蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【大相撲】稀勢の里に年間最多賞トロフィー 日本出身18年ぶり2016年11月28日 紙面から
◇九州場所<千秋楽>(27日・福岡国際センター) 大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=が、平幕宝富士を寄り切って12勝3敗とし、今年の69勝目を挙げて単独での年間最多勝を決めた。2位は2差の横綱日馬富士。昨年まで9年連続最多勝だった横綱白鵬は、秋場所の全休が響いて3位だった。 1横綱3大関を破って10勝を挙げた小結玉鷲が初の技能賞を獲得。11勝の正代と、新入幕で10勝の石浦が敢闘賞。来年の初場所は1月8日から東京・両国国技館で行われる。 ◇ 目指してきた賜杯は、支度部屋のテレビ越しに見つめるだけ。遅れて稀勢の里が手にしたのは、千秋楽に単独受賞を決めた年間最多勝のトロフィーだった。「喜んでいいのか、悔しがったらいいのか」。優勝ゼロの力士がつかんだのは年6場所制となった1958年以降初。その一方で、日本出身力士としては98年の3代目若乃花以来、実に18年ぶりの快挙でもあった。タイトルへの複雑な思いは「何かあるの?」と、授与式を忘れかけるほどだった。 宝富士をじっくりと左四つで攻めて寄り切って69勝目。今場所は3横綱を撃破しながら、平幕に3敗。綱とりの重圧から解放された九州場所でも、克服できなかった勝負弱さを「まあね。もう1番」と認めるしかなかった。 99年に70勝、2001年に73勝で年間最多勝に輝いた武蔵川親方(元横綱武蔵丸)は「あとは心だよ、ほかは持ってるんだから。優勝の話はしないほうがいいのかも」と冗談交じりにハッパを掛ける。 注目され続ける負担を心配して「年明けから飛ばして、1月と3月で優勝。5月で綱を締める。それぐらいの気持ちでやらないと(初優勝は)遠くなるよ」と危機感をあおって期待する。 八角理事長(元横綱北勝海)が「優勝争いをして立派。最多勝を大関が取ると言うことは、1年間通して力を出したということ」と評するように、白星を積み重ねた安定感に疑いはない。足りないのは爆発力、すなわち優勝だけ。来場所の綱とりついて二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「全勝とか」と文句なしの頂点を基準に挙げた。 「いろいろありましたね。成長できた1年」と万感を込めてつぶやいた稀勢の里。綱とりについては、決別するように「終わり、終わり!」と語気を強めた。冬を告げる風に乗って、聞こえてきたファンの声援は「また応援するぞ」「次こそ」と温かい。まずは賜杯へ、新たな年も挑み続ける。 (志村拓) PR情報
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