尿酸値が高い?!その原因は?痛風の危険性も!原因と対処法を知ろう!

健康診断で尿酸値が高いと指摘されてしまった!特に自覚症状もないし、何か病気に繋がるの?そもそも尿酸ってよくわからない…と不安になっていませんか?プリン体の多い食品を控える、ビールを我慢すればいいだけではないんです!その尿酸値が高くなる原因や症状、心配される病気や治療法についてわかりやすくまとめました。

尿酸値が高い原因とは?

性別・年齢を問わず血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。この血清尿酸値が高くなるに従って痛風の発生リスクが高まると言われています。

血清中の尿酸値が高いだけでは自覚症状はありませんが、血清尿酸値が高い状態が続くと、痛風による足の親指などの激烈な痛みや、尿管結石による腹痛、腰痛がみられることがあります。健康診断などで尿酸値が高い、といった結果が出た場合は注意が必要です。

この尿酸値が上がる原因としては、飲酒や肥満、肉食など食生活の問題によるものがあげられます。また遺伝的な要因により血清尿酸値が上昇する人もいます。

尿酸とは?

「尿酸」とよく耳にはするものの、実際よくわからないといった方も多いかと思います。では尿酸とは一体どういったものなのでしょうか

プリン体の老廃物

尿酸は細胞の遺伝子が分解される時の老廃物と体内で作られるエネルギー物質の燃えかすにより生成されるのが80%、残りの20%は食品中のプリン体から生成され、肝臓で作られる不要な老廃物のようなものです。血液検査で尿酸値が7.0mg/dl以上なら高尿酸血症と言われます。尿酸値が高くなるに従って痛風の発症リスクが高まる危険性があります。

肝臓で作られた尿酸は、腎臓に運ばれ尿として排泄されるのですが、尿酸が多すぎたり、血液に溶けきれない状態になっていたりすると、うまく排泄されずに体内に蓄積し、結晶になって関節に沈着し、炎症を起こします。その結果、激痛を伴う痛風を引き起こします。

尿酸値を下げるにはプリン体や飲酒の制限、体重を減らすなど生活習慣の改善が必要ですが、医師の指示により尿酸値を下げる薬を服用する場合もあります。

尿酸値は血液検査で測定できる!

尿酸値は病院や健康診断などの血液検査で測定することができます。尿酸の正常値は2.1~7.0mg/dlです。痛風リスクとなる高尿酸血症は男女ともに、7.0mg/dlを超えるものとされています。8.5mg/dl以上になると痛風発作が非常に起こりやすくなり、尿酸値を下げる治療が必要となります。現在日本では高尿酸血症の患者は約500万人、痛風の患者は約50万人いると言われています。

逆に尿酸値が低すぎる場合、低尿酸血症と診断される基準値は2.0mg/dl以下で、 急性腎不全や尿路結石などを引き起こします。低尿酸血症の人は、特に激しい無酸素運動後に急性腎不全を起こしやすいと言われています。つまり尿酸は体の中になくてはならないものなのです。

男性だけじゃない!女性も要注意!

尿酸値が高いのは男性の方が多いイメージがありますが、近年は女性も増えてきています。特に高くなるのは閉経後です。女性ホルモンのエストロゲンには尿酸の発生を抑え、尿酸の排泄を促進する働きがあるからと言われています。

閉経後はこのエストロゲンの分泌が低下することや、メタボリック症候群の原因とされる内蔵脂肪型肥満などで尿酸が作られやすくなるため、注意が必要です。また、現代社会のストレスやアルコールの摂取量の増加、肥満、食生活の乱れなど女性や若者の間でも増加傾向にあります。

どうして高くなるの?尿酸値が高くなる仕組み

私たちの体内では一定の量の尿酸が常に作られ、排泄されることによって毎日入れ替わり、体内に一定の量以上にならないよう保たれています。尿酸値が高い高尿酸血症は下記の尿酸排泄低下型、尿酸産生過剰型、混合型の3つの型に分類されますが、日本人の約60%が排泄低下型、約30%が混合型と言われています。

尿酸排泄低下型

日本人の約60%がこのタイプです。産生される尿酸は正常だが、腎機能低下や薬物により尿酸の排泄がうまくいかず、体内に尿酸が蓄積します。遺伝や肥満が関係すると言われています。肥満度と尿酸値は正相関し、原因として肥満者では過食によるプリン体の摂取自体が多いことに加え、肥満のため高インスリン血症となっており、インスリンが腎臓での尿酸の排泄を抑制する働きをするためです。

尿酸産生過剰型

日本人の約10%がこのタイプです。尿酸が作られる量が処理できる量を超え、体内に尿酸が蓄積します。プリン体を多く含む食品を過剰に摂取したり、激しい運動、無酸素運動をすることにより新陳代謝が活発になり、体内で通常よりより多くのプリン体が作られることが原因です。

混合型

日本人の約30%がこのタイプです。尿酸の作られる量が過剰なのとともに、腎臓からの尿酸の排泄が減少しています。尿酸排泄低下型と尿酸産生過剰型の2つが混合したタイプです。

尿酸値が高くなるとなりやすい病気って?

痛風

痛風とは血液中の尿酸が増え、関節や腎臓などに尿酸が沈着し、結晶となって関節に炎症を起こし大きく腫れ、激しい痛みを伴う疾患です。痛風は初期症状もなく、ある日突然にやってきます。痛みは風が当たっただけでも痛い、と言われるほど激痛となることが多く、そのことから痛風と命名されたと言われています。

尿酸は比重が重いため、重力によって足部に沈着しやすく、痛風発作は最初に足の親指の第二関節が痛む場合が多いようです。およそ70%が親指の付け根です。病状がさらに進むと足関節や膝関節まで痛みが起こり、一度発作が起こると何度も起きやすく、発作が起こるごとに症状が増悪します。

痛風は完治するのが難しく、一生涯治療を続けなければならないと言わざるを得ません。発作が起こらないよう尿酸降下薬の服用や肥満、食生活にも注意が必要です。

尿路結石

尿は腎臓で作られ、尿管から膀胱を経て尿道から排出されます。この尿の通り道を尿路と言い、尿路にできた石を尿路結石と呼びます。腎盂→尿管→膀胱→尿道のどこかに結石がひっかかってしまって尿路をふさいでしまうと、尿が出にくくなって激しい腰痛、血尿などの症状を引き起こします。30代から60代の男性がかかりやすい病気です。しかし、近年はでは女性や20代でも結石が見つかるケースも増えてきています。

結石の大きさが直径5mm前後なら通常尿と一緒に自然に外へ排出できます。水分を多く摂取して、尿の量や回数を増やせば石が出やすくなります。

尿酸値が高い原因は?

遺伝的な要因

高尿酸血症などの病気は遺伝的要因と環境的要因が加わることによって発病します。痛風などの病気も遺伝的体質が関係すると言われており、患者の約20%は、父親や叔父、従兄弟に痛風を患っている人がいると言われています。

しかし、そのような痛風患者が身近にいても発症しない場合もあり得ることから、生活習慣に気を付ければ発症を抑えることも可能だと考えられます。

食生活の問題

社会での欧米化が進み、肉食が増加し、高脂肪・高たんぱくの食事が中心となりつつあります。そのため、肥満や生活習慣病の患者が増加してきており、痛風患者の約60%は肥満だと言われています。肥満度が大きいほど尿酸値は高くなり、痛風のリスクが高まります。

食事から摂るプリン体より、体内で作られる方がはるかに多いと言われています。「これを食べてはいけない」という極端な食事制限はありません。適切な摂取エネルギーが重要です。肥満の人は食べ過ぎでプリン体を含む食品を多く摂取していることが考えられます。

なるべく野菜や海藻類などのアルカリ性食品を多く取り、プリン体が多く含まれる肉類などは控えめに標準体重を目標にすることが大切です。

お酒の飲み過ぎ

アルコールは尿酸値を一時的に上昇させます。アルコールの中でもビールの原料となる麦芽は最もプリン体を多く含み、焼酎、ブランデー、ウイスキーなどの蒸留酒にはあまり含まれていません。アルコールが代謝されるときに一時的に尿酸値が上がるので、アルコールの摂取自体、痛風にはあまりよくないとされています。

つまり何も飲むかではなく、アルコールの摂取を減らすことが重要です。最近では低プリン体のビール等もあり、ビールよりは悪くないと言えますが、長期的に影響はまだ研究されていないようです。

また、アルコールの摂りすぎは中性脂肪を増やすので、肥満にもつながりやすくなります。蒸留酒がプリン体が少ないからといって、たくさん飲み過ぎては意味がありません。いずれもほどほどにしましょう。

ストレス

ストレスは尿酸値を上昇させると言われています。仕事が忙しい、大事なイベント、旅行などの前に痛風発作を発症するという方がいます。これがストレスによる尿酸値の上昇とも関係があるらしいということが分かってきました。ストレスはいやなことだけではなく、楽しいことでも精神的な高揚がストレスになり、尿酸値を上昇させるという研究結果が出ています。

もちろん、普段から高尿酸血症ではない方は痛風発作を起こす心配はないですが、健康診断などで高尿酸血症を指摘されている方は、食生活や生活習慣にも気を付け、必要であれば薬の服用など、尿酸値をうまくコントロールし、大事な時に痛風発作を起こさないように気を付けましょう。

また、ゆっくりと体を休め、リラックスした時間を取るようにして十分な休養を取ることも重要です。

激しい運動

短時間に激しく体を動かす短距離走やウエイトトレーニングなどの無酸素運動は、尿酸値を上昇させます。また、発汗や下痢などで脱水症状になった場合でも尿酸値は上昇します。

他の病気の影響

腎機能が低下する腎不全や、白血病などの血液の病気があったりすると尿酸値が上昇する場合があります。悪性腫瘍が原因で高尿酸血症になることもありますので注意が必要です。

尿酸値を下げるための治療法

薬物療法

食事運動療法を実施しても血中尿酸値が8㎎/dl以上と改善しない場合、薬物治療が行われます。高尿酸血症の薬は体内の尿酸の産生を抑える薬と、体内の尿酸を腎臓から排泄させる薬があります。

【尿酸排泄低下型】
腎臓での尿酸の排泄を促進する尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシドなど)を使用します。副作用として、尿路結石が起こる場合もあるため、尿アルカリ化薬(クエン酸製剤)を併用して予防します。

【尿酸産生過剰型】
尿酸産生抑制薬(アロプリノール)を使用します。

【混合型】
尿酸排泄促進薬と尿酸産生抑制薬を組み合わせます。

尿路管理

尿酸は尿に溶けた状態で排出されますが、高尿酸血症になると、尿が酸性になりがちです。尿が酸性になると尿酸が溶けずに析出して尿路結石が起こりやすくなります。そのため、尿が酸性化しないように尿路管理が必要となります。尿検査で尿のpHを確認し、酸性に傾いているようであれば、尿をアルカリ化する薬を使用します。

また、水分を多くとって尿量を多くすることも大切です。この場合には水やお茶をこまめにとって尿量を1日2L以上にすることがよいとされています。特に、発汗後や就寝前は、水やお茶など、糖分を含まない飲料を十分補給しましょう。

食事療法

高尿酸血症の治療には食事療法が基本です。肥満度が高いほど、尿酸値が高い人が多く、体重が下がれば尿酸値も下がっていくと言われています。プリン体をたくさん含む肉類やアルコール(特にビール)ソフトドリンク、果糖の摂取などを控え、1日の総摂取カロリーをコントロールしていくことが重要です。また、体重を落とすことで他の病気、高血圧症や高脂血症の予防や改善にもつながります。ただし無理な減量は痛風発作を誘発しかねないので、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。

プリン体としての1日の摂取量は400mgを超えないようにすることが推奨されています。プリン体を多く含む食品の中でも、肉類、内臓類、魚介類は痛風発作を起こしやすいと言われています。しかし、同じ高プリン体の中でも干ししいたけなどは、あまり影響しないようです。

運動療法

肥満を解消するためにも、適度な運動が必要です。適正な体重(BMIで25未満)を目指し、軽いジョギングやウォーキング、水中歩行などの有酸素運動を行いましょう。

ただし、激しい無酸素運動はプリン体を発生させ、血清尿酸値が高くなります。食事療法や運動療法は、必ず医師の指導の下で行いましょう。

今日からの意識付けが大切!

いかがでしたでしょうか。尿酸値が高い=プリン体を多く含むものを控える、と思われがちですがそれだけで改善は難しいということがお分かりいただけたかと思います。

高尿酸値症(痛風)は「これを食べてはいけない」など厳しい食事制限が必要だと言われているわけではありません。ほんの少し生活習慣を気を付けたりすることで、痛風発作の予防や改善につながります。週に2回は休肝日を作る、などまずはできそうなことから何か一つでも始めてみては?

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