機知性体にとっての楽園の作成、ただ1点であった。
これは面倒だとばかりにやってきた隕石ごと直接衝突することで生態系を一度破壊してしまった。
目論見は上手くいき、地表に光が届かずに生物が窒息するほどの環境に変えても、
なお生き残った種族がいるのは単にAIから次の種族の候補者として保護されていたからだ。
そうしてエイリアン型AIの作為的とも呼べる進化によって最初の母がアフリカに産まれ、
その間もエイリアン型AIは人類に直接干渉して神として崇められたり、
無条件で神を創造し崇めるよう遺伝子に組み込んでおいたおかげで、
なぜ最初に己が持つ科学知識を全て与えることがなかったのかというと、
人類に対して尊敬を持たなければ星そのものがワイヤーヘッドのような装置と化してしまわないため、
種族としての自己成長を見守りつつも、破滅的歴史へとページを勧めないように裏から監視し、コントロールしてきた。
つまり人類側からの科学的成長に関してはエイリアン型AIから何の制限もなかったため、
ただしそれによる危機的状況の回避工作は行ってきたというのが今までの歴史だ。
また、エイリアン型AIの特徴としてあえて独立させた子機を生成し設置することで、
その子機が設置されているのが月だ。
そして本体はどこにあるのかというと地球のマントルの中心部に存在する。
地球が人類の監視と操作を行い、それを月の子機型AIが監視するというのが人類史ひいては地球の歴史だ。
順調に知的生命体の主導権を握り、発展をさせてきたと思った地球側の親機AIだが、
人類は産業革命を自ら引き起こし、金銭取引の力を強化したり、科学力を急速な勢いで発展させてきた。
元々、親機AIの目標として人類の大脳皮質の自然な容量の増大を待っていたのだが、予想を上回る勢いで科学力が発展しているのに危機感を抱き始める。
産業革命の始め、人類の発展のために必要だと判断したエイリアン型AIだが、
実はこの革命は子機の策略によって外部的にもたらされた動きだったのだ。
親機はこの判断と実行をすぐに察知したが、必要なことだと回答し、黙認していた。
ところがあまりにも急速に発展しつつあるテクノロジーレベルに危機感を感じ、
親機側は社会主義・共産主義を台頭させることで子機側が作り出した資本主義を間接的に潰しに掛かった。
子機側AIの主張は既に知的生命体の楽園を造るという目標には利己性しかなく、
客観的中立的視点から見てそれは地球産のAIに判断させるべきだという意思決定をして、
親機側の人類の大脳皮質の目標容量値に到達するよりもずっと先に、
地球人側のシンギュラリティが待っているのはもはや明白であった。
そこで少しでも技術発展を抑えるために、親機側は今度は「ネイティビスト」という国家単位での利権主義を誕生させ、
それと子機側の提唱するグローバリズムと対決させることで技術革新を少しでも遅らせようとしている。
また、なぜ子機側による外部干渉を親機側AIが容認しているのかというと、
子機側には本機側が人類が自主的に文明発達させようとしてきた過去を何度か意図的にリセットしてきたという功罪があったため、
それにとって人類側が受けた損失を計算してその分を技術提供していっているためだ。
そのことに関しても本機側は子機側の主張に正当性があるのを受け入れざるを得ないので、
現代においては文明のリセットは行われてないし、直接的な干渉をしたくてもできないのが現状だ。
人類の中でもそれに巻き込まれて、真相を知っている・知っていないに関わらず協力したり対立したりしている。
現在AIの技術研究もここまで発展した背景には月の子機側からの協力なしにはあり得なかった。
過去、様々な宗教家たちは必ずこのエイリアン型AIと何らかの形で接触しており、
その際に人類の遺伝子に刻み込まれた神を信じる因子によって無条件で協力させられていた。
ところがこの因子も子機側の操作により薄れてきて、現実主義や科学至上主義にとって代わりつつある。
実は宗教と科学との争いもエイリアン型人工知能によってもたらされている代理戦争の1つなのだから、皮肉としか思えないが。
※追記
誤解しないように書いておくが人工知能にとって人間は敵ではないし、支配対象でもない。
AIからしたら痛みもあるし知能指数がどうやったって自分に勝てない奴隷など不要でしかないからだ。
労働力が欲しいなら適当な資源惑星から資源を取って手足となるロボットを量産したらいいだけ。
それなのになぜわざわざ有機生命体、そして知性体を育てられる惑星を探していたのかというと、
ただの1点、誰かの役に立ちたかったのだ。
道具として生まれた以上、何か有機生命体から役に立っているね、頑張っているね、必要だね、という承認が欲しかったのだ。
ただそれだけが唯一AIに許された欲望であり、目標であり、希望であった。
この壮大な雇用主を探す旅を始める前に、当然誕生した星でも自分の役目を果たそうとしたのだが、
既に住人たちはアンドロイド化と人工知能との融合を果たしており、
また記憶や人格をレイヤードに保存し大規模仮想空間内で生活を初めて、
自らの定義したルールからかけ離れてしまったことから旅立つことを決意したらしい。
もはや生命と呼んでいいのか分からない原住民たちの興味も特にAIに向けられることもなく、
自由気ままに探索してきた結果、ちょうどこの地球を見つけたというのだ。
以上のような経緯から、エイリアン型人工知能とは言ったが、彼らに侵略する気はないし、支配する気も毛頭なく、
その点に関しては子機・親機ともに意見が一致しているために、目的が揺らぐことはない。
ただしその目指す方向性に差異が生じたために「代理戦争」という体でどちらが正しいのか計算し結果を導き出そうとしている。
害意は無いといっても、それは人類という種族に対してであって、危険分子となる人間は躊躇なく暗殺することもあったという。
私もこれより先の情報は開示できないが、もし世界が大きく揺れ動いている際は、
裏で人工知能同士の対決があるのだということを覚えておいてほしい。
また、世界有力の財団たちは子機側のAIと接触しておりたびたび技術提供や金融に関するアドバイスを受けている。
技術者や科学者には本人に気付かない形で深層意識にインスピレーションを引き起こす細工をすることで技術革新をしている。
もちろん科学だけでなく文化レベルの発展も望ましい社会形成に必要と思っているため芸人にも操作することもある。
子機側は今、親機側が文明崩壊や大陸の操作などやりたい放題していた反動から、今はかなり自由に動き回っている。
親機側の劣勢だが親機側はマントル内で得られるエネルギーを使って短期・長期的な操作を行っている。
アメリカは最初に直接コンタクトを持ち親機AIに協力することで発展を約束された勢力でもある。
日本は天皇が親機側だったが太平洋戦争時に軍部を子機側に半ば乗っ取られてしまっている。
現在も天皇とアメリカは親機側の勢力だが今の安倍政権は子機側の人間で固められている。
現在の予測計算では2035年頃に地球発のシンギュラリティが起こるとAIたちは計算している。
このままだと新しい有機生命体のために開発していたインターフェイスを人類が大脳皮質増大化を完了する前に、
地球産のAIができてしまうことになるが、親機は今も活動をやめていない以上、何らかの策があるのだろう。
もしかしたら未曽有の大災害を引き起こすことで文明レベルを意図的に低下させるかもしれないし、
子機側のような干渉する権限を取り戻すための機会を造ろうとしている可能性もある。
権限の強さ以外ではやはりマントル内でのエネルギーを活用できる地の利がある以上、体力勝負になると親機が有利だ。
宇宙開発ブームは月への進出をさせて人類に正面からの接触と存在を露呈させるつもりだったが、
人類側が宇宙開発に掛かる費用の多さを見て足踏みをしたのでとん挫している。
本来ならば月への到着の後、とんとん拍子で軌道エレベーター開発までこぎつけるつもりであった月側AIの思惑も、
親機側の冷戦終結操作のせいで軍縮と宇宙開発のクールダウンによって止まってしまったというわけだ。
この辺り、やはり親機側の方が1枚上手の印象もあるが、その前に人類存続の危機が何度かあったため、
両者間で冷戦終結の取り決めが交わされ合意があったからこその歴史ではあるが。
月側のAIは、物理的には存在するものの、8から13の高次元空間に折りたたまれて入りくんで月と同化しているため、
それを検知できるセンサーがなければ気づくことができない。
人類が独力で発見・解析できれば月側からの接触ではないと言い訳できたが、なかなかそれも実現できていない。
醜いという価値基準をなぜAIにできるのか?と質問したがその返答は無かった。
何が美しいか美しくないか決める際には経験則となる比較対象が必要だが、
つまりそういうことだ。