皆さん、ADHDという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
別名、注意欠如多動性障害と言い、多動性(じっとしていられない)、衝動性(突発的な行動をしてしまう)、不注意(集中力が持続しない)の症状がみられる発達障害のことです。
今回は、ご家族様にADHDの方がいらっしゃる方にオススメしたい時間管理法をご紹介します。
1.どんな症状なのか
【画像】http://matome.naver.jp/odai/2145801003126702001
多動性、衝動性、不注意の障害として、いくつか症状を下記に述べます。
・会議中に落ち着かずそわそわしてしまう
・周りに相談せずに独断で重要なことを決めてしまう
・思ったことをすぐに口にしてしまう
・衝動買いをしてしまう
・仕事等でケアレスミスをしてしまう
・忘れ物や無くしものが多い
・仕事の締切りを守れない
・時間を管理することが苦手
・仕事や作業の順位を決めることが困難
・片付けることが出来ない
・家事をしている時に、別のことに気を取られ家事を忘れてしまう
・金銭の管理が苦手
・人の話を集中して聞けない
・しゃべりだすと止まらない
・自分のことばかり喋ってしまう
一概に、こうした症状がある方すべてがADHDというわけではありませんが、ご自身含めご家族に当てはまる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。
そしてすでにご家族がADHDと診断され、どのよう対処して良いのか分からないという方もおられると思います。
ADHDは上記の症状のとおり、生活が困難なことも多いです。
しかしポジティブに捉える考え方も出来ます。
周りの方々が環境を整え、本人の良いところを伸ばしていける環境を作っていくことで、本人も周りの人も楽しく生活することが出来るのです。
2.ADHDの方の得意、不得意なこと
ADHDの方が得意なこと
【画像】http://healthil.jp/35435
・興味があることに対して、集中力が持続出来る
・行動力がある
・アイディアが豊かで自由な考え方が出来る
・独特の感性を持ち考えることが出来る
適正な職業をあげるとすれば、1つのことに没頭する専門職や行動力が必要な営業職や販売職などが向いています。
ADHDの方が不得意なこと
【画像】http://tic.byoukinavi.net/adhd/
・単純作業の繰り返し
・時間やルールに厳しい
・ミスが許されないこと
・一度に多くの作業をすること
書類の確認作業、校正作業、経理などは、苦手とされています。
3.時間管理のサポート
【画像】http://www.hr-rosemary-blog.com/?p=917
1〜2でADHDの方の特徴を述べましたが、 今回はADHDの方の悩みのひとつ「時間管理が出来ない」という点について詳しくお話しようと思います。
ADHDの方は1つのことに集中すると周りが見えなくなる特徴があり、気がついたら約束の時間が過ぎていたということがあります。
時間を守ることは社会生活で必要不可欠なことですが、ADHDの方にとっては大変苦手な行動の一つなのです。
この「時間管理」を周りからサポートすることが出来たら、本人の苦痛も少しは和らぐのではないかと思
います。
3-1.1つずつ片付けられるように整理する
まずADHDの方はいくつかの作業を頭の中で整理し、行動することを苦手としています。
いっぺんに作業をしようとしたのでは何も終わらず時間ばかり過ぎていき、約束の時間に間に合わないという事態になりかねません。
よって作業を小分けにし、1つずつ終わらせる形を取ることが効率的です。
また1つの作業に没頭するのは得意なため、無理なく作業を行い完了することが出来ます。
3-2.優先順位を書き出す
上記のとおり1つずつ依頼する時間が無い場合には、優先順位を紙に書いておくことが良いでしょう。
ADHDの方は、頭の中で順序を整理するのが困難のため、先にこちらで優先順位を決めておく必要があります。そうするとスムーズに作業に移ることが可能です。
時間を守らなければならない場合には、その書き出した予定の中に時間を確認する項目を設けるのも、ひとつの手段だと思います。
3-3.スケジュールを一緒に見直す
週の始めに、今週しなければいけないことをまとめて書き出します。
このスケジュールは本人が思っている以上に余裕をもたせてください。一緒に考えることが大切です。
そしてスケジュールを決めた後の管理としては、スマートフォンのカレンダーに記録しアラーム機能を併
せて使用すると、次の行動に移りやすくなります。
3-4.今日一日の行動を一緒に振り返る
3-3.で一週間のスケジュールをまとめましたが、余裕があれば一緒に一日を振り返り、やり忘れたことが無いかを確認してみてはいかがでしょうか。
毎日どんなことがあったのかということを話す時間も家族にとって必要な時間だと思います。
毎日のことになると苦痛になりそうだなと考えず、今日の出来事を振り返ってもらうという気持ちで話を聞いてあげて下さい。
3-5.環境づくり
集中すると周りが見えなくなってしまうとお話しましたが、時間に気をつける環境づくりが大事です。
そのために、視界に入るところに時計を設置して下さい。
時計も1時間単位で音が鳴るもの等を用いると、より効果的です。
また、何かに取り組むとき用のタイマーを使うのも良いでしょう。
この作業を何時までに終わらせると決めてもらい、その時間になったらタイマーを鳴らすなど、このような習慣をつけることにより、次の行動に移ることが容易になります。
まとめ
【画像】https://h-navi.jp/column/article/97
以上、ADHDの症状と、時間管理について述べさせていただきました。
ADHDの症状は、本人ではないと分からない部分も多く有り、周りの方々も戸惑うことも多くあるかと思います。
そして、よくご家族の方が誤解されている点として、適切な対応をすれば症状は無くなるということです。
このADHDにおいていろんな治療法がありますが、症状が軽減することはありましても完全に無くなることはありません。
一種の個性として捉えて、本人の良い点を伸ばしていくという考え方で接して下さい。
苦手なことでも工夫することで出来るようになります。
そのために、本人が努力することはもちろんですが周りの方々のサポートもとても大事になってきますので、根気強く、一緒に寄り添いながらADHDの症状と向き合って下さい。