2016年7月28日にDocker 1.12がリリースされた。全体的に大幅に機能が強化されており、特にDocker標準のクラスタ構成の機能である「Docker Swarm」はコンテナを起動するだけで、クラスタ構成に必要となるオーバーレイネットワークの構成や、KVS(Key Value Store)の構成が自動的に行われる仕様となり、非常に簡単に利用することができる。DockerをPaaS(Pratform as a Service)として利用したいというニーズは大きく、各社よりGUIを用いてDockerコンテナの起動制御やスケジューリングを行える管理ソフトが提供されている。
今回は、Docker PaaS環境を実現するオープンソースソフトウェア(以下OSS)から5つの製品をピックアップし、その特徴やメリット・デメリットや使いどころなどについて紹介したい。なお、以下のリストの製品名をクリックすると当該ページに飛ぶので、興味のある製品から読むこともできる。
製品の評価は、実際に検証環境を構築し、2016年8月時点での最新の安定バージョンを用いて実施している。各製品の評価にあまり期間が取れておれず、十分な評価が行えていない点もあることはご容赦をいただきたい。
| 製品名 | ベンダー/コミュニティ | 特徴 | |
|---|---|---|---|
| 1 | Flynn | Prime Directive Inc | 複数のサーバでコンテナベースのPaaS環境を構築可能な製品。基本はlxcベースだが、Dockerにも対応している。 |
| 2 | Shipyard | Shipyard Project | Docker Swarmクラスタ上で動作することを前提とした管理ツール |
| 3 | RancherOS | Rancher Labs | Docker専用の軽量OSであるRancherOS上でコンテナを起動するだけでPaaS基盤を構築できる |
| 4 | Apache Mesos | Apache Software Foundation | MesosでDocker環境のクラスタ構成を行い、その環境上でコンテナのクラスタ制御を行うMarathonとコンテナ実行を含むジョブ実行制御を行うスケジューラのchronosが動作する |
| 5 | OpenShift (origin) | OpenShift Origin | Red Hatが製品として提供しているOpenShift3のコミュニティー版。Kubernetesをベースとしてクラスタを構成する。複数のコンテナを組み合わせてサービス化したPodの単位で起動制御が可能 |
では早速、本論に入ろう。
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