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クリスマス彩るベルスター 演奏の秘密とルーツ

12月からの公演に向け練習をしているJALのベルスター=東京都大田区の羽田空港で2016年11月、米田堅持撮影

 空港のクリスマスをハンドベルの演奏で盛り上げる日本航空(JAL)の客室乗務員(CA)で構成されるベルスターが、来月1日の北海道函館市を皮切りに活動をスタートする。演奏や歴史について追ってみた。【米田堅持】

70個のベルを使い分け

 今年のベルスターは、入社1年目から5年目までのCA8人。演奏で使うのはミュージックベルと呼ばれるハンドベル35種類を2本ずつ70本とすず3個で、1人あたり2本から6種類を分担する。指揮者がいないため、最初に音を出すメンバーが曲のリズムを決める。このため、最初の音出しは緊張するという。

 8人ともピアノなどの音楽経験はあるが、ベルは持ち替える時間が必要なので、音の流れがピアノとは全く異なる。昨年に引き続きメンバーとなった赤波江聖歌さん(25)は「低音のベルは高音のベルより音が出るまでのタイムラグが大きい。昨年は高音担当だったので、低音は鳴りにくいという先輩の言葉を実感している」と話し、2年目でも苦労はあるようだ。

スタートは幼稚園のハンドベル

 ベルスターのルーツは、1995年に結成されたハンドベル隊だ。クリスマスに何かできないかとCAの有志で話し合う中で、幼稚園のハンドベルを借りて演奏することになり、羽田空港(東京都大田区)のカウンターとゲートで演奏した。翌年、ボーイング777が就航した時に羽田と鹿児島の両空港で演奏するなど、クリスマス以外のタイミングで演奏したこともある。その後、ハンドベルも正式に「就役」し、若手CAによるチームが毎年結成されるようになった。

 練習の合間にチーム内で綿密に打ち合わせるものの、本番演奏中は両手にハンドベルを持ち、声を出しての指示もできないため、目によるアイコンタクトや表情でお互いの状況を察して息を合わせている。その影響で、メンバーはこれまで以上に乗務中にも乗客や同僚の表情を察して行動するようになるという。

合言葉はエンジョイ・ベルスター

 今年のベルスターについて赤波江さんは「合言葉はエンジョイ・ベルスター。ベルスターの演奏を毎年のように聞きにくる人もいるので、同じ曲でもアレンジを変えるために楽譜も作り直した。来場してくれたお客さんに一緒に楽しんでいけるような演奏をしたい」と意気込みを語った。

 演奏はいずれも12月で1日はこだてクリスマスファンタジー(北海道函館市)▽2日函館空港(同)▽14~17日札幌市▽17日新千歳空港(北海道千歳市)▽21日福井市▽24、25日羽田空港を予定している。

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