滋賀の農作物獣害が大幅減 5年間で面積8割、金額6割
滋賀県内でイノシシやシカなどの農作物被害が大幅に減少している。県のまとめでは、被害面積は2010年度から5年間で約8割減、被害金額も約6割減となった。侵入防止柵の設置や集落への対策呼び掛けが奏功したとみられ、県は「油断せずに対策を続けたい」としている。
■防止柵やノウハウ伝授など効果
滋賀県は周囲を山に囲まれていることから、農林業は獣害に悩まされてきた。10年度は被害面積1057ヘクタール、被害金額は約4億3900万円だったが、対策を進めた結果、昨年度は被害面積240ヘクタール、被害金額も約1億7100万円に減った。被害金額の内訳ではイノシシによるものが半分近くで、ニホンジカとニホンザルの3種で約99%を占める。
この間の主な対策として、県などは11、12年度に国交付金を使い、田畑の周辺を囲む柵を総延長約840キロにわたって設置。その後も取り組みを続け、昨年度末までに延長は約2千キロに及んでいる。
被害防止のノウハウを広めるため獣害対策講座を開き、修了生を「集落リーダー」として認定。野生獣の餌となる野菜や果物を外に放置しないようリーダーから住民に伝えてもらうなど、集落全体での対策を促してきた。昨年度末時点で県内約1700集落のうち383集落がこの取り組みに参加しているという。
県農業経営課は「生息数は大きく減っていないので対策の効果が出ている。昨年度は536集落が被害を受けており、その全集落で対策を取ってもらえるようにしたい」としている。
【 2016年11月27日 19時51分 】