肋骨の痛みとは?左右・真ん中に症状がおきるの?突然咳や背中に張りを感じたり、呼吸に異常を感じるなどの5つの原因のまとめ

肋骨の痛みって前胸部の痛みだけに気味が悪いですよね。肋間神経痛と言っても若い世代には縁がないように思っているかも知れませんが結構増えています。ポイントは神経痛と言われているせいで、大した疾患ではないと判断している人が多いことです。甘く見てはいけません。その裏側には大変な疾患が潜んでいることがあります。では、それって何なのか、そして肋骨の痛みの全体像に迫ってみることにいたします。

肋骨の痛みについて

身体を少しだけひねっただけでも肋骨に痛みを感じますし、クシャミをでも同じように痛みを感じることがあります。原因は何だろうかと考えているうちに、今度は動かしただけでもなるし、クシャミが咳に代わっても痛みを感じます。放っておいても治ることがありますが、この胸の痛みって何なのでしょうか?

肋骨は、割と簡単に折れることがあることを知っていましたか?転んで胸を打った時とか、クシャミを繰り返しているうちに折れることがあります。それから帯状疱疹といって、神経に沿って疱疹ができるのですが、特に、肋骨の周辺に出ることが多く痛みを伴います。

その他にも、胸の中央から少し外れたところに、押すと痛みが出る圧痛点があります。身体を動かしただけで出てきます。急な痛みに場合は炎症が起こっている可能性があります。また、首と胸の境界で外側に外れたところが痛みだすこともあります。この場合も炎症が起こっていると考えられます。

乳がんの手術後や、肺の病気で手術をした場合などにも痛みは出てきます。その後数カ月、長ければ数年続くこともあります。このように肋骨周辺には、多くの疾患に伴う痛みが出現します。
そこで、その痛みの原因、特徴、どう対処すればいいのか、どう予防することができるのか、そして、治療法について解説をいたします。

肋骨について

胸郭の構造

胸郭は、背骨が肋骨と胸骨と関節を作ることで形成されています。肋骨は、前側で胸骨、後ろ側で背骨と繋がり、肺や心臓などの身体にとって、大切な内臓を外側から守る働きをしています。
それだけでなく、私たちの生命維持活動の役割をしている自律神経にも関係しています。

胸郭の構造は、12個の背骨、左右24本の肋骨、胸骨の合計27個の骨から成っています。そしてその形は、前後には狭いですが横には広い上に柔軟性があり、肺、心臓などの内臓を保護し、呼吸運動の手助けをしています。また、姿勢のバランス取れるのも、この柔らかさがあるからです。

それから、胸郭は筋肉を媒介にして肩甲骨に繋がっています。胸郭の背中側では、肋骨の上の筋肉に肩甲骨が乗っているようになっています。その肩甲骨ですが、一方で上腕骨と肩関節を形成します。

肋骨の痛みの原因

末梢神経の異常

肋間神経痛は肋間神経に沿って痛みます。その肋間神経ですが、名前の通り肋骨の間を、背中(胸髄)から胸腹部に分布する末梢神経(胸髄神経)で、左右それぞれ12本、合計24本が走っています。首に近い方には7対あり、肋骨に沿って、そして肋骨に向かうように伸びています。

下部にもありまして、腹部のほうの5対は前下方に向かうように伸びて分布します。肋間神経痛では、肋骨に沿った部分から激しく痛みます。そして、その部位や腹直筋を押すと痛みを感じる圧痛点があることが分かります。

このような肋間神経痛ですが、帯状疱疹ウイルスやコサッキーウイルスが原因の感染症や、風邪でも起きることがあります。また、狭心症や胸膜炎などが原因の内臓疾患からも放散痛が起こることがあります。

肋間神経痛

肋間神経痛は肋間神経に沿って痛みます。その肋間神経ですが、名前の通り肋骨の間を、背中(胸髄)から胸腹部に分布する末梢神経(胸髄神経)で、左右それぞれ12本、合計24本が走っています。首に近い方には7対あり、肋骨に沿って、そして肋骨に向かうように伸びています。

下部にもありまして、腹部のほうの5対は前下方に向かうように伸びて分布します。肋間神経痛では、肋骨に沿った部分から激しく痛みます。そして、その部位や腹直筋を押すと痛みを感じる圧痛点があることが分かります。

帯状疱疹ウイルスやコサッキーウイルスが原因の感染症や、風邪でも起きることがあります。また、狭心症や胸膜炎などが原因の内臓疾患からも放散痛が起こることがあります。

衝撃による骨の異常・変形

肋骨の骨折は、胸部外傷の中でわりとポピュラーに見られます。原因は皆さんも心当たりがあるかも知れませんが、テーブルや椅子にぶつけるような軽い力から、それこそ交通事故や高いところから落ちるような大きな力までいろいろあります。例えば、ゴルフスイングで身体を捻った際の外力で骨折することもありますし、咳やクシャミのような日常的な何気ない動きでも骨折しますので注意が必要です。

外力が大きいと、骨折は1本では終わらずに複数の場合があり、それが胸郭内の内臓(肺、心臓、肝臓)の大血管を傷つけ、酷い場合は生命に関わることがあります。通常の骨の場合は整形外科での診察になりますが、このような内臓の場合は胸部外科での治療が必要になります。

衝撃を受けた部位にどのような症状がでるかというと、骨折した周辺に、圧痛や痛み、皮下出血、腫脹が見られます。さらに、骨折したところに軽い圧迫を加えると、骨が軋む音が聞こえる場合があります。それに、身体をそらしたり肩を動かしたりしただけで強い痛みを感じたりもします。

骨折もありますが、骨折に含まれている中に「ひび」があります。骨折でなくてよかったと安心してはいけません。「ひび」も立派な骨折なのです。したがって、治療に際しては骨折の治療と同じような治療を行います。

「ひび」の診断については、骨折に比べるとX線で見えにくいところがあります。「ひび」は骨折よりも治りにくいと思う人もいるらしいのですが、実際のところは、「ひび」はずれの激しい骨折や複雑に骨折している場合とは違った、外力のかかり方をしています。

したがって、骨折部位周辺の骨膜や筋肉への損傷はあまりないことから、骨への血流もしっかり確保されているので、「ひび」の入った部位には治ろうとする力は十分にあります。いずれにしても、繰り返しますが「ひび」も立派な骨折ですので、治療には万全の対策が必要となりなます。

呼吸器系の異常

胸痛が見られる疾患には、心臓、血管系の疾患。肺、胸膜の呼吸器系の疾患。神経、骨、筋肉などの疾患。そして消化器系や心因性の疾患などが挙げられます。痛みにもいろいろありますが、例えば、刺すような痛み、鈍い痛み、圧迫される痛み、締め付ける痛みなどがその代表です。

次に挙げるのは、どこの部位が痛いかということです。例えば、左胸部なのか、前胸部か、背部、首や肩への放散痛なのか、局所的なのか、ここにもいろいろあります。続いては時間的な問題で、瞬間的なのか、分単位なのか、時間単位なのか、あるいはそれ以上なのか、ここにでもいろいろ考えられます。

そして、どのようにしている時に痛むのか、例えば、動的なときか静的な時なのか、体の向きを変えた時なのか、食事の時か、呼吸をしている時か、なども挙げることができます。あとは、痛み以外の症状として、呼吸困難、発熱、冷や汗、吐き気、嘔吐なども、併せて診断の材料になります。

呼吸器関係での胸痛の現れかたとしては、次のような疾患が挙げられます。

ー気胸

肺の一部が破裂することで肺が縮んだ状態になり、突然胸の痛みを訴え、息苦しさと呼吸困難を伴いますが、時間の経過とともに胸の痛みも治まってきます。緊張性気胸では胸腔内圧力があがりショック状態になることもあります。

気胸は比較的頻度の高い疾患で、特に、若い痩せ型の男性に多いようです。また、肺気腫の疾患を持っている中高年にも見られます。

ー急性肺血栓塞栓症

足や骨盤内の静脈に血栓ができ、この血栓が肺に移動して肺塞栓症を起こします。詰まった血管の状況によっては血痰、咳、失神などを起こすことがあります。エコノミー症候群はこの疾患の1つです。

ー胸膜炎、膿胸

細菌感染から発症し、発熱、悪寒を伴う疾患です。

心筋の異常

心筋の異常で疑うのは狭心症と心筋梗塞です。心臓の冠状動脈が狭くなったり、詰まったりすることで発症します。当然、胸に痛みが生じるわけですが、肋間神経痛の痛みとは明らかに違いがあります。

狭心症の痛みは一過性でそんなに長い時間続くことはありませんが、心筋梗塞の痛みは長引きます。その胸の痛みですが、肋間神経痛とは痛みの機序が違うので、症状の出方にも特徴があります。

痛みの出どころは、胸の中央でみぞおちから喉の部分にかけてで、左肩から顎、歯がともに痛むことがあります。これが放散痛で心臓の心筋異常で起こる典型的な症状の1つです。また、痛みのレベルも違って、胸が締め付けられたような痛みを超えた感覚(絞扼感)が出てきます。

肋間神経痛の痛みは、ある時突然に出てきますが、狭心症の痛みは、動作や行動を起こしたときに起きます。これは、心筋が一時的に虚血状態になるために起こります。時間も長くても数分からせいぜい20分ぐらいで治まりますが、それ以上の場合には、心筋梗塞を疑います。

肋骨の痛みが出現するときの特徴

深呼吸をしたとき

心臓への血液の供給が運動時に足りなくなると、心臓が悲鳴を上げて狭心症や心筋梗塞になるのは心筋の異常のところで指摘しましたが、運動とは全く関係ないところで、深呼吸をした際に痛みが酷くなるのは心膜炎の可能性が考えられます。

そして、深呼吸をした時に痛みが出るのは他にもありまして、例えば胸膜炎が挙げられます。どんな病気かというと、胸膜腔に水が溜まる病気で、感染症や悪性腫瘍が原因なのですが、その他にも膠原病、肺梗塞、石綿肺、うっ血性の心不全なども原因になります。

症状の最初に胸痛が起こり、深呼吸や咳をすると、胸痛が強く出るところに特徴があります。

重いものを持ったとき、咳やくしゃみをしたとき

12対の肋骨と前胸部の胸骨、呼吸を助ける肋骨筋、肩・腕をスムーズに動かす筋肉、そして背筋が胸郭を構成しています。胸壁に外力が加わると骨折になる場合もありますが。もちろん、そうでない場合もあります。

そういう場合に、いつもだったらどうでもない、くしゃみや咳、荷物を持っただけで胸に強い痛みを感じることがあります。不思議に思われるかもしれませんが、初診の際に骨折の診断がつかない場合がありますが、1、2週間の日常生活をしているうちに骨折が出てくることがあります。

それに重いものを持ったり風邪を引いて咳が続いたりした場合ですが、骨がずれる転位が起こることがあります。それでも大きな転位がなければ、1週間の安静と胸郭の固定しつつ、部位への湿布や鎮痛剤を服用することで経過をみます。

多くの場合、痛みが取れるまでに1カ月はかかりますが、万が一辛いことがあれば、鎮痛剤の内服と、医師の診断を受けるようにします。

背中に張りを感じるとき

物を持ち上げる時に使われるのが背中の筋肉である背筋です。この背筋に負荷がかかり緊張する状態が長引くと、こわばって張りを感じる人が出てきます。時にはだるく感じることや鈍い痛みと感じることもあります。この背中の張りやコリを放っておくと、「ぎっくり腰」と同じような表現が使われている「ぎっくり背中」になることがあるそうです。

原因としては運動のし過ぎや、反対に運動不足で急に背筋を使った場合とか、重量のある荷物を持ち運んだ場合など、背筋の酷使で起こります。日常生活の中で筋肉は使わないと衰えていきますので、筋肉間のバランスが崩れて背筋に影響が出る場合もあります。

それから無理な姿勢を長い間取り続けている場合とか、背中を冷やすことやストレスで血行が悪くなり、筋肉が強張る場合もあります。また、外力を受けて肋骨にひび、骨折が起きている場合では、強張りよりは痛みを感じることが多いようです。

右か左どちらかが痛むとき

肋骨は12対24本あることはすでに記してありますが、肋間神経痛の場合は上から7番目までが痛くなった場合が肋間神経痛で、8番から12番までは7番目でとは神経の走っている方向がお腹の方なので、肋間神経痛とは言わないらしいです。

この肋間神経痛ですが、左右両方が一緒に痛くなることはなく、どちらか一方ということになります。したがって、両方が痛くなった場合はどちらかが別の原因で痛みを感じている可能性が考えられます。

押すと痛いとき

肋骨が骨折した場合、レントゲンで撮れば簡単に済むと思っているかも知れませんが、これまでも何回か指摘しましたが、そう簡単には行かないで結構わからないことがあるのです。それに、内科では骨折治療に使うバストバンドの用意などはしていませんので、やはり専門にしている整形外科を受診しまし。

胸郭部の診断で、実際に痛いところがはっきりと肋骨に一致すれば、その部分を押してみて痛みを感じるようであれば、骨折部分を押してみます。それで、ずれが見られれば明らかに骨折ということになり、診断が出来ることになります。

このような場合、レントゲンで骨折を確認することになりますが、胸部レントゲン画像で診断がつかないことが多々あります。骨にひびが入って骨のずれが見られない骨折を不全骨折と言って、レントゲンで確認できないことがあります。

肋骨の痛みで病院を受診するとき

整形外科を扱っている病院を受診

肋骨の痛みで、肋骨に沿って痛む典型的なものであれば、まずは肋間神経痛を疑います。したがってその場合は整形外科を受診します。当然のことですが、背骨の異常を診認しなければならず、胸椎のレントゲン、CT、MRI検査のいずれかの画像検査を行います。

痛みが肋骨に沿ってだけでなく、範囲が拡がっている場合には、その痛みがどこから来ているのかを詳診する必要があります。胸痛にはいろいろな原因があります。整形外科分野でないとしたら内科での受診が次の選択肢になります。

そこでは、肋間神経痛の痛みなのか、あるいは内臓の疾患による痛みなのか、診断を確定するために胸部のレントゲン、心電図、血液検査を行います。また、水疱が出ている場合では帯状疱疹ということで、皮膚科での受診になります。もちろん内科でもいいのですが、いずれにしても、神経痛に対しては鎮痛剤が処方され、経過を見ることになります。

肋骨の痛みに対する対処法・予防法

ストレス解消

ストレスって厄介なもので、私たちの心身の問題についてはどこにでも顔を出してきます。肋間神経痛にもストレスが関わっていることがあります。この場合では、長い間、精神的な苦痛や緊張によって起こります。

このようなストレスからの肋間神経痛の機序については、どのような精神状態の下で、あるいは身体の緊張度合いが肋間神経痛を引き起こすのかは分かっています。つまり、私たちが精神的、肉体的に緊張した場合ですが、多くの人たちは呼吸が浅くなります。

呼吸が浅いということは、リラックスした状態にはないことを示しており、自律神経で言えば交感神経が緊張した状態にあるということになります。このようなことを続けているうちに、呼吸そのものが肩呼吸に移り、そのことが肩と背中にかけることになります。

そうなると、肩や背中の筋肉は常に収縮した状態を維持することになります。それが痛みとなって肋間神経にも影響し痛みを現出するようになります。このような症状が出るのは生真面目で、何事に対しても気配りをしすぎる傾向の人に多いようです。

とにかくリラックスする習慣をつけることがポイントですので、ストレス解消する方法をいかに身に付けるかが大切になります。

よく寝る

リラックスの延長線上にあるのが睡眠です。睡眠が十分とれないでいると生活のリズムが狂って、いつも緊張した状態の中で呼吸をしていることになります。そうなれば、肩や背中の緊張状態も続くことになり、血行の悪さが肋間神経痛にも影響をもたらします。

安静と休息を得るには、とにかく、よく眠ることが一番です。それができるようになれば、生活のリズムが戻り、穏やかな気分で一日一日を送ることができるようになるので、必然的に肩や背中の痛みが治まり、それと時を同じくして肋間神経痛による胸の痛みも治まってきます。

からだを温める

私たちの身体は冷えることで痛みに対して敏感になるため、ちょっとした痛みであっても強く感じることがあります。したがって、寒い冬の日、夏の冷房の冷え過ぎは、痛みを増幅することになります。

ということは、痛みを抑えるには温めればいいことになります。そうすることで血管は拡がり神経に栄養が十分遅れるように血液の流れがよくなります。ストレッチをしたり、お風呂で身体を温めたりするのもいいでしょうし、痛む部位をカイロで温めることも効果があります。

免疫力を上げる

免疫は身体の冷えと関係があります。現に体温が1度下がると免疫力は30 %低下するとも言われています。調査から日本人女性の70%は自分が冷え性だと思っているそうですが、確かに筋肉量が少ない女性は冷え性になりやすいと見られます。もっとも、最近では男性に冷え症が多くなっているそうです。

その一因に運動不足やストレスが挙げられています。外気温の影響を受けて身体が冷えると、血流が悪くなるために肩こりなども出ますが免疫力も低下します。そこで免疫力を上げるためにはどうしたらいいのかを考えみました。

免疫力を上げるには体温が上げればいいわけですから、そこをポイントにして、

―朝食をしっかりと摂ります。
食べ物を咀嚼することでエネルギー代謝が上がり、それにつれて体温も上昇します。一番効果的なのが朝で、消化器系の働きも一番活動的になるので、朝食を摂取して腸の蠕動運動を覚まして体温を上げます。

―運動をします。
筋肉の代謝で熱が産出されますので、運動不足の人は筋肉を動かしてないことになり、身体は冷えて行きます。特に、下半身の運動は身体を温めますので積極的に取り組む必要があります。というのも筋肉は下半身に70%あることから、冷えを防ぐには下半身をうまく使うことが大事になります。

日常の生活の中で、例えば歩いている時には、出来るだけ身体を大きく使うようにします。腕を振るいながら歩くだけでも違います。スクワットもいいでしょう。意識を下半身に集中して筋肉を動かすことが出来れば、熱を産出して体温を上げることができます。

次に手洗いですが、帯状疱疹などの感染症対策として、励行することが大事になります。
まずは手指から汚れを落とします。これで、有害な病原体を除去できます。これは基本中の基本です。

手順としては、水洗いだけでは菌を除去することができないので、必ず石鹸で20秒程度の時間をかけて洗います。

1、 掌と掌を合わせて擦る。
2、 右手の掌で左手の甲を洗い、反対に左手での同じように右手の甲を洗う。
3、 指を組み合わせて両方の掌で擦る。
4、 爪の中もきれいにする。
5、 指先まで神経を配って洗う。
6、 手首も忘れずに洗う。

帯状疱疹は免疫力が落ち込んだ時に発症しますので、日頃から休息や睡眠、食事、ストレスに気を付けることが大切になります。

肋骨の痛みに対する治療

湿布を貼る

肋骨の痛みの治療については、肺、心臓、そして血管の疾患でなければ、原因は胸骨の骨折、ひびなどを対象にすることになります。レントゲンで骨折があるかどうか、はっきりしない場合もありますが、ほぼ間違いないと思ってもいいでしょう。

湿布薬というと、すぐに思い浮かべるのは打撲、腰痛、肩こり、筋肉痛などで、慢性的な痛みを感じる場合には、多くの人が何回となく使っているはずです。それほど身近な存在になっています。もっとも貼るだけでいいのですから、こんな楽なことはありません。

湿布薬は、貼った部位だけに効果があるのではなく、皮膚吸収によって全身に薬効が作用することになります。したがって、安易な使い方をすると副作用を起こすこともあります。ということで、湿布薬の種類を挙げ正しい使い方を考えてみましょう。

冷湿布―冷やすタイプの湿布で、打ち身、捻挫、肉離れなどで、外傷から熱っぽくなったり、痛みを伴いながら患部に炎症が突然起こったりしたときに用います・

温湿布―肩こり、腰痛など部位が冷たくなっている場合や、筋肉が強張っているなどの慢性的な症状の際に用います。

経皮消炎鎮痛薬―痛みがいつもより強い場合とかで、変形性関節症、肩関節周囲症、腱鞘炎、外傷後の腫れ症状や痛みなどに使います。肋骨の場合もこの薬を使うわけですが、1日に多くて2回ほど貼りかえれば効果が期待できます。

胸部を固定する

消炎鎮痛作用をもたらすのはもちろん薬もありますし、前章のように湿布薬を使う場合もあります。骨折がなく、あってもひび程度でしたらそれでいいのかも知れません。しかしながら、骨折があった場合にはそれだけでは済まないことになります。

骨折は明らかに外傷がなくても起きることがあります。特に骨粗しょう症の時がそうです。肋骨は骨が重なり合っているために、レントゲンで検査しても分からないことがあります。その後、経過を見るために、あらためて撮影した際に分かる場合があります。

いずれにしましても、骨折の診断がつかなくても、痛みが強い場合はバストバンドなど、マジックバンドが付いた固定具で骨を付けるために圧迫固定します。そして、骨が結合するのを待ちます。

いわゆる保存療法というものを行います。骨折の背景にフレイルチェスト(複数個所の骨折が連続している場合は呼吸が不安定になる)、緊急性気胸、大量血胸のような重症でない場合では、保存療法を選択します。通常ではバストバンドの外固定を4週間ほど行います。

この治療を4~6週間続ければほぼ回復しますが、多発骨折の場合は、当然回復は遅れることになります。それから、多発骨折はすぐ下にある肺の損傷に繋がることも考えられますので、注意を要します。

手術 

胸部の外傷は鋭性胸部外傷(刃物に代表される鋭いものでの外傷)と、鈍性(打撲のように鈍いものからの外傷)の2種類に分けられています。また、胸の穴があいているかの如何によって、非穿通と穿通性に分けられています。

鋭性胸部外傷はどちらかというと破壊力が弱く、軽症の場合が多くなっています。一方の鈍性の方はおおよそ10%に気胸(胸に空気が溜まる)・血胸(胸に血が溜まる)・血気胸(胸の中に空気、血液の両方が溜まる)が発症し、それだけでなく肋骨の骨折が併せて見られます。

その他にも、肺損傷や気管支損傷も胸部外傷に含まれます。そして、これらの疾患は胸部X線撮影やCT検査で診断が可能です。

胸部外傷の多くは、2~4本程度の骨折があり、部位については第4~9肋骨に多発しているようです。通常は肋骨が3本以上折れた場合には合併症も増える方向にあります。症状的には骨折部位の痛みに呼吸困難が随伴します。2本以上の骨折が複数個所になりますと、その部分が凹んで見えるようになります。

治療は骨折だけの場合は、鎮痛剤の処方と安静、胸帯での保存療法で回復します。ただし、気胸や呼吸不全のような症状がある場合には、個々の治療を進めることが大事になります。外力によって、肺が傷つきそこから空気が漏れ、胸の中に溜まり肺がつぶれたような状態が外傷性気胸、血液が溜まれば血胸、両方が溜まれば血気胸ということになります。

治療は胸腔ドレーンという管を挿し入れて空気や血液を排出します。しかし、空気や血液の量が多い場合は、手術を選択することになります。また、外力によって、肺気胸や肺挫傷や肺裂傷になることもあります。肺挫傷は呼吸状態がよければ自然に回復しますが、肺裂傷の場合は、気胸、血胸、血気胸と同じような治療が必要になります。

針治療

鍼灸治療のポイントは、まずはこの鍼灸治療が患者さんに合うかどうかを確かめてから施術を行うことになります。そして、鍼治療は安全が第1、第2には効果が挙げられます。

肋間神経痛になると、いわゆる痛みの部位の筋肉が緊張してきます。そうなれば当然筋肉組織の中の血管や神経は圧迫されます。鍼治療はその筋肉の緊張状態を解き解すわけで、血管、神経の圧迫状態が改善されるわけです。

このような局所治療が直接的治療とすると、間接的な治療は、痛みによる全身の興奮状態を、自律神経の調整を通じて身体のリラックス状況を出現させることになります。全身のツボに鍼灸を施すことで治癒能力を引き出します。

因みに肋間神経痛のツボとしては、百会(ひゃくえ)、手三里、合谷(ごうこく)、膈兪(かくゆ)、肝兪(かんゆ)、太衝(たいしょう)などが挙げられています

低周波治療

低周波治療は微弱(低周波)な電流を人体に通すことで筋肉に刺激を与えます。そして、興奮した神経を鎮めるために患部をマッサージして、コリからの痛みを自然に回復する効果がある物理療法です。

機器本体を操作して、低周波電流が身体に貼りつけた、プラスの導子からマイナスの導子へ流れると、プラス、マイナスの導子周囲の筋肉が刺激され、痛みがやわらぐようになっています。そのプラス、マイナスを切り替えることを繰り返しますので、ほぼ平均化した刺激を受けることになります。

実際に、身体に電流が流れますと、それによって筋肉が収縮を繰り返すようになります。その状態が筋肉をマッサージしている状態と同じで、血行を改善するだけでなく新陳代謝を促し、コリ、疲れ、痛みを和らげる効果が出てきます。

因みに周波数は、3~8ヘルツは(たたき)、40ヘルツは(押し)、50ヘルツは(もみ)、83.3ヘルツは(連打)となっており、これらを組み合わせることで、筋肉のコリ、痛みの緩和・消失に効果を上げるわけです。

まとめ

肋骨は、普段はそんなに気にすることはありませんが、胸腔内部の心臓や肺を外力から守っています。その意味では大変重要な組織ということになります。その肋骨の最大の敵が骨折です。咳やクシャミをするぐらいでもひびが入ったり骨折したりもします。それだけデリケートな面もあります。

そして、その肋骨の痛みの代表が肋間神経痛です。その他にも帯状疱疹があります。もちろん、内臓の病気、心臓や肺の疾患でも前胸部、場合によっては後背部に痛みが出ます。その場合の痛みは明らかに神経痛とは違うので注意を要します。

いずれにしましても、前胸部に痛みを感じたら、まずは、内科、そして整形外科で診察を受けるようにしましょう。

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