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中道・右派はフィヨン元首相 予備選

右派の伸長が取りざたされる欧州選挙
フィヨン元首相=AP

 【パリ賀有勇】来年4~5月のフランス大統領選(2回投票制)候補者を選出する最大野党・共和党など中道・右派の予備選決選投票が27日に行われ、保守層の支持を着実に固めたフィヨン元首相(62)がジュペ元首相(71)に圧勝した。仏政局では、欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票の実施を掲げる極右政党・国民戦線のルペン党首(48)が、英国のEU離脱決定や移民への警戒感の高まりなどを追い風に勢い付いており、大統領選決選投票は、フィヨン氏とルペン氏が進む「右派VS極右」対決となる公算が大きくなった。

     選挙管理委員会によると、98%の投票所で開票が終わった時点で、フィヨン氏の得票率は約66.5%で、約33.5%のジュペ氏に大差を付けた。

     フィヨン氏は、公務員の50万人削減や法人税の減税などの構造改革と経済政策を前面に押し出して支持を広げた。また、移民政策の厳格化やイスラム教徒の女性用水着「ブルキニ」の規制、同性婚カップルの養子縁組の制限などを訴えて保守色を鮮明にし、寛容な移民政策などを掲げた中道寄りのジュペ氏を退けた。第1回投票で2割を得票しながら敗退した、より保守色の強いサルコジ前大統領(61)の支持も受けたことで得票を伸ばした。

     フィヨン氏は27日夜、「フランスはこれ以上低迷することには耐えられず、行動を起こす人物を必要としている」と、大統領選に向けた決意を述べた。

     予備選は2ユーロ(約240円)を支払うなどすれば、左派の有権者も投票可能で、投票者の約15%は左派の有権者だったとみられている。中道寄りのジュペ氏は左派の支持を取り込んだとみられるが、フィヨン氏には及ばなかった。

     支持率の低迷が続く左派与党・社会党のオランド大統領(62)は中道・右派の予備選の結果を踏まえ近く出馬を判断するとみられるが、左派には勢いはない。

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