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南極の氷、100年前とほぼ同じ大きさ スコット隊日誌で判明

2016/11/28 9:57
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 【ロンドン=共同】英レディング大の研究チームは28日までに、南極大陸を取り巻く海氷の大きさについて、約100年前と現在でほとんど変わっていないことがロバート・スコットやアーネスト・シャクルトンら当時の南極探検隊の日誌から分かったと発表した。

南極で、解けだした氷の上に立つペンギン(2010年)=ロイター

 南極の海氷は地球温暖化の影響で融解し、海面上昇などを招くのではないかと懸念されている。研究チームによると、20世紀には増加した時期と減少した時期があり、一方的に減少を続けているのではないことが分かったという。

 欧州地球科学連合の機関誌に発表された研究結果によると、スコット隊やシャクルトン隊のものを含む、1897~1917年の間に航海した9つの船の探検日誌を分析した。

 記録にある氷の端の位置を基に分析した当時の海氷の大きさは530万~740万平方キロ。衛星観測から現在は約600万平方キロとしている。

 1950年代にはこれよりかなり大きかったことが分かっており、研究チームは縮小する一方ではないと指摘。最近ではわずかに大きくなっているといい、南極の海氷は北極よりも温暖化の影響を受けにくいとみられるとしている。

 チームを率いるジョナサン・デイ博士は「スコット隊などが収集したデータは南極の海氷の拡大や縮小について、われわれの見方を変える可能性がある」と指摘している。

 スコットは南極点到達競争でノルウェーのアムンゼンに敗れ、南極点から戻る途中の1912年に死亡。シャクルトンも南極大陸横断を目指したが、失敗した。

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