いぼは液体窒素で治療出来る!マイナス196℃の凍結療法!そのメリットとデメリットとは

不意にできてしまういぼ。種類によっては年齢とともにできやすいものもありますが、ウイルス性のいぼだと小さな子どもから大人まで世代を問わず症状が現れることも多いようです。市販の薬などで自己治療することもできますが根治はなかなか難しく、放置してしまうと大きくなったり増えてしまうこともあるのだそう。数あるいぼ治療の中でもその効果を認められているのが液体窒素を用いた方法。いぼで悩んでいる人は要チェックです。

いぼは液体窒素で治療しよう!

いぼができてしまったら、女性は気になってしまいますよね。いぼは足や手指、腋、顔など、不意に現れることが多いのだとか。ニキビや吹き出物などと違い予防方法が少ないとされているいぼは「目立たない部分だから」「小さないぼだから…」と長年放置してしまうケースも多いようです。しかしいぼの種類や原因によってはその症状が悪化してしまう可能性も秘めていますので、慢心せずに早めの治療を心がけてください。

いぼの治療法には、電気凝固法やレーザー治療、ヨクイニン内服、いぼ削ぎ治療、プレオマイシン注射などがあります。なかでもその有効性が認められているのが「液体窒素療法」です。空気中に存在する「窒素」を液化した治療法とは一体どんなものなのでしょうか!?

いぼについて

いぼ治療の第一歩は、いぼそのものをよく理解することが大切です。いぼとは一体何なのか?どうしてできるのか?その原因や症状を詳しくご紹介していきます。

いぼとは

いぼとは、皮膚にできた小さな隆起物を指す総称で、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれます。いぼには、ウイルス感染によるいぼ「尋常性疣贅(ウイルス性疣贅とも呼ばれる)」と、加齢による「老人性いぼ」があります。ウイルス性のいぼは抵抗力の弱い子どもに見られることも多く、足の裏や手指にできることが多いようです。加齢によるいぼは首や脇の下、胸などやわらかい皮膚にできやすく、60歳以上の約8割に見られるそうです。

症状として多いのは尋常性疣贅で、その見た目や種類はさまざまです。時には魚の目やタコと間違われることもあり、原因となるウイルスにも違いがあります。大半は、触ると周辺の皮膚に感染が拡大してしまうこともあるため注意が必要です。加齢によってできるいぼにはスキンタッグ、老人性疣贅、脂漏性角化症といった種類のいぼがあります。

いぼの原因

ウイルス性のイボは、HPV:ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルスとも呼ばれる)が原因とされており、人から人へと感染します。ヒトパピローマウイルスのなかでも、ある種のウイルスが皮膚の細胞に感染するとその見た目も異なります。また、免疫力や肌のバリア機能が低下したり、手荒れや髭そり後にできることもあります。

加齢によるいぼは、皮膚の表皮の細胞であるケラチノサイトの増殖に伴ってメラニンが増加し、シミが隆起することでできます。その多は色が黒褐色や黒色になるそうです。首筋などにできることの多い数ミリ程度の小さないぼはスキンタッグと呼ばれるものです。加齢によるいぼは感染性はありませんが、体質に起因し一度治っても再発することがあります。

正常な皮膚には感染しないと考えられているようですが、何らかの傷が原因でいぼとなることもあるようです。傷があると基底細胞と呼ばれる細胞にウイルスが感染し、いぼを作ると言われています。感染した基底細胞は、細胞分裂が活性化するため周辺の正常な細胞を侵食し増えてしまうこともあります。

いぼの症状

いぼの症状には、肉眼でみるといぼには見えないものなど、大きさ・形、症状もさまざまです。 数は少ないながら突起状で表面が凸凹でザラザラしているいぼ、表面はなめらかでも数が連なってできるいぼ、表面はつるつるしていて光沢があり真ん中が凹んでいるぼなどがあります。症状が見られる部位も顔や手足、首筋、足の裏、性器、肛門周辺など多様です。足の裏にできたいぼは、体重の負荷がかかり痛みを伴うものもあります。

小さな子どもによく見られるのが尋常性疣贅で、傷口などから感染します。加齢による老人性疣贅もこの種類ですが、悪性ではないので治療を控える場合もあります。青年期にできることが多く、特に女性に多く見られるのが扁平疣贅です。症状としては顔にできることが多く、表面はなめらかで先端が平らなのが特徴です。難治性のものもあります。

その他、足の裏にでき、表面がザラザラとしていて白色の硬いしこりを伴う足底疣贅や、外陰部や肛門の周囲にできる尖圭コンジローマなどもあります。尖圭コンジローマは性感染症の一種ですが痛み・かゆみといった症状が少ないため、気づかずに感染を広げてしまう場合があります。

上記に挙げた「いぼ」はいずれも、人から人へとうつるHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因です。HPVは100種類以上のウイルスがあります。家族への感染も考えられますので、皮膚科で鑑別診断されることをおすすめします。

液体窒素によるいぼ凍結療法

液体窒素による治療なんて、なかなか聞かないですよね。でもとかく、いぼに関しては、液体窒素治療が最も有効と言われることもあるのだとか。マイナス196℃の凍結療法というのも気になるところ。では詳しく解説していきます。

液体窒素による凍結療法とは?

いぼ治療の代表的な方法として皮膚科で行われるのが、マイナス196℃の液体窒素を用いた凍結療法です。液体窒素とは、窒素を冷却し液化させたものです。窒素は空気中の80割を占める気体で、蒸発した液体窒素を吸い込んでも、人体に害はありません。マイナス196℃という温度は窒素の沸点です。

液体窒素治療には、いぼを瞬時に凍結・解凍させることで、患部の組織にダメージを与え病変を壊死させる効果があるそうです。一種の凍傷を人工的に起こす治療法として、患部の免疫力を活性化させる効果も期待できます。

凍結療法での治し方は?

治療方法は、綿棒の先端に巻いた綿球に液体窒素を含ませ、いぼに数回押し当てます。押し当てる時間は数秒~10秒程度で、初回は強く押し当てすぎないよう様子を見ながら弱めに行います。これにより局所的に患部が炎症し、急速凍結され、いぼは白く固まります。病院によっては綿棒ではなく、スプレー式の容器で患部に吹きかける場合もあります。

治療中、治療後1〜2日程度は、患部にピリピリとした痛みが出ることがあります。1週間ほど経つと角質が少し黒褐色になったり、血豆や水ぶくれができることがあるようです。治療の頻度は病院によって違いますが、1週間に1回程度の割合で、5~10回行うと効果があるそうです。

治療後にできた血豆や水ぶくれを無理につぶしたり引っかいたりするといぼが拡大したり、治りが悪くなることがあります。かさぶたになるまで待った方が治りは早いようです。また、小さいいぼなら、洗顔時などにぽろっと取れることもあるそうですよ。大きないぼの治療後には痛みが出やすく、抗生剤や鎮痛剤が処方されることもあります。

治療回数・期間は?

液体窒素によるいぼ治療の回数や期間は、大きさや患部の状態、個人差によって異なります。顔や腕、脚の皮膚の薄い部分なら2〜3回の治療で、だいたい半月以内に治ることが多いようです。手のひらや足の裏、爪の周囲、首など皮膚の厚い部位の場合は、10~15回程度の治療を必要とすることが多く3ヶ月~半年以上かかることもあるようです。

また、治療に3週間以上時間をあけてしまうと、治療効果が落ちると言われています。いぼには難治性のものもありますので、経過を見ながら医師の適切な判断を仰ぎましょう。

料金は?

料金はいぼの重度や数によって変動がありますが、液体窒素治療は保険が適用されるため、レーザー治療や注射療法などと比較すると治療費もかなり安く抑えることができます。医療機関によって多少違いますが1回の診療で1000円以内のところが多いようです。

いぼの液体窒素治療のメリット

保険が適用される

液体窒素治療は保険が適用されます。1回の受診で保険診療として3割の自己負担となるのが一般的で、だいたい600~1000円の金額です(初診料・再診料は別途)。

いぼを治す治療には液体窒素治療のほかにレーザー療法がありますが、保険は適用されず全額自己負担となる場合がありますが、液体窒素の冷凍凝固法は治療費を安く抑えることができます。

治療が簡単

液体窒素治療は特別な器具などが必要をしないため治療自体が簡単です。また、治療時間も5分程度と時間を要さず、症状や経過に応じて何度でもくり返すことができるというメリットがあります。皮膚専門の病院であればたいていの病院で行われている治療法なので安心感もあります。

子どもも治療可能

液体窒素療法は小さな子どもにも可能な治療法です。しかも、子どもは大人よりも治療効果が高く、治りやすいのだそうです。これは子どもの皮膚が薄いということも関係しているそうです。いちばんの難点は、痛みです。治療中に痛みを伴うため、泣き出してしまう子どもも多いそうです。診療中は親御さんのサポートが必要となります。

いぼの液体窒素治療のデメリット

治療中や治療後に激しい痛み

液体窒素のデメリットは、痛みを伴うということ。液体窒素を押し当てる強さや時間の長さによって差はありますが、痛みをまったく感じない人は少ないようです。

痛みが出る原因は、いぼの神経の先端部分が冷やされるからだそうです。いぼができた部分というのは皮膚が厚く積もったような状態になっているため、液体窒素を押し当てても他の部分の皮膚より痛みは少ないのですが、症状が改善してくると痛みを感じることが多いとも言われています。

液体窒素は皮膚の幹細胞にしっかり効かせていかなければ効果が出ないということです。治療中も2~3回は押し当てることになるので、小さな子どもは痛みを感じることが多いようです。また治療後1~2日間はピリピリとした痛みを伴います。

1回の治療では終わらない

液体窒素療法では、1回だけの治療でいぼを除去・完治するということは難しく、5~7日に一度の頻度で治療を繰り返すことが望ましいとされています。2~3週間以上、無治療の間隔が空いてしまうと、治療効果が半減しますので、医師の診断に従って通院されることをおすすめします。

また、症状によっては軽めの治療が行われるため、治療に長い期間を要することもあります。途中で治療をやめてしまうと、いぼが再発しやすくなり完治しにくくなりますので、ある程度の根気が必要です。

大きな水ぶくれで生活に支障

患部に炎症を起こす治療法のため、治療後に炎症が残り水ぶくれができてしまうことがあります。皮膚科医も水ぶくれにならない程度に治療を抑えることが多いようですが、皮膚反応の個人差もあるため水ぶくれは起こり得ます。

水ぶくれができた時は、無理に破ったり、触ったりするのは厳禁です。自宅で綿棒やコットンなどで消毒を行い、患部を触らないように絆創膏やガーゼで覆っておくのが良いでしょう。水ぶくれが腫れて痛みを伴う場合は、中の液を出せば症状が緩和する場合がありますが、自分で行うことはせず、必ず皮膚科で処置を受けるようにしてください。

色素沈着を起こすことが多い

いぼの大きさによって異なりますが、液体窒素治療後には色素沈着が起こることがあります。特に顔や首など目立つ部分を治療した際に残る跡(色素沈着)を気にされる人が多いようです。自然に消えていくことがほとんどですが、どうしても気になる人には美白剤を処方してくれることもあるそうです。美白剤には保険の適用はありませんので注意してください。

色素沈着を防ぐためには、いぼがとれた時点のピンク色の皮膚状態の時に、しっかり紫外線対策をおこなうようにしましょう。ピンク色の状態は肌がダメージを受けやすく一過性の炎症性色素沈着が起こりやすいのです。

深い腫瘍は治らない場合も

足の裏、指先など角化の強い部位に生じたイボは表皮基底部の幹細胞に感染を起こしますが、しばらくするとより深い毛根部や汗腺の深い部分にイボが移動すると云われています。従来考えられていた表皮基底部より、さらに深い部分にイボの芯があるケースでは思ったより液体窒素をしっかり行わないとまったく治療効果がありません。

いぼは放っておかずに治療しよう!

いぼって、害がないという印象が強いので「放っておいてもいいや」と思っていませんでしたか?でも、放っておくと、症状が悪化したり、人にうつしてしまう可能性もあるのですね。

また、ウイルス性のいぼには子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスである可能性もあるのだそうです。液体窒素治療は安価で、効果が高いとされている治療のひとつですので、悩んでいる人は一度皮膚科の先生に相談していることをおすすめします。

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