前立腺炎の治療は!?ストレスも原因なの?5つの治療法や検査法など解説!!

前立腺炎の治療について、調べてみましたが、原因が分からず、ストレスなどから来るものも多い一方で、感染症や、前立腺が別の病気になっているケースもあることがわかりました。この記事では、前立腺炎の治療について解説させていただくとともに、考えられる原因や治療法、生活上の注意点などを細かく記載させていただきます。

前立腺炎を治療する

前立腺炎は、男性特有の臓器である前立腺が炎症を起こしたことにより様々な症状を起こす病気の総称で、それが引き起こされる原因や症状の合わられ方により、細かく分類をされています。しかしその原因がはっきりとするケースはまれで、ほとんどは原因がわからないケースにあてはまるとされています。

命に関わる症状に発展はしないとされますが、原因がはっきりしない場合、その治療は長期にわたる場合も多いとされます。この記事では、そんな前立腺炎について、ケースごとの治療法や症状、治療法、予防法などを紹介させていただきたいと思います。

前立腺が炎症する病気!がんとの違いは?前立腺炎について

前立腺炎の特徴について見て行きましょう。前立腺は男性に特有の臓器です。そこに炎症がおきる病気ですが、原因がはっきりしない場合が多く、治療法も確立していないとされています。

前立腺炎とは

前立腺(ぜんりつせん)は膀胱(ぼうこう)のすぐ下にある組織で、前立腺の中には尿道(にょうどう)が通っていて、精液に含まれる前立腺からの分泌液は、精子の栄養になっています。前立腺は若年層ではクルミほどの大きさですが、年齢とともに大きくなっていくと言われています。

前立腺によくみられる病気は、前立腺炎(ぜんりつせんえん)以外では、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)、前立腺がん、などがあると指摘されています。

前立腺炎は、前立腺が炎症を起こして前立腺に痛みと腫(は)れが生じる病気ですが、原因がはっきりしない場合もあるとされています。細菌性の感染が尿路や血流から前立腺に広がることで、前立腺が炎症を起こす場合があると言います。

細菌が前立腺に感染しておきる細菌性前立腺炎と、細菌感染がない非細菌性前立腺炎があるとされ、非細菌性前立腺炎の方が多く見られるようです。慢性的に炎症が起こり熱はなく症状も比較的軽いことが多いことから、気付かないこともあると言います。

原因

前立腺炎には慢性と急性があり、慢性前立腺炎は、慢性的な排尿痛や陰部の不快感が主な症状で、細菌感染によるものもありますが、原因のはっきりしない場合もあるようです。また、急性前立腺炎は、高熱や排尿時痛、頻尿(ひんにょう)、排尿困難などの症状があらわれるとされます。

慢性前立腺炎では、長時間のデスクワーク、長時間の乗り物での移動、長時間の自動車運転、自転車・バイク(特にスポーツタイプ)など、前立腺の機械的刺激が原因になることもあるようです。疲労、ストレス、飲酒、冷えなどによる抵抗力低下も要因になることがあると指摘されています。

急性前立腺炎では、原因がはっきりしない場合が多いようです。性交が原因となる性感染症では、クラミジア性尿道炎、トリコモナス感染症などに合併して前立腺炎があわられる場合があるとされています。

治療にかかる費用

治療に関わる費用については、症状などによりケースごとに異なる場合が多く一概に言えませんが、急性前立腺炎の場合で、在院日数(入院期間)6日で72,000円(3割負担)程度をされる例が紹介されています。

さらに慢性前立腺炎-膀胱頚部硬化症(ぼうこけいぶこうかしょう)として健康保険で手術が認められないケースがあり手術費用18万円であるといったケースなども紹介されています。

前立腺がんとの違い

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失って無秩序に自己増殖することにより発生しますが、正常細胞がなぜがん化するのかについて、まだ十分に原因は解明されていないとされています。前立腺炎は前立腺が炎症する状態で、腫瘍(しゅよう)が出来るわけではありません。

しかし前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)は、前立腺自体から分泌される物質で、健康な人でも多少血液中にみられ、急性細菌性前立腺炎など前立腺に炎症がみられる場合には、がんでなくても高値を示す場合があると言われます。

PSA値が高い場合には、さらに詳しく前立腺がんの可能性を調べるために、直腸内触診、超音波(エコー)検査、前立腺MRI検査などを受けるようにすすめられるようです。

腫瘍マーカーとは、がん(腫瘍)がつくり出す特殊な物質のうち、体液中(主として血液中)で測定できるもので、がん(腫瘍)の発生を疑うきっかけとしての検査や、がんの治療の効果を測定する目的にも利用されると言います。

ほとんどが原因不明の慢性症状!前立腺炎の分類

前立腺炎は、いくつかに分類されていて、前立腺炎のためのNIH(National Institutes of Health)分類というものがあるようです。ここでは、その分類からとされる各分類の内容と特徴などを説明します。

急性前立腺炎

急性の前立腺炎は、慢性前立腺炎とは、症状や経過が大きく異なると言われています。急性前立腺炎の症状は、急に発症する高度な発熱、頻尿(ひんにょう)や排尿時痛、排尿困難などの排尿症状など、比較的強い症状があらわれるとされます。風邪のような全身症状があわられることもあると言います。

検査は、尿検査で白血球が高値に検出され、細菌があれば原因菌が確定します。また、直腸診(ちょくちょうしん)をすると、ぶよぶよした前立腺に触れ、圧痛を伴い、さらに熱感があると言われてます。治療は感受性のある抗菌剤で前立腺に移行のよいものを使用すると言います。

具体的にはニューキノロン、ミノマイマイシン、ペニシリン、ファロム、オラセフやケフレックスなどを利用するとされます。2~3週間の治療が必要で、前立腺マッサージ後の尿で完治を確認する必要があるようです。

前立腺マッサージとは、前立腺をマッサージして前立腺液を尿道に押し出して、前立腺液の混ざった尿を調べることで、これで白血球や細菌が高値に確認されると前立腺炎が疑われるようです。

慢性細菌性前立腺炎

細菌感染による前立腺の炎症が緩徐(かんじょ)に進行し、症状も慢性型としてあらわれ、様々な自覚症状がみられるといいます。炎症を生じている前立腺が膀胱(ぼうこう)と隣接しているため、膀胱刺激症状として、膀胱炎と同様の症状があわられるとされます。

具体的には、終末時排尿痛、頻尿(ひんにょう)、残尿感、などです。また前立腺炎の関連痛としての陰嚢内容(いんのうないよう)、鼠径部(そけいぶ)、下腹部、尿道、ペニスなどの痛み、あるいはそれらの不快感が生じることもあるようです。また性欲低下を訴えことも少なくなくないと言われ、その他多彩な症状を呈する指摘されています。

診断は前立腺マッサージ後の尿に白血球および細菌があらわれた場合に前立腺炎と確認できます。治療はフルオロキノロン系のような抗生物質を経口で最低6週間投与するとされます。治療の判断材料は培養結果であるが、培養結果があいまいであるか、あるいは陰性の場合の経験的抗生物質療法は成功率が低いと言います。

他の治療法は、抗炎症薬、筋弛緩剤(きんしかんざい:シクロベンザプリン)、α-アドレナリン遮断薬および温座浴のような対症療法が選択されることもあるあるようです。

慢性非細菌性前立腺炎

慢性の前立腺炎の90%以上はこのタイプであると言います。さらに、慢性細菌性前立腺炎には通常の検査では発見できない細菌やクラミジアなどの菌を原因菌とする炎症性のものと、炎症所見のない非炎症性のものがあるといいます。

その他の原因としては前立腺の結石や、尿の逆流、前立腺液の浸潤(しんじゅん)、骨盤内のうっ血なども原因ではないかと考えられていますが、未だはっきりと判明してはいません。心理的な要因も原因の一つではないかと考えされていると言われます。

前立腺痛

前項の慢性非細菌性前立腺炎と前立腺痛では、尿検査での白血球所見があるかないかで区別されるようですが、症状などを1つの病態としてとらえることもあるようです。

これらは一般的な病気であるものの原因、病状も多彩であることが特徴で、また予後もいろいろな経過をたどるのが特徴であると言います。数回の内服で治癒(ちゆ)する場合もあり、症状の消えない場合もあります。

明確な原因は不明であり、感染症が原因であるとせずに、排尿障害などの物理的刺激が原因との主張があるようです。この病気はまた前立腺症 、陰部神経症 、骨盤内静脈うっ滞症候群 、慢性骨盤疼痛(つうつう)症候群 など呼ばれることもあると指摘されています。

排尿障害や腰痛・足裏の痛みなど様々!症状

前立腺炎の症状は、排尿困難などの下腹部の症状から、腰痛・背部痛、射精時・射精後の痛み、足の裏の痛みなど様々な症状があらわれると言います。

発熱

急性前立腺炎では発熱と風邪のような全身の症状があらわれるといい、風邪と間違われることもよくあるとされます。

頻尿

急性前立腺炎では、頻尿(ひんよう)、排尿痛、残尿感、下腹部不快感などもあるとされます。慢性前立腺炎でも頻尿や残尿感、尿切れが悪く排尿後に下着が汚れる、尿が漏れてないが漏れているような感じがする、などの症状があらわれると言います。

血尿

急性前立腺炎では尿が濁ると同時に血尿が見られる場合があるとされます。さらに慢性前立腺炎でも、血尿が肉眼で確認できるレベルであらわれたり、また検査所見として確認できることもあると言います。

射精後疼痛

慢性前立腺炎では、射精時の痛み、射精後の痛みを感じることもあると言います。ちなみに治療中の性行為は、性感染症からの細菌感染(クラミジアなど)がなく、また細菌が無くなっていることが検査で確認できれば問題は無く、またマスターベーションによる射精も問題ないとされています。

腰痛・背部痛

慢性非細菌性前立腺炎、前立腺痛の症状として、腰痛・背部痛があわられることがあるようです。慢性前立腺炎では、これらの症状が特に下半身に漫然とあらわれることで、検査をされないで、心因性・精神的疾患であると診断されてしまうこともあると言います。

足裏不快感

慢性非細菌性前立腺炎、前立腺痛の症状として、足裏の不快感、しびれや痛みなどがあらわれるとされます。前立腺炎では、脚の付け根(鼠径部:そけいぶ)の痛みや違和感があると言われますが、足裏の症状についても指摘があります。

前立腺がんなど他の病気と鑑別診断が必要!検査方法

前立腺炎の検査では、尿検査などで白血球の増加や、原因となる細菌を見つけること以外には、前立腺肥大症、前立腺がんなどとの鑑別も必要になるようです。

検尿

前立腺炎では、検尿で白血球(膿(うみ)と表現されることもあります)や細菌が確認することがあるとされます。前立腺マッサージ後の前立腺液中にも白血球を認めることがあるようです。

一方で、最近慢性前立腺炎の患者グループと健常者グループにおいて前立腺マッサージ後の検尿を比較したところ、前立腺炎患者と健常者の白血球数が変わらないとの報告が米国であったようで、前立腺液中の白血球証明で前立腺炎の診断ができるかどうかが論点になっているとの指摘があります。

直腸診

直腸診(ちょくちょうしん)は、お尻(こうもん)から指を入れて前立腺を診察して、前立腺が痛い(圧痛:あっつう)と感じるようであれば、正常であれば痛みを感じないため、前立腺炎であると診断されると言います。また、前立腺が大きくなっている、熱感を感じる場合もあるようです。

前立腺炎に合併して前立腺腫瘍が合わられた場合は、ときには、痛みが出ず肥大だけを感じる場合や正常のこともあると言います。

超音波検査

超音波検査(エコー)では、前立腺が腫(は)れている様子がわかるとされています。なお前立腺がんが疑われる症例では、経直腸的(けいちょくちょうてき)超音波検査という肛門から超音波の機械を入れて直腸を通して前立腺の状態を調べる方法がとられると言います。

正常な前立腺は左右対称であり、前立腺内の各領域の境界が判別できますが、がんになるとその多くは正常部位と異なる超音波画像がみられて、左右不対称や各領域が不鮮明となるとされ、さらにがんが進行した場合には、前立腺と周囲組織との境界が不鮮明となって、周囲へがんが広がっている可能性が疑われると言います。

検査の注意事項

前立腺炎の検査では、最近はクラミジア(性感染)による前立腺炎も見つかっているため、原因に性行為が関連していると考えられる場合は尿のクラミジア検査を追加すると言います。

前立腺に痛みがあっても尿検査で異常がないこともあるようですが、慢性前立腺炎(慢性骨盤内疼痛症候群:まんせいこつばんないとうつうしょうこうぐん)として治療を開始するといった点が指摘されています。

薬物療法から手術、鍼灸治療まで!治療方法

前立腺炎の治療では、原因となる感染症がわかればそれに対して治療が行われますが、ほとんどが対症療法になるとされています。症状がひどい場合には手術が選択されることもあるようですが、100%症状が軽快するという訳ではないようです。

治療期間の目安

慢性前立腺炎の場合は、通常2~4週間程度で症状は軽快すると言われます。一方で症状が完全に取れなくて長期間(数ヶ月単位)の治療が必要になることもあるようです。治癒・再燃を繰り返すこともあり、日頃から日常生活について注意することが必要であると指摘されています。

急性細菌性前立腺炎の治療では、前立腺組織にまで浸透する経口用の抗生物質を30日間服用するようです。抗生物質の服用期間が短いと、感染が慢性化することがああるとも言われています。慢性細菌性前立腺炎の治療は困難で、前立腺の組織にまで浸透する抗生物質を少なくとも6週間以上投与する必要があるのだと言います。

薬物治療

何らかの菌の感染が疑われない場合、すなわち培養(ばいよう)で感染が確認できない場合の前立腺炎の治療は難しいと言われていて、この種の前立腺炎の治療の大半は症状を緩和するにとどまり、前立腺炎自体の治癒には至らないことが多いと言われます。このような対症療法は、慢性細菌性前立腺炎にも試されますが、どの程度効果的かは明らかでないと言います。

薬による治療では、便軟化剤(べんなんかざい)が便秘による排便時の痛みを和らげ、鎮痛薬(痛み止め)や抗炎症薬は、原因を問わずに、痛みと腫(は)れを軽減します。アルファ遮断薬(ドキサゾシン、テラゾシン、タムスロシン、アルフゾシンなど)は、前立腺の筋肉の緊張を和らげて症状を緩和するのに役立つとされます。

作用する理由は明らかではありませんが、抗生物質を使用すると非細菌性前立腺炎の症状が軽くなることもあると言われています。細菌が原因になっている場合は、細菌に対して有効な抗生剤を利用して治療されます。

手術

前立腺炎では、最後の手段として、前立腺の部分切除などの手術を検討されるといい、マイクロ波やレーザーで前立腺を破壊する治療法もあるようです。手術方法として、経尿道的前立腺切除術(けいにょうどうてきぜんりつせんせつじょじゅつ)と呼ばれる手術が行われることもあると紹介する医療機関があります。

この手術は、前立腺肥大症の標準的手法とされていると言われているようです。具体的には、前立腺肥大症では、ループ状の電気メスを装着した内視鏡を尿道内に挿入し、患部をテレビモニターで見ながら、肥大した前立腺組織(腺腫:せんしゅ)を尿道粘膜とともに切り取る手術方法とされます。術後数日間は尿道カテーテル(尿道用の細い管)を入れておきます。

また、術後の感染予防のため精管結紮(せいかんけさつ:精管を切断し術後の精管からの感染を予防する方法)を行うこともあると言います。経尿道的前立腺切除術は自費手術で85万円(税込)(術後検査料、ホテル代、食事代、送迎用ハイヤー代を含む、その他費用:術前検査料63,000円)と概算費用を紹介している病院があります。

自然治癒

慢性非細菌性前立腺炎では、普通症状があらわれたり治まったりを繰り返す特徴があるとされ、治療しなくても自然に完治する場合もあるようです。症状があらわれる期間と無い期間が交互に出現するのが一般的であるものの、症状が出たまま治らなくなったり、無症状でずっと経過したりして、うつ病の症状のあらわれ方に似ているとの主張があります。

この病気は治療を受けても症状が持続することがあるため、いわゆるドクターショッピングに陥り易い病気ですが、ドクターによる治療方法の違いはあまりないとされて、話を聞いてもらえる主治医に巡り会えたらそれ以上ドクターを変える必要はないと思えるとの指摘もあります。

さらに治療が長期化する傾向があるため、ある程度症状が落ち着いていれば症状と付き合っていくことも必要との意見があります。

ツボ・マッサージ

このように前立腺炎は原因がわからない場合も多く、治療は対症療法的になると言われますが、整体院・治療院などで、鍼灸やマッサージなどで治療されるケースもあるようです。東洋医学的に診察すると、恥骨(ちこつ)上部の腫脹(しゅちょう)や緊張、腹筋の張り、下肢(かし)の冷えや浮腫み(むくみ)、緊張があることで起こると考えられることが多いと言います。

3ヶ月〜半年ぐらいの期間、鍼灸の治療を継続すると、個人差があるものの、確実に楽になるとの主張があります。

精神安定剤を処方されることも!効果のある薬

前立腺炎に効果のあるとされる薬を下記紹介しますが、あくまでも対症療法的(感染症対策をのぞく)であるために、医師の診断のもと、効き目が無い、副作用が強いなどの症状を感じたら薬を変えるなどして、息の長い治療が求められるようです。

クラミジア

性器クラミジア感染症はクラミジアトラコマティスという病原体により感染し、感染者との粘膜同士の接触や、精液、腟分泌液(ちつぶんぴえき)を介して感染するといい、オーラルセックスでは、咽頭(のど)へも感染すると言われます。

尿道から膿(うみ)が出ることもありますが、さらさらしたものから粘りのあるものまで有り、量は少なく、感染しても症状が出ないことが多く、気が付かずに治療されないと、 前立腺炎や血精液症になることがあると指摘されます。

クラミジアにはジスロマックという薬が効くとされ、2000mgの超大量を1回だけ飲めば約90%の感染が治るとされており、海外では非常に多く使われて、日本でも使われるようになったとされます。ジスロマックは胎児に影響しないとされているので、妊婦にも使用が許可されています。

この薬は腸から血液に入ると白血球に取り込まれた形で1〜2週間体内を循環して,クラミジア感染細胞ちかくで放散されるので、できるだけ大量の薬を1度に体内に入れて効果が発揮されるようです。

セルニルトン

前立腺炎の治療には、植物製剤(セルニルトン)が使われることもあるようです。セルニチンポーレンエキス(セルニルトン)は配合成分が植物由来であることから、現存する漢方成分の排尿障害改善薬に類似しています。そして作用機序が抗コリン作用に由来しないことから、前立腺の肥大している可能性のある高齢男性でも使用可能であると言われます。

セルニルトンは通常、慢性前立腺炎、初期前立腺肥大症による排尿困難、頻尿(ひんにょう)、残尿および残尿感、排尿痛、尿線細小、会陰部不快感(えいんぶふかいかん)の治療に用いらるとされています。

重大な副作用が特になく、禁忌(きんき:しようできない場合)や慎重投与の対象もないので、安全性の高い医薬品であると言われています。

精神安定剤

前立腺炎の治療には、精神安定剤が使われることもあるようです。前立腺炎では原因がはっきりしないことも多いため、特効薬が無いとされ、半年くらいで症状が軽くなることも、逆に再発を繰り返すこともあると言います。幸い命に関わる病気ではないため、長期間かけて自分に合う薬を見つけていくことが可能です。

泌尿器科では症状や神経学的所見のほか、環境の影響、心理的要因、男性更年期などがないか詳しく聞きながら薬が選択されると言われ、抗菌薬、尿道や膀胱(ぼうこう)の筋肉を和らげる薬、筋弛緩(しかん)薬、精神安定剤などがあると指摘されています。

薬を変えていくうちに症状が軽くなることもありますし、治療なしでも良くなる場合もあり、また、うつ病など精神的な病気の一部として症状が出る場合もあって、その際にはカウンセリングのため精神科を受診することが勧められるようです。

漢方

前立腺炎の治療に漢方薬が選択される場合もあるようです。血液の流れをよくして炎症を抑える牡丹皮(ぼたんぴ)を中心にして、桔梗(ききょう)、枇杷葉(びわよう)を加え、さらに硬くなった組織を柔らかくする生薬を加えた丸剤(がんざい)で治療すると言う主張があります。

この病気は漢方がよく効く病気の1つとされ、症状がひどい人には会陰(えいん)に鍼(はり)を打つことがあり、よく効きものの場所が場所だけに抵抗がある人もいるとされます。

また、膀胱炎、排尿痛、血尿、残尿感にはツムラ猪苓湯(ちょれいとう:ツムラ40)が、前立腺肥大症・頻尿(ひんにょう)には、ツムラ八味地黄丸(はちみぢおうがん:ツムラ7)、ウチダ八味丸(はちみがん)Mが、神経因性膀胱(排尿痛 残尿感)にはツムラ清心蓮子飲(せいしんれんしいん:ツムラ111)が効くとされています。

ハルナール

ハルナールは、前立腺肥大症に伴う頻尿障害に対して効果があるとされる薬です。前立腺炎でも処方さえることがあるようです。その他、ユリーフ、フリバスといった薬も、α遮断薬に分類される前立腺肥大治療薬です。

薬局などで販売されている市販薬でも、前立腺肥大に効くなどの効能を謳った薬はありますが、ハルナールなどは、併用注意の薬もありますので、やはり医師に処方してもらった薬を使うほうがよいでしょう。

ストレスを取り除く!前立腺炎の予防法

前立腺炎は、感染症由来など原因が特定されたもの以外では、ストレスや外的な要因で起こることが多いとされますので、そのような要因を取り除くように生活することが求められます。

長時間の座位を避ける

長時間座位が関係していると考えられる無菌性慢性前立腺炎に対して、漢方薬を処方して改善した例が紹介されていますが、休みの日、座位をとらないで、リラックスしていると症状は軽減・消失するとされる例であると解説されています。

この病気は、1日中コンピューターの画面の相手をしている仕事が増え、車の運転など長期間の座位をとらなければならない仕事についている20~40代の働き盛りの男性に増加していると主張されていますので、同じ姿勢を長く続けるような仕事の人は注意が必要でしょう。

長時間のデスクワークでは1~2時間毎に席を立つ、長時間のドライバーは車から降りて体を伸ばす、自転車、バイクは最もリスクが高いので避けたほうが良いとされます。

疲れ・ストレスの解消

疲れやストレスは貯めないようにしなければなりません。慢性前立腺炎には、長時間のデスクワークや自動車の運転など骨盤内の血流のうっ滞に加えて、精神的ストレスが大きく関係していると考えされています。動物実験でもラットにストレスを与えると慢性前立腺炎を発症することが報告されていると言います。

慢性前立腺炎だけでなく、EDの原因として生活習慣が関連した血管の老化(血管内皮の障害)があげられていますが、心因性EDも深刻な男のストレスが要因と考えられてるとの指摘が同時になされています。

お酒を控える

慢性前立腺炎の治療中は飲酒を控えて、さらに症状がある場合には禁酒が必要であるとも指摘されています。

下半身を冷やさない

また、下半身を冷やさないようにするように気を付けることも重要で、風呂で温まるなどして症状が改善されるとの指摘もあります。

感染症に注意

性感染症には注意が必要とされます。性交渉後に気になる症状が出た場合は、速やかに泌尿器科の受診が必要であると言われます。

慢性化した症状でもまずは泌尿器科で診断を受けましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。前立腺炎では、治療法が確立していないために、なかなか治らずに苦労されている方が多い現状がよくわかりましたが、まずは検査をしないと、感染症の場合は、感染源になる恐れもありますし、他の病気の恐れもあります。

慢性化した痛みや軽い痛みでも、病名などを自己判断で決めつけずに、まず泌尿器科で検査をして、他の病気や原因となる感染症にかかっていないかを確認することが必要です。その上で、慢性と診断された場合は気長に治療を行うことが求められるのが、前立腺炎という病気であることがよくわかりました。

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