ヒアルロン酸注射は美容以外にも関節の治療にも役立つ!副作用はあるの?
時間や高額な治療費をかけず、気軽にプチ整形ができると注目のヒアルロン酸注射。年齢によるお肌の変化などへの対策として、気になっている人も多いのではと思います。そんなヒアルロン酸注射の美容効果について、メリット・デメリットやクリニック選びのポイントなどを紹介したいと思います。
ヒアルロン酸注射について知りたい!本当に美容効果はあるの?
ヒアルロン酸は、市販の化粧品に配合されているものもあり、お肌に良いというイメージは誰もが持っていると思います。では、そのヒアルロン酸を注射として使用すると、肌にはどんな変化が起こるのでしょうか。
ヒアルロン酸ってどんなもの?
はじめに、そもそもヒアルロン酸とは、どのような物質なのかを見ていきましょう。
もともと人体に多く存在する物質
ヒアルロン酸とは、人体のさまざまなところに存在する物質であり、優れた保水力や非常に高い粘性・弾性があるという特徴を持っています。
ヒアルロン酸は、特に目(硝子体)や皮膚、関節などに多く含まれ、組織の形を維持したり、関節の動きを潤滑にする働きをしています。その他にも、ヒアルロン酸は炎症や傷ができた時の、細胞修復に関与するといわれています。
ヒアルロン酸自体はアレルギーが起こらない
結論からいうと、ヒアルロン酸によるアレルギーというものは、起こらないとされています。ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という「糖」が結合した物質です。
コラーゲンのような、アレルギーの原因物質となり得る「タンパク質」とは異なるものです。このため、純度の高いヒアルロン酸は安全性が評価されていて、化粧品や医薬品などに広く使われている歴史があります。
ヒアルロン酸そのもののアレルギーは心配ないのですが、ヒアルロン酸注射には、注入後の痛みを予防するための、局所麻酔が含まれているものが多くあります。この麻酔剤や製剤時に添加される成分に、アレルギー反応が起こる可能性は否定できません。
ヒアルロン酸注射はどんなときに使われるの?
ヒアルロン酸注射の応用例について紹介します。美容の他、病気の治療にも使われるようです。
関節に注入して痛みを緩和する
体内のヒアルロン酸は、加齢とともに減少します。関節に存在するヒアルロン酸が減ってくると、潤滑作用が失われて痛みが発生することがあります。そのような場合に、関節内に直接ヒアルロン酸を注入することで、関節の動きを良くし痛みを緩和することができます。
しわを目立たなくする治療などに
アンチエイジングとしての効果は、主にシワの治療です。ヒアルロン酸をシワなどがある皮膚の下に注入すると、もともと存在する自分のヒアルロン酸と融合し、肌にふくらみをもたせます。ヒアルロン酸には、粒子の大きさや持続性などによって複数種類があり、施術内容によって使い分けられます。
額やほうれい線、目の下、首、手の甲など、さまざまな気になる部分に施術が可能です。注入後すぐに効果を実感でき、施術当日から普通の生活ができるというメリットがあります。効果の持続は、およそ3~数ヶ月ほどのようです。
鼻すじに注入してプチ整形
ヒアルロン酸を用いた、鼻の整形術というものもあります。鼻筋にヒアルロン酸を注入して、好みの鼻の高さや形に整える施術です。メスを使用しないため腫れや痛みが少なく、気軽ににプチ整形できるというものです。施術時間は10分ほどで、効果の持続は半年ほどのようです。
自然なバストアップが手軽にできる
乳腺の下に注射器でヒアルロン酸を注入し、胸の大きさや形を整えます。注射なので、傷跡がほとんど目立たず、注入直後から効果が実感できます。また、感触や動きもほとんど変わりなく、人に気づかれにくいメリットがあります。
通常のバストアップの他、授乳後に形が変わってしまったというケースにも、施術できるようです。施術時間は20分ほどで、効果は1~2年持続するようです。
点眼剤としてドライアイの治療にも
最近患者数が増えているというドライアイの治療にも、ヒアルロン酸の点眼剤が有効とされています。ヒアルロン酸には、保水作用と角膜上皮修復作用があり、角膜上の涙液を3時間まで保つといわれています。
特に、人口涙液の点眼で涙を補充し、その後ヒアルロン酸を点眼して、涙液を保つという併用療法の有効性が評価されています。
ヒアルロン酸注射が人気の理由は?
ヒアルロン酸注射には、いろいろな効果があることが分かりましたが、人気の秘密は一体何なのでしょうか。
注入するだけ!手軽に施術を受けられる
ヒアルロン酸人気の一番の理由は、やはり手軽にできるという点にあるようです。気になる部分に注入するだけで完了し、施術当日からほぼ普段通りの生活ができるため、忙しくて通院時間があまり取れない人でも受けることができます。
効果がすぐ実感できて自然に仕上がる
好みの状態になるように、ヒアルロン酸を注入するだけなので、直後から効果を実感することができます。また、ソフトなヒアルロン酸は皮膚へのなじみが良く、自然に仕上がって、他人に気づかれにくいというメリットがあります。
時短!施術に時間がかからない
多くの施術が10~20分程度など、短時間で終了するのも人気の理由です。また、アレルギーが心配ないヒアルロン酸は、事前のテスト注射などが必要ないため、カウンセリング後すぐに施術できることも、時間の短縮につながります。
比較的リーズナブルな価格
他の施術方法に比べて、ヒアルロン酸の価格はリーズナブルなものが多いです。例えば、鼻を高くする場合、ヒアルロン酸注入が数万円なのに対し、プロテーゼという人口軟骨を挿入する手術は、およそ17万円となっています。
効果が半永久的であるなど、それぞれの特徴があるので、単純に価格だけの比較はできませんが、手軽にできるというメリットを考えれば、魅力的な価格といえるでしょう。
傷跡が非常に小さく目立たない
メスによる処置が必要な整形術と異なり、傷跡は非常に小さくて済みます。多くは注入時の注射の針後のみ、バストアップなど比較的多めのヒアルロン酸を注入する場合でも、5mm程度の跡しか残らないようです。
また、腫れや痛みなどが少ないため、ダウンタイム(施術後、普段の生活ができる状態になるまでの期間)も、ほぼないか1日程度のことが多いようです(個人差などにもよります)。
ヒアルロン酸注射の副作用やデメリットはある?
起こる可能性がある副作用など、ヒアルロン酸注射について、注意すべき点をまとめてみました。
内出血や腫れは体質にもよる
ヒアルロン酸注入時に針を使用するため、血管を傷つけて内出血を起こす可能性があります。また、もともと内出血しやすい体質の人もいます。内出血の程度によっては、腫れを伴う場合もあります。
内出血は、通常1週間ほどで引いてきます。念のため、初めて施術を受けるときは、1~2週間ほど大切な用事がない時期を選ぶことが奨められます。
注入時や注入後の痛みが起こることがある
ヒアルロン酸注射による痛みとしては、まず注入時の「注射の痛み」があります。これに対しては、麻酔や注射針の種類などで対応する方法があります。
また、ヒアルロン酸注入後、組織が膨らむ時の痛みが多少出ることがありますが、多くのヒアルロン酸注射には、この痛みを予防するための、局所麻酔剤が配合されています。
まれだが重要な副作用は「血流障害」
注入したヒアルロン酸が血管を圧迫したり、血管に入ってしまうことで、血流障害を起こすことがあります。特に、ほうれい線や鼻、目の下など、栄養を運ぶ血管が周りに多い部位に出やすくなります。
中には、動脈内にヒアルロン酸を注入してしまったため、皮膚の壊死や失明に至った、重症例も報告されています(副作用ではなく、施術の失敗であると指摘されていますが)。
まれな副作用ではありますが、万一施術中・施術後などに強い痛みを感じたり、皮膚の色が変化してきたような場合は、早急な対応が必要です。また、技術のある信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
効果を持続するには定期的な施術が必要
ヒアルロン酸は体内にも存在する物質のため、注入したものも時間が経つと吸収されて減っていきます。効果が長く持続するものではないので、定期的にヒアルロン酸を注入する必要があります。持続性は施術の内容やヒアルロン酸注射の種類、また個人差によっても異なります。
ヒアルロン酸注射のほうれい線への効果と費用
ヒアルロン酸注射が肌にもたらす効果を、ほうれい線を例に見てみましょう。
リフトアップと美肌で若返り効果
肌に潤いやハリをもたらす大事な要素は、「コラーゲン」と「エラスチン」、そして「ヒアルロン酸」の3つです。コラーゲンは皮膚の真皮を支え、エラスチンがコラーゲンをつなぐ役割をします。ヒアルロン酸は真皮全体を満たす存在です。
ほうれい線のラインに沿って、ヒアルロン酸を注入することにより、真皮の内側から肌が持ち上げられてシワが改善されます。シワやたるみが改善されて見た目が若返るだけでなく、肌の弾力性や潤いをもたらす効果が期待できます。
効果の持続は3ヶ月~半年位が目安ですが、定期的に注入することで、持続期間や肌の潤い効果が高まってくるといわれています。
費用はクリニックや個人によってそれぞれ
ヒアルロン酸注射の料金は、主に(1)ヒアルロン酸の種類(2)部位や使用量(3)技術料等、の3つで決まります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ヒアルロン酸の種類は部位によりほぼ決まっている
ヒアルロン酸は、1本の注射器(0.8~1.0cc/本)に入っていて、1本単位で提供されるクリニックが多いです。粒子の大きさや、持続性など特徴はさまざまで、価格も1本あたり3万円台~10万円以上と差があります。
実際の施術には、注入する部位によって、適したヒアルロン酸がほぼ決まっているようです。例えば、目の下や首などのデリケートな部分には、粒子が小さいソフトタイプのものを、深いシワや顔の輪郭の形成などには粒子が大きいものを、といった感じです。
1本単位の他、0.1cc単位で必要な分だけ提供しているクリニックもあります。割高にはなりますが、使用量が少なければ、トータルの価格を抑えることができます。
施術部位により使用量が異なる
施術する部位によって、必要なヒアルロン酸の量は異なりますが、大体の目安としては次のようになります。
鼻を高くする…初回0.3~0.6cc、2回目以降の補充0.2cc前後
涙袋をつくる…初回0.2~0.4cc、2回目以降の補充0.2cc位(両目で)
ほうれい線…30代:1~2本、40代:2本位、50・60代:2~4本
ほうれい線は、使用量が年齢や個人差で変わる部位の一つです。ほうれい線に使用されるタイプのヒアルロン酸は、1本6~8万円の価格設定が多いようですが、2本目以降の価格を低くしたり、使用量に関わらず、部位別の価格が設定されている場合があります。
また、初めて施術を受ける場合は、非常にリーズナブルなど、お試し的な価格を提示しているクリニックもありますので、比較してみると良いでしょう。使用量に関しては、多くすることは安全上できませんが、予算に応じて減らすことは問題ないようです(効果はやや物足りなくなるかもしれませんが)。
1本単位での提供で使いきれなった分は、製品にもよりますが、クリニックで保管してもらえるものが多いです。保管期間以内であれば、残りを他の部位に使用したり、既に注入したヒアルロン酸が減ってきたときの、追加注入に使用できます。
技術料やオプションの費用も確認を
ヒアルロン酸注射には施術料だけでなく、初診・再診料やカウンセリング料、技術料、術後の薬代などが別途かかります。また、注射の痛みを抑えるための麻酔や特殊な針の使用など、オプション的な料金が発生することもあります。
ただし、こういった料金の一部が、施術料に含まれている場合があります。このような価格設定や仕組みも、クリニックによりさまざまなので、事前に良く確認しておくとよいでしょう。
関節へのヒアルロン酸注射の特徴について
美容だけでなく、関節の病気の治療にもヒアルロン酸注射が使われています。その効果や保険で、治療が受けられるかなどについて見ていきましょう。
保険適用になる疾患が限られている
関節にヒアルロン酸を補充することで、関節痛の症状を緩和するヒアルロン酸注射は、古くから用いられてきた療法です。効果の現れ方は症状や人によるようですが、効果が出れば注射直後から痛みなどの症状が軽くなるといわれます。
保険適用になるのは「変形性膝関節症」「四十肩・五十肩」「関節リウマチ」のみで、これらの疾患に対して週1回(月5回まで)は保険診療で治療できます。
痛みや炎症を抑え、関節の動きを良くする
ヒアルロン酸は、関節の潤滑油のような働きをし、関節の動きを良くします。軟骨の摩擦が軽減されて痛みが緩和するほか、炎症を抑える効果や傷んだ組織の修復に関与する作用があります。
また、ヒアルロン酸の弾力性が衝撃を吸収する作用を利用し、スポーツにおける障害予防の目的で、注射するという使い方もあります(保険適応外)。
クリニックを選ぶときのポイントについて
実際に施術を受けに行く前に、チェックしておきたいポイントをまとめてみました。クリニック選びの参考にしてみてください。
経験や知識のある医師がいる
他の美容整形術もそうですが、ヒアルロン酸注射は技術が必要な処置です。安心して施術を受けるために、専門的知識がある経験豊富な医師がいるクリニックを選ぶことが大切です。
・ある程度以上の症例数を経験している、開業後数年~の実績があるなど
・カウンセリングが適切で親身(メリット・デメリットやリスクを理由も含めてきちんと説明している、一人ひとりのニーズにあった方法を提案してくれる、無理に高額な治療をすすめない、など)
・アフターケアがしっかりしている
このあたりがチェックポイントになると思います。
治療内容や価格の理由が見えるクリニック
信用できる医師で選ぶのが一番ですが、施設としてのポイントは、
・美容クリニックとして長年の実績をもっている
・使用しているヒアルロン酸が明記されている(安全性がはっきりしたメジャーなものを使っているか、部位に適さない製品を使用していないか)
・金額が高すぎたり、安すぎたりしない。(高額な理由が明確でなかったり、低価格をうたって集客し後から高い治療をすすめたりするケースに注意)
・口コミもチェックしてみる(鵜呑みにはしない方が良いが、参考になる情報が得られることもあるので)
このあたりをチェックしておくと良いと思います。
簡単に決めないで事前の下調べが大切!
ヒアルロン酸注射は、適切に使用すれば、安全で効果が高いといえるものです。しかし、誤った施術を行えば、良くない結果を招いてしまいます。比較的気軽にできるものだからこそ、あせらずにしっかり調べて、信頼できるクリニックを選ぶことをおすすめします。
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